第95話 獣人国王都アニルド

殲滅の旅団の冒険者達と商人ポンタ、月白げっぱくの爪の冒険者達を見逃した俺達は、魔抜けの猫獣人の子キャルを連れて獣人国の王都アニルドに向かう。


「先ずは、情報収集だな。ハルカの仇の動向を知る必要がある。分かれて調べよう」


「そうじゃな。妾は冒険者ギルドに行って、調べるのじゃ」


『疾風』の二つ名を持つBランク冒険者のエリが、ギルドで情報収集するのは順当だな。


「そうだね。エリは冒険者登録してるからギルドは任せるよ。でも、ハルカはダルアとキャルと一緒に隠れてくれ、存在は知られない方が良い」


ハルカも『風刃』の二つ名を持つCランク冒険者だけど、仇に存在を知られない方が良いだろう。


「分かった。僕はダルアとキャルを護衛するよ」


「わちきがエリと一緒に冒険者ギルドに行きんす」

雪女のユキから意外な提案。


「おっ、ユキは冒険者ギルドに興味があるのかい?」


「この先も考えると、冒険者登録しても良いかと思いんした」


「成る程、それも悪くないね。冒険者ギルドはエリとユキに任せたよ」


「任せるのじゃ」

「承知しんした」


「俺とペロは都市の中で情報を集めよう」


「分かったにゃ」


黒猫のケット・シーであるペロは、闇魔法を使って影に潜んで姿を隠せるから、見つから無いように情報を集められるだろう。


俺も気配を消して潜入出来るしね。


そしてドラゴンのドラムとヌエのライヤ、空狐のクーコはダルア達の護衛、魔神パズズのバズはエリ達と同行する事とした。


バズも風になって身を隠せるから、同行しても問題無いはず。


取り敢えず都市に入ると『猫が安らぐ宿』を目指す。


王都アルニドの『猫が安らぐ宿』は、5階建てで1階の半分が居酒屋になっているビジネスホテル風の宿だった。


フロントに猫の獣人である猫人族の女性がいた。

ケット・シーじゃなく猫人なんだね。


オーナーである『雷猫』のライガさんから貰ったカードを見せると最上階のお部屋に案内された。


しかし、エレベーターって無いんだよね。歩いて5階までって・・・。


疲れるよ・・・。


獣人は体力が有り余ってるから問題無いのかね。


その後、1階の居酒屋で食事をとり、ダルアとハルカとキャルは部屋に戻って待機。勿論、ドラムとライヤ、クーコが護衛として一緒に待機だ。


出掛けにフロントで場所の確認をした。


冒険者ギルド、ニャルマル商会、殲滅の旅団のアジト、お薦めの居酒屋等、これから行こうとしている場所だ。


俺とペロは街中に偵察。

エリとユキ、バズは冒険者ギルドへ。


エリは冒険者ギルドの場所を知っているらしく、どんどん進む。


ユキはキョロキョロ周りを見ながら付いていく。

バズは風になってエリに纏わる。

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