誉編 環境
などということを考えつつも、
そして、
確かにレッド達はもう危険ではないのかもしれない。しかし、レッド達と同じ
敢えて警戒を持ち続けようとする者もいて当然だと思う。
むしろそれが自然じゃないかな。
向こう見ずで冒険心に溢れた兄を心配する<妹>。
可愛いじゃないか。
それに
しかも、小さい子が危ないことをした時なんかには危険を顧みず助けに行ったりすることもある。
決してただ怖がりなだけの子でもないんだ。
そしてどこか
その事実が、彼女を喪った俺を癒してくれる。
こういう小さなことが積み重なって、大切な人を喪った痛みも和らいでいくんだろう。
人間は忘れる生き物だとは言うが、
<忘れることができる状態>
であってようやく忘れることができるんじゃないだろうか。
なにしろ、恨みをいつまでも忘れないのもいたりするじゃないか。そういうのは、『恨みを忘れることができる状態にない』ってことなのかも知れないな。
その点でも俺は本当に恵まれてる。
時間が経てば経つほど感じるんだ。この世界において
だが、それでも俺は幸せを感じることができてる。
これはつまり、俺が今、
<幸せを感じることができる環境>
にいるということに
彼女達の命が繋がってこうして俺を取り巻いているという事実が、その環境を作り上げてくれてるんだ。
そんなことを考えながらレッド達の孫達が遊んでる様子を眺めてると、幼い頃の
そんな光景も、<俺を取り巻く環境>の一部だな。
いや、
我が子の一人である
みんなそれぞれ、自分の幸せを作り上げていってくれてるのがすごく感じられたのだった。
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