第104話 獣人国の酒場前2

酒場前で俺と対峙する殲滅の旅団のCランク冒険者4人。


虎獣人の男タイキチ。

虎獣人の男タイスケ。

豹獣人の女ジャガミ。

兎獣人の女ラビコ。


俺の後ろで事態を見守る無言の熊獣人ベアゾー。


タイキチが剣を抜いて構えた。

「魔抜けの癖に生意気な事をしてくれたな!」


「殺さないでよ。色々聞きたいわ」とジャガミ。


「両手両足を斬ってやる。顔と身体だけになれば、何でも喋るだろう」


「そのくらいなら良いわ」


良いのかよ! 此奴らは全くクズだな。


「覚悟しろ!」


タイキチは剣を振り上げ踏み込む。


俺はポケットに入っていた魔物の牙を手にして準備万全。


タイキチの両脚に牙弾を放つ。


魔物の牙を指弾で飛ばしただけだけどね。


銃弾並みの速度と威力があるのだ。


踏み込んだ両脚を撃ち抜かれ、勢い良く前に転がるタイキチ。


「うおおおお!」


両脚を撃ち抜かれて叫ぶタイキチ。


ノーモーションの牙弾。


何があったのか分から無い冒険者達。


「何だ、何だ!」


「どうしたタイキチ!」


両脚から血を流し呻くタイキチ。


ついでに両腕にも牙弾だ。


両手両足を斬るって言ってたしね。


追加で2発、タイキチの両腕に牙弾を放つ。


「うああああ!」


タイキチは手に持っていた剣を落とし更に叫び、両腕を押さえる。


タイスケ、ジャガミ、ラビコはタイキチに駆け寄る。


「おい、飼ってる魔抜け共って何の事だ!」


俺は殲滅の旅団の4人を殺気を込めて睨む。


タイスケが立ち上がり俺を睨む。


俺はタイスケの両脚に牙弾を放つ。


「ぐああ!」


タイスケも脚を押さえて倒れる。


ジャガミとラビコも立ち上がり、タイスケとタイキチを庇う様に構えた。


手にはナイフを持っている。


「あんた! 何者。タイスケとタイキチに何をしたの?」


「聞いてるのは、俺だ。飼ってる魔抜け共って何の事だ!」


ジャガミの両脚にも牙弾を放つ。


「ぎゃああ」


ジャガミも両脚から血を流し倒れる。


「ちょっと待って、仲間達に何をしたの?魔抜けなのに私達に攻撃出来るなんて信じられないわ」とラビコ。


ラビコの両脚にも牙弾を放つ。


「きゃああ」


ラビコも両脚から血を流し倒れる。


「お前ら、言葉が通じないのか? 飼ってる魔抜け共って何の事だ!」


「きょ、拠点で数十人の魔抜けを飼ってるのよ! それがどうしたのよ!」


「その魔抜けをどうする? 有効利用って何だ」


「ど、どうだっていいでしょ。クズで用無しの魔抜けを、棄てずに有効利用してあげるのよ」


「だ・か・ら、有効利用って何だ!」


俺はラビコの右腕に牙弾を放つ。


「あううう」


ラビコは右腕から血を流し左手で押さえる。


「ゆ、有効利用って・・・。」


「それ以上は言うな!」


タイスケが俺を睨んで叫ぶ。

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