青いラッパ

作者 吾野 廉

47

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★★★ Excellent!!!

吾野 廉さんの紡ぎ出す文章には、独特の爽やかさがある。
たとえて言うなら、海の抜けるような青さ。

青春時代の純粋な、“憧れる気持ち”――その混じり気のない感じや、そこから、現実世界にある柔らかい愛――おそらくずっとそこに自然とあった大事なものに気づく瞬間。

そういう心の自然な動きが、色鮮やかに繊細に、だけどダイナミックに描かれています。とても好きな純文学――恋愛小説でした。

ぜひ、ご一読を。

★★★ Excellent!!!

時代小説の名手である吾野廉が、現代恋愛小説だと……? とどきどきしながら読み始めました。

先輩のトランペットの音に恋して、その自分の音にも恋する後輩が現れて。
この素敵な連鎖は数珠つなぎに何代も続いてゆくのでしょう。
そう考えると、この吹奏楽部の大河ドラマのように長い歴史のほんの一部分を、鮮やかに切り取って見せてもらった気分になります。

青春の甘酸っぱさだけでなくほろ苦さを、大好きなひとの魅力だけでなく人間くささを、取りこぼすことなく描ききった作者の力量をひしひしと感じます。
今にもその音色や音圧の伝わってきそうな演奏シーンの描写も見事でした。吹奏楽の音の立体感までもが感じられました。
部員たちの熱気や息遣い、バズィングで切れた唇の血の味までも。

若い書き手には、わたしたち大人世代が忘れかけている青春の手触りが体の中に残っているうちに、こんなふうにもっともっと書いてほしい、思いださせてほしい! と切に願う次第です。

★★★ Excellent!!!

高校の吹奏楽部を舞台に、ひとりの女子高生がほんとうの自分を見つけようと懸命に生きる姿が、せつなさや感激とともに綴られています。

誰しもが持つであろう、あの時代特有の記憶や感情が呼び起こされ、読む人をひきこんでいきます。昨今、一年があっという間に感じるのは、時間の密度がこの頃とまったく違うからだと再認識させられます。

大人にこそ読んでいただきたい、恋と青春の物語です。

★★★ Excellent!!!

高校に入学した奈緒が一目惚れならぬ一耳惚れをしたのは、トランペット吹きの桐生先輩の音色。音だけでなく、先輩自身にも惹かれて、彼のいる吹奏楽部に入部します。

自分は音楽には疎いのですけど、知識なんてなくても物語に引き込まれていきました。
高校生らしい恋の悩みや人間関係の悩み。先輩だけでなく、後にできる吹奏楽部の後輩、木戸くんを交えての人間模様には、キュンとさせられました。

音楽を通じて展開される、恋と青春の日々。こんな高校生活を、自分も送って見たかったです。

★★★ Excellent!!!

中学の頃、トランペット奏者として実績を残した奈緒。ですが高校では、続けるかどうか決めかねていました。
そんな彼女の心を動かしたのは、一人の先輩の演奏です。たった一度の演奏が、人の心を動かす。自分もそんな音を出したいと思い、そして先輩そのものにも惹かれていきます。

これだけで青春ものとして十分な要素がつまっているのですが、本作ではこの後、一人の後輩の登場によって物語はさらに動き出します。
決して上手いわけじゃなく、だけど一生懸命な彼。そんな先輩後輩それぞれを見る奈緒の心は、どこへ向かっていくのでしょう?

★★★ Excellent!!!

音楽をテーマにした恋愛物です。
私も同じ音楽をテーマにした作品を描いているのですが、クオリティがとても高いです!

主人公の奈緒は、トランペッターで上手いことで評判なのですが、それを凌駕するほどの圧倒的な才能の持ち主。桐生先輩に恋をするのです。

ここからがもう物語に引き込まれます!
青春と甘酸っぱさや距離の近さがもう堪らない!

そんな奈緒に後輩ができる。
同じトランペットを吹く木戸くん!
めちゃくちゃ好きですね!
遠回しに奈緒に優しい辺りが凄くよくて……って、これ以上はネタバレになりそうなので控えておきますが、まだまだ物語が楽しみな勢いのある作品です!