第161話 魔抜け狩り殲滅

学園生であるショータの仇ゴウタ達の魔抜け狩り5名は、俺を囲んで剣を抜いて構えた。


「俺の足を斬るって?ふ~ん。そうか、大した力がないのが分かったし、もう出て来て、此奴らを殺しても良いよ。ゴウタだけは俺に任せてくれれば良い」


「ふがっ、はれにひってる誰に言ってる?」

鼻血が出ている鼻を、布で押さえながらゴウタが訝しむ。


「まあ、仲間が死んでいくのを見てろよ。取り敢えず逃走防止に足を傷付けさせて貰う」


俺は左手をゴウタに向ける。

ダンジョンコアの手甲から、針の様なダンジョン壁が2本伸びてゴウタの両足を貫いた。


ズシュッ!ブシュッ!


「うげっ、つうっ。な、なんはようなんだようほれはこれはなんはようなんだよういはいよう痛いよう


必死に何とかしようと試みるが、ゴウタ程度の魔力では、ダンジョン壁は破壊出来ず動けない。


いはあああ!ひぃ、たふけて助けてえええ・・・」


「仲間達の末路を良く見るんだな」


エルフのエリが魔抜け狩りの1人の後方に現れた。


魔抜け狩りの男の両足に矢が突き刺さる。


グシュッ!ボシュッ!

「ぐはっ!」

「お前は妾の事をババアと言ったな!」


両足に矢が突き刺さり倒れた男は、エリの方を振り向いた。


「ひぃ、ババ・・・」


「まだ言うか!」


エリが弓を構え射ると、数百の矢が男に突き刺さった。


ズシュッズシュッズシュッ・・・。


身体中に矢が刺さった男が倒れていた。


一方、1人の男の頭上にハーピーのハルカが飛んできた。


男の頭を足の鉤爪で掴む。


「あんたも僕達にババアって言ったよねー」


「ひぃ」

頭を掴まれ身動きが取れず、怯えて震える男。


「僕の新魔法の実験体になって貰うよー」


男の身体が魔力が伴った強風に包まれた。


すると、一瞬のうちに男は、バラバラになって、崩れ落ちた。


「真空斬り、鎌鼬!」


ハルカは足の鉤爪で掴んでいた、身体が無くなった頭をゴウタの前に放り投げた。


「ひ、ひぃ」


ゴウタは目の前に転がる頭を見て恐怖で声も出ない。


エリとハルカと同時に雪女のユキも現れていた。


逃げようとした男の足が凍り付く。


「ひぃ。あ、足が動かない」


「凍りなんし」


「ひゃ、ひゃあああああ」

足から徐々に凍っていく男。


全身が凍り付き固まっていた。


そしてもう1人の男は闇の触手で雁字搦めに拘束されていた。


「許さないにゃ」


男の影から現れたケット・シーのペロ。


闇の触手はゆっくりと締め付けを強めて男を締め上げていく。


「うがっ!」

ミシミシミシミシミシミシ・・・。

「うああああ」

ボキバキグシュッミシュッ・・・。

「いでぶっ・・・」


闇の触手で変形して、潰れた肉と骨の塊がそこに転がっていた。


魔抜け狩り4人に対する殺戮は、ほぼ同時に行われた。


ゴウタの目の前で、この世の者とは思えない姿となった4人の死体。


「うああああああああ!」

ゴウタは頭を抱えて泣きながら頭を振る。


「煩い!」

俺が叫ぶとゴウタは腰を抜かして放尿し出した。


「ひぃ、ゆるひて、たふけて、ほめんなさいほめんなさい・・・」

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