第78話 ……憑かれて……疲れたよ。
「この野郎!」
「うあっ!?」
私の思考能力が低下している隙に。
赤城警部が襲撃者を強引に。
背負い投げをした。
「み、か、くん? ち、ち。さ、されて」
「……たま
必死に痛みに耐えている。
今日で刺されるのは二回目だ。
左腕の手術の麻酔が多少残っているとは言え。
精神的にも。肉体的にも。
常人なら気が狂いそうな出来事なのに。
完全に
「
言われるがまま。ナースコールのボタンを押す。
またもや想定外の出来事で。ぽんこつ状態の私だ。
「……被害女児の父親だよ。俺が遺体を発見した。
「遺族で父親だあ?」
「そ、そうだよ! 週刊誌のせいで! こ、
感情をあらわに動機を話す。
記事内容は――『
「わ、たし、かいて、ない」
腰が抜けて。その場で
玉村さんが。たどたどしく
「
「ちくしょう! 必ず同じ目に
例え逮捕されても。再び犯行すると。予言をした。
『本当に
あの
もし、生きて逮捕されていたら。死刑になっただろうか?
無期懲役? 精神的な事で減刑される可能性は?
『もし社会に復帰出来たら。またね! 咲先生!』
あり
私を恐怖に
これでは。
『
ぐるぐる頭の中で
「とにかく署まで
「……
「ふざけるな! お前も私の
家族でも無い奴に。
娘を知らないくせに。
お前に、一体何が分かるんだ! と。
「
「
だけど――
「まさ君、カレーに
「……えっ、な、何で!? 家族しか知らない――」
急に。しどろもどろになった。
ごく少数の身内しか知らない情報に。
赤城警部でさえ。
驚きを隠せない。
「うんうん。酔っぱらうと、お姫様をお姫様抱っこして寝室に? ラブラブだね! まさ君!」
「つ、妻と私と。
お姫様とは。多分、奥さんの事だろうか?
それにしても。
本当に死者と対話をしているの?
「『まさくん。人を簡単に
「
再び
「『だから、わたしを殺した。
「……そ、それは! だったら、どうすれば良かったんだ!? なあ!?」
この事態を
最愛の娘が。一番、
同レベルの行いをしてしまった事実に。
ようやく気付いたらしい。
「『人は感情で間違った行動をしちゃう時もあるから――』
「だ、だから、相手の立場になって。思いやる心。心を愛せる存在に。な、なろうって! こ、
父親が
最愛の娘の――名前の
「『もう時間だね。……まさ君、お姫様が待ってるから。家に帰ろう? わたし、幸せだったよ。もし、生まれ変わったら――』」
「また、私達、家族の所に? あああああ!」
殺意と言う
「どうしました!? み、
血圧計を取りに行った女性看護師が戻って来た。
その他に、騒ぎを察知した医者も病室内に。
「ああ、これ?
「じ、
「まさ君、悪ノリし
「……え!?」
きょとんとする父親。
赤城警部は
「おっさんに注意されて大泣きだもん。続きは署で。なるべく、
「ったく! しょうがねーな! 行くぞ!」
現行犯で逮捕する事を見送った。
いや、
遺族で精神的に不安定。
深々と
「彼女とは
赤城警部と父親が病室を去って行く。
反対に。病院関係者が
「……
死人の様に。
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