第10話 アイテムバッグを手に入れた

雑貨屋から色々拝借しちゃおうかな。

まずお金、そして魔道具・・・。


強盗とは言え殺して奪えば俺も一端いっぱしの犯罪者だな。

転生前の記憶では、そう思うのだが、転生後のショータの記憶は違った。


盗賊は殺して良いのだ。

むしろ殺さないといけない。

情けをかけて逃がしたら、他の善良な人が犠牲になる。


そして倒した盗賊の物は倒した人の物になる。それがこの世界の常識。


この世界の常識と割り切って金目の物を物色する。


そう言えば、雑貨屋の親父は拘束の魔道具をどこから出した?

雑貨屋の親父の遺体を見る。


地味なショルダーバッグがあった。

これって、アイテムバッグじゃない?

早速肩にかけてみる。


バッグの口に手を入れると、中に入ってる物が頭の中に浮かんだ。

やっぱりアイテムバッグだ!


中には明らかにバッグの口より大きい物も入ってる。


ベッド!?


どうやって入れたんだ?

ベッドを出すイメージを浮かべるとベッドが出てきた。


これは相当高価なアイテムバッグだ。

収納出来る容量はタンス程度の大きさでは無いな。

家ぐらいの容量か?


手近にある物から次々とバッグに入れていく。

さすがに家は収納出来なかったが、家具を含めて雑貨屋の商品も全て収納出来た。


手で触るだけでバッグの中に入って行くので収納は簡単だ。


一度入れるとバッグが自動で整理して一覧に名前と数量を表示するので、出すのも簡単。


遺体も・・・バッグに入れた。

このままここに置いていくと不味い事になりそうだったからだ。


殺人事件よりは行方不明の方が良さそうだ。

強盗の証拠も無いので、知られると俺が強盗と思われてしまう。


バッグの中から、冷え冷えのワインが出てきたので、多分時間経過しない仕様だろう。


だから遺体も腐らないはず。

遺体はどこか見つからない場所に捨てようと思う。


チートになってきた。

ご都合主義だねぇ。


家の中は空き家同然。

何も無くなった。


この村にいると色々不味いので早く出よう。


食料も台所にあった物を収納しながら食べたし、非常食もアイテムバッグに収納してあったので、このまま村を出ても大丈夫だ。


俺は雑貨屋の裏口から出ると、出来るだけ人目につかないようにして村を出た。


俺は森に入り暫く走った。


少し開けた場所に出ると、岩に腰掛けて、アイテムバッグの中身を頭に浮かんだ一覧で確認する。


ん!?


鑑定の魔道具があるじゃないか!


流石ご都合主義。

にやっと笑っちゃう。

大都市に行かなくてもいいな。


レベ上げが出来るところに行こう。

ダンジョンがあるといいな。


アイテムバッグから地図を出して眺める。結構詳細な地図だった。

流石商人。


迷宮都市があるらしい。

ここを目指そう。

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