第166話 ダンジョンバトル

魔抜けの人々を救出し拠点に戻った俺達は次の計画に移る。


魔抜けの人々を気功士に育てるのだ。


取り敢えず拠点にて、気功士の訓練を行い、ある程度覚えたら、ダンジョンに潜ってレベ上げを行う。


そこまでいけば、気功士として自立して生活も出来るだろうし、望めば学園襲撃にも参加させるつもりだ。


ダンジョンへは、通常の入口から入る訳にはいかない。


魔抜けの人々がぞろぞろとダンジョンに入るのは、幾ら何でも目立ち過ぎだ。


そこで拠点から俺のダンジョンのトンネルを延ばし、学園都市郊外の巨大ダンジョンに接続する事にした。


学園地下への接続は問題なく実施出来たが、ダンジョン同士が接続する事は可能かどうかも含めて、試行する必要があるだろう。


そして俺達は延ばしたトンネルの先端に来て、接続を確認しにきていた。


少数精鋭の実力者で固める。


俺のダンジョンのトンネルの先端で、接続を見守る13人?13の強者!


俺とケット・シーのペロ。

エルフのエリ。

ハーピーのハルカ。

雪女のユキ。

魔神パズズのバズ。

ドラゴンのドラム。

ダークエルフのダルア。

空狐のクーコ。

鵺のライヤ。

ヴァンパイア真祖のヴァラカ。

ヴァンパイアナイトのヴァンリ。

ヴァンパイアアルケミストのヨシゾー。


「接続するよ」

「カウントダウンするにゃ」


「了解」


「3にゃ。2にゃ。1にゃ・・・。

Goにゃ!」


「接続!」


<ダンジョン同士の接続を確認しました。ダンジョンバトルを開始します。>


俺の頭にメッセージが流れた。


「え!」


「どうしたにゃ?」


「ダンジョンバトルが開始されるらしい・・・」


接続されて、トンネルの先には学園都市のダンジョンの内部が見える。


トンネルの様な土壁の道が見える。

淡く光るダンジョン。


「ダンジョンバトル?何だにゃ?」


「何だろうね?」


<ダンジョンバトルはダンジョンマスター同士の戦い、勝利条件はマスターの死亡またはダンジョンコアの奪取となります・・・。>


「お!」


「どうしたのじゃ?」

エルフのエリが心配そうな顔で俺を見詰める。


他の皆も不安げだ。


俺は頭の中に流れたメッセージの内容を皆に告げた。


「むむ。ここのダンジョンのマスターと戦うって言う事じゃな」


「そうらしい」


「腕が鳴るねー。レベ上げの成果を見せるよー」

ダルアは行く気満々だ。


どうしよっかなぁ。


気功士に成り立ての魔抜けの人達もいるからなぁ、少数精鋭でこのまま突入するのもいいけど・・・。


ダンジョン内に入ると、ダンジョンの機能で何処に侵入したか、バレバレだから、集中攻撃されると攻略に時間も掛かるなぁ。大勢で侵入した方が良いよなぁ。


折角のダンジョンバトルだ。利用しない手は無いよなぁ。


決めた。


俺は学園都市のダンジョンに接続した手前のトンネルを、大きなホールに変更した。


そこに今回集結した全メンバーと救出した人達を集める。


「皆!聞いてくれ。巨大ダンジョンで気功士の育生とレベ上げを実施しようと考えていたが、ダンジョン間の戦争になった」


「ええええええ!」

驚く救出された人達。


「おおおお!やったるでえええ!」

興奮する気功士達。


「・・・」

無言のヴァンパイア達。

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