第63話 受け止めきれないよ!? 私の担当じゃありません!?
「ふんふん♪
高級ホテルの浴室を
だけど、悲しいかな。
ここは、あくまで病院。室内が
精神的には、旅行気分とかけ離れている。と
「はにゃ? まつりたん? やっと出てきたんね?」
浴室から脱衣場に入室したら。
「
木の
気分的には。
「ふゅあって、やみあがりにゃのに、ながゆにゅあんだもん」
「そ、それは、その。と、とにかく、出ていけ! ね、寝るな!?」
脱水症状とか?
当の本人は、セレブ気分に
い、言えないもん。
「何で私のベッドがしわくちゃなの!? あ、あいつ!」
さつきちゃんの病室に戻ると。
完璧なベットメイクが
「
苦しそうに息をする彼女。
「ごめん、さつきちゃん。
そもそも、私達と一緒だと安静に出来ないかも?
「一人だと、ふう、余計な事ばかり考えてしまいますから。
心情としては、一人暮らしで。
インフルエンザになった時かな?
病気の時は
精神的にも不安定になっちゃうもんね。
「買いかぶり過ぎだよ? まあ、話し相手ぐらいには役立つと思うけど」
これでも、私はケースワーカーなのだ!
生活の悩み相談は
「
「了解です。どんな内容でも受け止めるよ!」
謎の職業病を発症してしまった。
いけない、いけない。普通に雑談するだけだよね。
「
「受け止めきれないよ!? 私の担当じゃありません!?」
さじを投げるとは、この事だ。
いや、
はたまた、
法律関係だったら、
でもなあ。相手は
どんなに注意しても。
私に対して、その、反応に困る言動も。
さっきだって、脱衣場で――
「おほほほ! そんなに、真剣に悩まれても! やはり、
「ちょっと、さつきちゃん!?……むー。
私にとっては、判別しにくい冗談だった。
その時点で、つまらない
「そんな事をしてると。ますます、クリスティーナ
「誰ですの!?
あれ!? 話に食いついて来ちゃった!? そこは、素直に流して!?
『俺の精神力が~』について説明するの!?
ライトノベルを!? さつきちゃんに!?
「ふう。まつりちゃんのだし汁は、最高だったぜ!」
「
「自分のベッドに戻らないのかい? ここは、俺専用のソファーだぞ!」
秘密基地の場所取りじゃあるまいし。
二人掛けだから、隣りに座れるでしょ?
「さつきちゃんが眠くなるまで話をしてたけど。今度は、私の方がね。君の子守歌みたいな話を聞かせてよ?」
「悪女! たかさき君に似て来たね」
要は、退屈な話をしろと言っていますから。
日頃の君の行いを考えれば。このくらい、
「そうだな。
「分かんないよ。精神科医じゃないもん」
さっそく、難解な話題だね。
睡魔を誘うには、申し分ないかも?
「うーん。男性から嫌な事をされたとか?」
「きっかけは、様々だけどさ。例えば、男性から
話題の選択を間違っている。
これじゃあ、気が
「
「可能性が高いのは……
前置きとして弁明したけどさ。
やけに、現実的で。時々、寒気がする。
「
浅間さんのプライバシーだもん。そう簡単に、質問出来ないよ!?
「
私をからかわないと、呼吸できない人なの?
「しょうがない。他には? 自称プロファイラーさん?」
私の事情で付き合わせちゃってるし。
ちょ、ちょろくないもん。
「
「うわ。妙に現実的だね。いつも、そんな事を考えてるの?」
安易な考えと思うけど。
当たりそうで不気味。
「浅間君が現役時代にパートナーと出会った場合さ。競技に打ち込んでいる間は、人間関係も限られるからね。逆に、引退してからだとお手上げさ」
「……ふーん。男性恐怖症の治療は? どうやるの?」
前向きな話題。こちらの方が、私にとっても役立ちそうな知識だね。
「同じ病気で苦しんでる人とグループで話し合ったり。カウンセリングも――」
こうして、意外にも真面目な議論? に発展し。
いつの間にか。
眠りにつく事には成功したのである。
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