第113話 打倒魔法偏重社会の第一歩

俺は『猫が安らぐ宿』の部屋で仲間達と話をしている。


極悪非道の冒険者クラン『殲滅の旅団』に、捉えられている魔抜けの人達を救出した後、何処で保護するのか、その人達の今後の生活も考え無いといけない。


救出して、「後は知らない」って言うわけには行かない。


最後まで責任持たなきゃ。


「先ず、大きめの屋敷を購入する。『殲滅の旅団』の拠点並みの大きさの屋敷が必要だね」


俺は計画を皆に説明した。


救助した人達はその屋敷で保護する。


そして、ダルアが皆に気の使い方を指導する。


ここが大事です。


俺が指導する事も出来るけど、まだまだ各自の復讐も残ってるから、タイガ達を倒した後、直ぐにこの都市を出るのだ。


当然、ダルアはパーティーを抜けて、この都市に残り、魔抜けの人達を指導する必要がある。


ある程度、気の修得が進んだら、この都市の他の魔抜けの人達を受け入れ、そしてゆくゆくは獣人国の魔抜けの人達を受け入れていく。


言わば『打倒魔法偏重社会』の第一歩とするのだ。


『打倒魔法偏重社会』については、ダルアを救出した際、説明しており、ダルアも大いに賛成していた事だ。


そこまで聞いてダルアを見た。


「ダルア、良いかい?」


「・・・、ショータと離れるのは嫌だけど・・・。分かった! ダルは頑張る」


ダルアは決意した眼で俺を見詰めた。


「良し、ダルに任せた。その後の計画を話すよ」


俺は続けてその後の計画を話す。


冒険者ギルドをぶっ潰す。


敵対してるからね。


しかし、チンピラしかいない冒険者ギルドも、必要悪と言うか、無くなると色々問題がある。


都市の周りに存在する魔物達の退治しないと都市が危険になるし、薬草や素材を採取し都市で売る事で経済が回るのだ。


魔抜けの人達でその替わりをする計画だ。


魔物を倒して素材を採取し、薬草等も採取してニャルマル商会に買取して貰おう。


但し、当面気功を会得する迄は、戦力的に不安がある。


そこで、ヌエのライヤと空狐のクーコを護衛に付ける。


彼等と一緒に魔物の討伐をしながらレベ上げをして貰う。


彼等なら、この国の兵士達と戦うことになっても対応出来るだろう。


エリの契約精霊だから、念話で連絡出来る事も大きい。


危険になったら、魔神パズズのバズを送還して、対応して貰う事も出来るし、時間を稼いで貰って俺達がドラゴンのドラムに乗って駆け付ける事も出来る。


また、冒険者のノウハウが無いので、暫定的にハルカに指導して貰う。


冒険者の様に危険な事が出来ない人達は、屋敷の家事等をして貰っても良いし、商売や通常の仕事をして貰っても良いだろう。


いずれにしても、気功を覚えれば、魔法を使える人達と変わらず、何でも出来る筈だ。


気功を覚えて、冒険者並みの稼ぎが出来るまでの食費や各種費用は、俺達で出す。


かなりのお金がまだまだあるし、今まで採取した素材も沢山あるし、料理と魔道具の特許料的な収入も毎月ある。

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