第265話 勇者が魔王国王都に現れた

「勇者を倒す目処が立った気がするぞ。最強のメンバーで出撃だ。俺と悪鬼神阿修羅、魔王イリスとエキドナは必須だな」


「畏まりました」

と阿修羅は軽く頭を下げる。


「行くのだ!」

とイリスは右手の拳をあげる。


「良し!今度こそぉ!」

とエキドナも張り切っている。


「後1人はバズかな?」


「承知シタ!」

何も見えない空間から魔神パズズのバズの声がした。


「わちきも行くでありんすぇ」

と雪女のユキが現れた。


「最強メンバーなら私も入るな」

とヴァンパイア真祖のヴァラカも登場。


「アタシも行くにゃ」

とケット・シーのペロが顔をあげて俺を見る。


「妾も!」、「僕も!」、「ダルも!」、「我出撃」、「うちも!」、「私も!」、「私も!」・・・。


とエルフのエリ、ハーピーのハルカ、ダークエルフのダルア、鵺のライヤ、空弧のクーコ、気功士のキャルやノノ達まで声をあげる。


「って多過ぎだろう。同行はペロまでとするよ」


「えー。今度はダルも行くよー」

「ダルは国王代理だからダメ」

「うぅ」


「エリとハルカも今回は留守番を頼む。ハルカは美味しい食事を用意していてくれよ。帰ったらパーティーだ」


「むむ、分かったのじゃ」

「ブーブー、分かったよー」


「しかし、凄い戦力なのだ。魔王軍より充実してるのだ」


「ははは、行くぞ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


魔王城がある魔王国王都に勇者達が到達した。


「やっとここまで来たぜぃ」

と勇者リクトは聖剣を抜いて構える。


「魔王を倒せば、終わりだな」

と賢者ツバサは愛杖カドゥケイスを握り締めた。


剣神ヤマトと聖騎士カイト、聖女ミクは、無言で門を見詰める。


門前にはオーガの門番2人が、槍を持ち警戒していた。


「ひゃっはー!」

勇者は聖剣を振り上げ門番に駆け寄る。


勇者の後ろから、賢者の魔法が火を噴いた。


ドゴーンッ!!


門に火の玉がぶち当たり、扉が内側に弾け飛んだ。


「くっ」

一瞬、門番達が爆発に巻き込まれて体勢を崩すと、勇者が聖剣を横に払う。


ズシャッ!!


門番2人は身体を上下に切断されて、崩れ落ちた。


門をくぐり都市に足を踏み入れた勇者達。


「くくく、あれが魔王城かぁ! 最短距離で行くぜぃ! ヒーハー!」

勇者の目に高く聳える禍々しい城が見えた。


退退けええええええええ!」

勇者は魔王城に向かって走りだし、仲間達も後に続いた。


道行く亜人が逃げ惑い、モンスターが勇者を襲うが、亜人もモンスターも切り刻み、燃やし殺していく勇者達。


「経験値がガンガン入るぜえええ!」


「待てええええええええ!」

宙に浮かぶ影の叫びが勇者を止める。


見上げる勇者リクト。

「エキドナ!また出たかぁ。いい加減、今日こそは決着を着けてやる」


「それは、妾の台詞だぁ!」


「良くも我が国で好き勝手してくれたのだ。許さんのだ」


エキドナの下に濃厚な魔力を纏う魔王イリスが現れた。


その邪悪な魔力を浴びて退く、賢者と剣神と聖騎士。


聖女ミクは魔王を注視していた。

「魔王イリス!とうとう現れたのね」


「なにぃ! 魔王だってぇ! へへへ、ロリ魔王じゃねえか。サッサと殺して終わらせるぜええええええええ!」


勇者リクトは聖剣を八双に構えてイリスを睨んだ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


宣伝です。すいません。

新作投稿しました。


6/11 0:00に

第1話をスタートしました。

こちらもご愛読いただけたら嬉しいです。


タイトルは、

『邪悪な勇者と神槍の英雄~虐げられた普通の槍兵が成り上がり「ざまぁ」する~』


URLは

https://kakuyomu.jp/works/1177354054898248060

です。


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