第243話 勇者パーティーVS魔都グロガ軍

魔王国の都市グロガ。


魔都と言われる魔王国でも3本の指に入る大都市で、魔王軍四天王の魔族ルーデルが治めている。


その都市で勇者が暴れていた。


「ひゃはー!」


聖剣を振り回し、オーク兵達を切り刻み勢い余って、オーク兵の後ろにあった屋台まで破壊する。


「うえっ、やっちまった。後で食べようと思ってたんだけど。まあ、いいか。よっと・・・」


勇者リクトは飛び散る屋台の肉串を、素速く左手で何本か手に取った。


右手に聖剣、左手に肉串。


オーク兵を斬って肉串を食べる。

肉串を食べてオーク兵を斬る。


オーク兵が盾を翳すが、リクトの聖剣は盾ごとオーク兵を斬り捨てていった。


タッタッタッタッタ!


騎馬の足音が聞こえる。


大通りをケンタウロスの弓騎兵が駆けて来た。


「全体止まれ!」

整然と1列に並ぶケンタウロスの弓騎兵達。


「弓構えぇ! 放てぇ!」


ケンタウロスの弓騎兵が、一斉に勇者達に矢を放ってきた。


ヒュンヒュンヒュン!と矢が雨の様に降り注ぐ。


「おっと、危ない」


聖騎士カイトが盾を翳す。


「不可侵の聖域!」


カイトの盾から聖なる光で包まれて、聖なる光が広がりリクト達を覆う。


ケンタウロスの矢は光に跳ね飛ばされた。


「もう、しょうが無いですねぇ」


賢者ツバサが特大魔法を詠唱し、魔方陣が夜空に展開されていた。


大爆発large eruptions!!」


ドッガーン!!


ケンタウロスの弓兵達が爆発で吹き飛んだ。


街は凄惨たる有様で、聖剣で斬られた屋台や建物と、バラバラに斬られたオークの死体があちこちに転がり、爆発で破壊された建物の瓦礫が飛び散っていた。


「助けてくれぇ!」

「逃げろぉ!」

逃げ惑う民衆。


そこにオーガの重装歩兵達が現れる。


オーガ重装歩兵は、重い鉄の鎧に身を包み、盾と鉄製の金砕棒かなさいぼうを持っていた。


重装歩兵同士の戦いにおいて、固い鎧は、刃を受け付けない事から、打撃により鎧を破壊し、ダメージを与える金砕棒かなさいぼうは脅威だ。


「俺の番だな」


シュッ!ガシャッガシャーン!!


剣神ヤマトが居合い斬りで、愛刀クトネシリカを振るうと、オーガ達の身体が鎧ごと上下に切断された。


ズシン!ズシン!


地面が揺れ、足音が聞こえる。


平屋の屋根上に不気味な禿げ頭が見える。トロル達の登場だ。


トロルは猫の王国の迷宮『猫の穴』に現れた者と同様に、肌は緑で無双の怪力を誇る巨人。傷付けてもあっという間に治る超回復力と、腕を切り落としても生えてくる欠損再生がある。


空にはワイバーンに騎乗するレッドキャップの飛行兵も現れる。


レッドキャップは赤錆色の帽子を被った凶暴な妖魔。長髪に赤目、鋭い牙に鉤爪を持った小柄な老人の体躯で手には斧を持ち、素速い動きで攻撃する。


赤錆色の帽子は、殺した獲物の血で染まっていると言われている。

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