あ~もう(イチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャと)

新暦〇〇一一年十月八日。




人間が動物を飼うのも身勝手なエゴかもしれないが、人間に飼われている動物を『可哀想』と言うのもたぶん、違うんだろうなという気がしてる。


動物の方にしたって、安全なところで楽して生きられるに越したことはないんだろうし。


自分が思うように移動したりできないのは辛いとしても、自然の中で生きていたって行動が全く制限されないかと言ったら、おそらくそうとは限らないだろう。


ヒト蜘蛛アラクネに襲われて向こう岸に行くことをやめてしまったようしょうだって、行動範囲が狭められてしまったんだから。


だから言うほど<自由>でもないんじゃないかな。


などと考えることで、とにかく自分を納得させようとする。我ながら相変わらず面倒な奴だ。


でも、だからって難しく考えずに生きてられる人間が羨ましいかと言うと、そんな風に思うこともない訳じゃないが、本気でそうは思わなかったりもするんだよな。特に、『どうして上手くいかないんだ!』とか文句言ってる人間とか見てしまうと。


『いや、それは自分が何故上手くいかないのかってのを考えてないからだろ?』


って思ってしまうし。


そんなこんなで俺は、いちいち考えすぎてしまって辛い時もあるんだが、それと同時に、自分の選択にある程度納得もできてるっていうのもあるんだ。


まあ、それでも間に合わなくて逃げ出したくもなったりするけどな。その結果がこの惑星への遭難だったりするわけで。


結局、どっちが正解かなんてのも、本人次第ってことかもしれない。


いや、そもそも正解なんてもの自体がないのかもだが。


自分の選択を後悔しないかどうかってだけなのかもしれないな。


そういう意味では、まだ救われてるかな。




なんてことを考えてる俺の視界の片隅で、今日もほむらさいが、イチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャ。


あ~もう! よく飽きないな!


などと思っても、他人から見たら何人も<嫁>を抱えてそれと毎日のようにイチャイチャしてる俺も大概か。


むしろ、俺や母親達の様子を見ててそれに倣ってるんだと思わなくもない。


なんだ。ということは俺の真似か。


……くそう。なんか悔しい。


「仲がいいのはいいんですけどね」


シモーヌも少々苦笑いだ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る