第47話 難しく事件を考えているのでは無くて?
「
登下校の見回り活動が本日スタート。
わたくしも当然。
参加ですわ!
学校付近を警戒していたら。
帰宅したはずの小学生が複数。
例の建物に。
小学生の犯罪組織?
または、今回の事件の容疑者が。
「とにかく、現場に
「貴方達!? 未成年なのにタバコを!? 悪に
「うわ! 姫署長だ! 金持ちの!」
「有名人の姫ちゃんだ!」
こんなにも無邪気な子供達が!?
お酒とタバコは。大人になってからですわ!?
「とりあえず、
お、恐ろしい。
どんな犯罪組織がこのような品物を!?
チョコレートで。
誰にでも、気軽に手を出させる策略!?
「警察のおーぼうだ! 返せよ! おれの、
「ダガシ!? この品物の名前ですの!?」
「……君はいつから漫才師に転職したんだい? さつき君」
出入り口から、聞き覚えのある声が。
あまり関わりたくない人の様な?
振り返ると……思わず舌打ちをしそうになりましたわ。
偏屈な人物に
「こほん。しょ、庶民のお菓子屋さんでしたか。ええ、存じております」
「絶対、知らなかったよね!? あどけない子供から駄菓子を没収してたからね!?」
は、はて!? き、気のせいですわ。
お
500円相当の駄菓子を。
プレゼントした事実はありませんよ!?
「へへへ! 慰謝料もらったぜ! 駄菓子の山だぜ!」
「いいな! わたしにも分けてよ!」
「……さつき君が、子供に悪影響を与えてると思うな。署長が子供を
「知りません! 記憶にございません! 捜査の聞き込みを続行中ですわ!」
ぐぬぬぬ! よりによって。
弱みを握られましたわ!
「で? 立てこもりの方が外出するなんて。……犯行の下見ですの?」
「誰が立てこもりだよ!? 特殊部隊の突入前にウロチョロしてる人なの!? すげえ余裕の犯人だな!? それから、まだ俺を容疑者認定してるの!?」
赤城警部の言う通り。
ツッコミ力に定評がありますわね。
そこだけは。
「ただの気まぐれの
「いつも悪いねえ、
ここの店主のおばあ様と。
べ、別に興味ありませんけど!
「そんな
「そうかい、そうかい。そう言う事にしておこうかねえ」
ニコニコと笑顔で答える。
わたくしでも、手を焼く相手ですのに。
おばあ様の人徳ですわね。
「わたくしとした事が!? お買い物が終わったなら、帰宅ですわ! 貴方達!」
「なんの権利があるんだよ? れいじょうをもってこい!」
「姫ちゃん、まだ来たばかりだから!」
その年齢で警察に逆らうつもりですの!?
近頃の子供は凶悪ですわ!?
「あははは! 子供でもしっかりしているだろ? 意外とね」
「貴方にだけは、言われたくありません!」
だからと言って。
通り魔の被害者になる可能性も。
「それに、ぼうはん教室で
「わたしは、これを持ってるよ? 防犯ブザー。いつでも、鳴らせるもん!」
自信満々に小学生が答える。
それなりに訓練されてると思いたいですけど。
「……ふむ。あらためて、犯人が不審者では無い説が
「訓練と実戦は違いますわ!……難しく事件を考えているのでは無くて?」
これでは、容疑者が一体何者なのかさえ分からない。
幽霊の正体を。
証明するみたいなものですわ。
「ふう。たかさき君と同じだね。
「好き勝手に物事をとらえるのは自由ですけど! 不快ですわ!」
マイナス思考で
赤城警部は
この男を捜査に協力させていますの?
「ま、その他大勢の希望的観測で。事件を考えてる奴が多すぎだからね。俺にとって、そっちの方が不愉快だ。みすみす犯人に『どうぞ犯行を続けて下さい』とラブコールでも送ってるのかい?」
減らず口を! 犯罪をでっち上げて、逮捕したいですわ!
セクハラ容疑で構わないでしょう!
「おっと。さつき君が
「わたくしの
逃がすまいと奴に駆け寄ろうとしましたが――
「あれ? 姫署長だ! 捜査に協力してやるから、何かおごれ!」
「姫ちゃんもお菓子を買いに来たの?」
「ですわー! って本当に言うの? お嬢様なの?」
「俺にも、懸賞金くれよ!」
多数の子供達が店に押しかけて来ましたわ!?
これから、
「子供達の
これからのわたくしの職務内容を予言しつつ。
どこかに消え失せましたわね。
それにしても、子供達の相手は……いささか
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