第165話 魔抜けの人々を救出

学園地下に囚われてる魔抜けの人々の救出の開始だ。


まあ、あまり難しい事は無い。


予め魔抜けの人々がいる地下の手前まで、ダンジョンのトンネルを延ばしているからね。


後はダンジョンのトンネルを学園地下に繋げて、迎えに行くだけだ。


念の為、学園地下もダンジョン化してっと。


見張りの位置を確認だ。

ダンジョン情報で見張りは2人いることを確認。


「見張りはペロとバズが倒してくれ」


「分かったにゃ」

「承知シマシタ」


ケット・シーのペロは影移動で、魔神パズズのバズは風になって、気付かれる前に一瞬で倒せるだろう。


トンネルの先端で待機しているのは、俺とダルアと気功士のキャルとミクとアヤ他数名。


魔力が無い気功士は魔力探知に引っ掛からない事と、魔抜け同士で救出される人の安心感を狙った。


「カウントダウンするぞ」

「了解でーす」

皆、リラックスして良い感じで力みが無い。


「3、2、1、Go!」


学園地下とダンジョンを貫通した。

貫通した穴から学園地下に入る。


地下の通路の一番奥に出る。


ペロが影移動で見張りの魔導師の影に移動する。


影から闇の触手が伸びて魔導師の口を塞ぐと同時に、闇槍が魔導師の心臓を貫いた。


「んぐっ」

ズシュッ!


ペロは影移動で俺の元に戻って来た。

「任務完了にゃ」


ペロと同時にバズも風になって見張りの元に吹き進む。


ブフォッー!


風を受けた見張りの魔導師は一瞬でバラバラになって落ちた。


ズシャッ!ブシュッ!


ドコドコッ!


バズも風になって戻って来た。


「完了シマシタ」


良し、見張りの2人の遺体はダンジョンに吸収だ。


長い通路の両脇に幾つもの部屋があり、その部屋に魔抜けの人々は少人数毎に閉じ込められているようだ。


一番手前の部屋の扉から開けていく。


逃走防止で鍵が掛かっていたが、気を纏い力任せに扉を開く。


ガコッ!バアアアアアン!!


「助けに来たよー」

「皆!大丈夫?」


ミク&アヤが開口一番、助けに来た事を告げ、部屋にいる人達に駆け寄る。


「貴方達は誰?」

部屋に閉じ込められていた少女が驚き、ミクとアヤを見詰める。


「私達は気功士」

「貴方と同じ魔抜けだよ」


「本当?」


「本当だよ」

「もう殺されるのを、怯えながら待たなくても良いんだよ」


ミクは少女を抱きしめ、アヤが少女の頭を撫でる。


部屋にいた数人の少年少女達に向かって俺は話した。


「一刻も早くここから脱出する必要がある。今から拠点に転移させるから、驚かないでね。拠点には貴方達と同じ魔抜けの気功士達が優しく迎えてくれるからね」


そう言って、俺はダンジョンの機能で少年少女達を拠点に転移させた。


他の気功士達も魔抜けの人々が囚われている部屋の扉を開けて順次解放していく。


俺は解放された人々が、ある程度纏まったところで順次転移させていった。


問題なく魔抜けの人々の救出は完了した。


意外と呆気なく、心配していた学園側の警備や対応が全くない。


魔抜けの人々を解放する勢力の存在を、想定していない結果だろう。


元々実力が極端に低い、魔抜けの人々が自力で逃走する術も無いので、無警戒に近い形だった。


全員拠点に転移させた後、救出に来た気功士達も転移させる。


俺も一緒に転移し、ダンジョンの修復機能で学園の地下を元通りに戻す。


これで、魔抜けの人々と見張りの魔導師も忽然と姿を消した様に見えるだろう。

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