第77話 亡霊の様に。御門が立ち尽くしている。
「みか君!? 大丈夫なの!?」
「たま
時刻は夕方の5時。
病室にはポニーテールの記者。
「……ねえ? あたし、ここに居て平気? 赤城警部に逮捕されない!?」
ひそひそ
病室内は静まり返っているので。
内容が
「ああん? ただの見張りだぜ? これ以上、騒ぎを起こさす馬鹿が居ねえよーにな!」
「あら! たくましいのね💓 お疲れちゃん!」
どこまで打ち合わせていたのか。
ひょっとしたら。この結末は。
警部も……寝耳に水だったのだろうか?
「それと、こちらの……美人社長秘書みたいな人は?」
「前に話したじゃん?
ふふふふ。
「えっ!? みか君を痛めつけた!? あの!?」
あら? 私なんかの存在を知っているの?
……
カナラズ! オトシマエヲ!
「弁護士の
間接的に
こうして、会話をするのは初めてだ。
「た、か!? 地方都市みたいな名前の!? やり手の女性弁護士!?」
「そうそう。たかさき君だよ。週刊誌とかを
だから!
「みか君!? あたしをハメたの!? やっぱり、逮捕じゃん!?」
「
慌てふためく彼女。
「たま姉には、身の回りの補助を頼みたいんだよ。左腕がこの様だからね」
「あたしが? それ、まつりんの
まつりんとは。
そう言えば。
それに、
この事態を察知していないとは。
あり得ないわね。
「……
「
補足説明を警部がした。
あの
それほどのストレスを与えてしまった事を。
今になって自覚した。
「しばらくは距離を置いた方が賢明だね。まあ、俺なんかに関わらない
心の底から。
まるで、別人だ。
彼にとって。本当に大切な存在は。
……呪われるかどうか知らないけど。
だとしたら。
今回の事件に
「
「あ、はい」
女性看護師が体温計を届けに病室に。警部もその様子を観察している。
「たかさき君は……お尻で検温するんでしょ? ぷぷぷぷ!」
「馬鹿! あんたと病室が一緒なんて最悪だわ!」
こんな調子だと。
「これだから、たかさき君は。たま
「それだけの為の
……この調子だと。
疑わしくなってきたわね。
こうして、代わりの女性も
「そうだ! 血圧も確認しないと――ごめんなさい、ちょっと取りに戻りますね」
「はい。分かりました」
「尻の圧力。けつあつ、なんちゃって! ぐへへへ!」
よもや、私のお尻の話題で。
看護師さんが忘れ物に気付いたと思いたくない。
もう! 血圧も確実に上昇してるわよ!
「……失礼します」
今度は男性の看護師か。
女性の看護師じゃなくて良かったわ。
「……ほんと、うんざりだよ。……たかさき君」
医者嫌い、検査嫌いかどうか不明だけど。
私に不満を。
いえ、
「ほら、お姉さんが見守ってあげる! 頑張れ! 男の子!」
チアリーダーの
さっそく、子供のご
『咲先生! やる事をやっちゃおう!』
犯人の
それに。気持ち悪い。
ちょうど、男性看護師が居るのだから。対応してもらおうかしら?
『おや? 少年? そっちで倒れているのは?
『うん! 熱中症みたいなんだ! これから助けを呼ぶ所だったから!』
突然。
私が襲われて。
意識が
犯人が
確かに――目撃したのだった。
その事実は。過去の出来事だ。
ならどうして?
あの時の犯人と。
姿が
単に、右手をポケットに入れてるから?
なぜ? なぜ? なぜ? なぜなの?
もしかして、トラウマに――
「どうした? 咲――っ!?」
異変を感じた赤城警部が。
私の目線の先を確認する。
同時に。
ナイフを手に。
「ふえっ?」
彼女の悲鳴にも似た。疑問の声がした。
あり
あり
あり
何でそこに、あんたが――
今度は――右手で。野球ボールを
突き刺さっていた。
血が流れていた。
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