第163話 学園都市乗っ取り計画
俺の仇である学園生ゴウタを殺し、復讐を果たした翌日。
「次は魔抜けの人達の救出じゃな」
エルフのエリが朝食を食べながら話し掛けてきた。
「そうだね」
「何か作戦はあるのかにゃ」
ケット・シーのペロが唐揚げを齧りながら、聞いて来た。
「う~ん。そうだなぁ。現段階では全面戦闘をしたくないので、こっそり救出が望ましいんだよね。なので、ダンジョンをこの家に展開して、ダンジョンのトンネルを学園地下に延ばして、囚われている場所に繋げようかと」
「それは良いにゃ」
「もし、敵に見つかった時はどうしんすか?」
雪女のユキはアイスを食べている。
「そこなんだよね。見つかったら戦う事になるよね。戦うのは良いんだが、学園都市は殲滅させるつもりだったけど、乗っ取ろうかとも思ってるんだよ」
「乗っ取るのかにゃ!」
「うん。殲滅するだけなら今のメンバーでも良いんだけど、乗っ取るとなると人数が多い方が良いよね」
「そうでありんすね」
「乗っ取った後は、気功士の学園都市にするのじゃな」
「うん。気功士の拠点とする」
「そうすると、外交が必要になるのじゃ」
「何でかにゃ?」
「この都市は、ほぼ国家と同等じゃ。国を手に入れると周りの国が放置しないじゃろう。最悪大陸内の国々と戦争に発展する」
「ダメだにゃ。魔王軍と帝国が戦争してる状態で、そんなことになったらにゃ・・・」
「そうじゃのぅ。大陸を手に入れる気は無いのじゃろう」
「無いね。魔抜けの人達の地位向上が目的だ」
「それなら、予め学園都市奪取後に同盟する国々を作って根回しが必要じゃ。同盟国が多いと、おいそれとは戦争を仕掛けて来ないのじゃ」
「取り敢えず、サーキ王国と小人国は大丈夫だと思うけど」
「うむ。小人国に妖精国の懐柔を依頼して、ニャルマル商会に獣人国と猫の王国の懐柔を依頼して貰うのじゃ。妾がエルフの国に協力を求めよう」
「じゃあ、僕はハーピーの国に協力を求めるね」
とハルカ。
「後は、ニャルマル商会経由で他に数カ国根回しが出来れば完璧じゃが、あまり増やしすぎて学園都市側に情報が漏れると不味いので、この程度に押さえていた方が良いじゃろう」
「帝国は問題ないのかにゃ?」
「このぐらい同盟国があれば、魔王軍と戦争中の帝国も認めざるを得ないじゃろう」
「成る程、後は乗っ取りに必要な戦力や人員か」
「最悪を考えて、戦力は集中しておいた方が良いのじゃ」
「その通りだね。ダンジョン産のアンデットを使うと魔王軍と誤解されかねないので、気功士とヴァンパイアを呼ぶか」
「そうじゃのぅ。取り敢えずサーキ王国と獣人国から、気功士とヴァンパイアを呼ぶとして、ダルアやライヤとクーコも呼ぶのじゃ」
転生者のダークエルフのダルアと鵺のライヤ、空狐のクーコか、なんか久しぶりだなぁ。
その後、エリはエルフの国へ、ハルカはハーピーの国へ旅だった。
エリは魔神パズズのバズに乗って、ハルカはドラゴンのドラムが護衛についている。
ニャルマル商会のシャルさんに、獣人国と猫の王国の懐柔と、その他の国の根回しを相談した。
小人のモヤジーには、小人国と妖精国の根回しをお願いした。
ペロがサーキ王国に行き、気功士ギルドと『暗黒の怪奇』に動員を伝えるとともに、ポンコツ侯爵にサーキ王国の根回しを依頼。
俺は獣人国の気功士ギルドにいるダルアに、通信の魔道具で動員を依頼し、ユキと一緒に借家で待つ。
ダルアは「分かったー。直ぐ行くよー」って言ってた。
そして、借家をダンジョン化して、地下に広大な空間を作成し、人員の居住空間を確保。
借家地下のダンジョンから学園都市地下までトンネルを延ばし、何時でも繋げられる様に準備をしている。
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