誉編 碧 その4
「うあ、あ。あぁぁあぁぁーっ!」
こうして取り付かれれば子供ではまったく勝負にならない相手に、その子は絶望の悲鳴を上げた。結末はもう決まっている。頸椎の辺りに強力な顎の一撃を受けて神経を断たれ、死に至るのだ。そして
それが<摂理>というものだ。
しかし、だからと言って簡単に諦めるというのも違うのだろう。特に
「がいっ!!」
一声上げて木を下り、仲間の下へと駆けつける。
と言っても、この時は相手の
これがもし、二~三頭の集団であれば、この判断はできなかっただろうし、しなかった筈だ。
しかも、動いたのは
「あーっ! あーっっ!!」
と声を上げて跳び回り、
そしてその隙をつき、
見事な連係プレイだ。
すると、
それを確かめた
こうして、パパニアンの子供は危ういところを
その一部始終を、一緒に遊んでいた他の子供達やメイフェアが目撃していたが、子供達はただ何もできずに遠巻きに見ていただけだし、メイフェアは果実を手に取り、いざという時の援護の用意をしていたものの、結局、何もする必要がなかったのだった。
この時、
だが、そういう背景がある
どうやら彼女は、メイフェアから指導を受けている
ただの可愛らしい<お嬢ちゃん>ではないという片鱗が、既にこの頃から覗いていたということか。
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