第11話 森を進む事にしました

迷宮都市に行く事にしたので、ルートを考える。

すぐ行ける距離では無い。


森を迂回するか、森を突っ切るか。


森を迂回する場合は村や町を幾つか経て行くルートだ。

お金は雑貨屋と冒険者から奪ったから沢山あるので、町や村を回ってもいいが、レベ上げはあまり期待出来ないよな。

だけど食事は飲食店でちゃんとした物を食べられるし、宿のベッドで安眠出来る。


逆に森を進む場合、レベ上げは出来るが野宿だよな。食事も狩った魔物中心となる。自分で調理する必要がある。

調理用品は雑貨屋の商品にいっぱいあったので何とかなる。転生前は独り暮らしで自炊してたので、やれるだろう。・・・多分。


俺の目的は、ショータの生まれた町への復讐と打倒魔法偏重社会だから、苦労してもレベ上げ優先だよなぁ。

元々レベ上げしたくて迷宮都市を目指す訳だし。


今は雌伏しふくの時。

復讐の刃を研ぎ澄ますのだ!


決めた。森を進もう。

雑貨屋から商品を奪ったし野営用具は沢山あるし、日用品や消耗品も売るほどある。元々売り物だから売るほどあるのは当然か。


良し、森の中の良さげなところに雑貨屋と冒険者の遺体は埋葬しよう。


まず、鑑定の魔道具を出してっと。

これってパイロットゴーグルだねぇ。

ゴーグルを付けてみた。


周囲の草花の名前と用途が鑑定された。

これ、便利だな。

食用の植物が分かる。

食用の植物を採取してっと。

森を進もう!


その頃、雑貨屋があった農村イワンテは、ちょっとした騒ぎになっていた。

Cランクパーティーの冒険者の失踪と彼等が懇意にしていた雑貨屋も行方不明。


Cランク冒険者は国でも少ない実力者。冒険者ギルドでも困惑している。

冒険者ギルドを依頼人として調査の為のクエストを貼り出すほどだ。


魔抜けの小僧と歩いていたのを何人かに目撃されていたので、何か手がかりを知っている可能性がある為、冒険者達はショータを探していた。


また、闇ギルドでも雑貨屋が消えた足取りを掴む為、ショータが指名手配されていた。


最上級のアイテムバッグを保持していたことからも推測出来る様に雑貨屋は闇ギルドではそこそこ上の役職だった。

中間管理職ってところだ。


闇ギルドとは、裏社会を構成する犯罪者達が所属するギルド。

危険な奴等も多数在籍している。


ショータは表の冒険者ギルドと裏の闇ギルド両方からマークされる事になっていた。

そのため、森迂回ルートを選んでいたら厄介事になってたところだ。


まさか危険な森の最奥まで進む魔抜けがいるとは誰も思わない。想像すら出来ない事が良かった。


良かったのか?


森は森で危険な魔物が沢山いるのだ。

どっちが良かったのか、今のところ誰も知らない。

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