第26話 高い確率で同一犯だろうね。

「そんなに怒る事無いだろ!?……で? ご質問は?」


 帰宅早々。たかさき君に自宅を占拠されていた。


 マジこいつ、やべー! フィットネスクラブに居そうな姿してるし!?


 ヨガでもするのかな!? スポーツウェアって奴か!? 


 健全なのに。


 セ、セクシーさを感じちゃうかも!?


「……まずは、貴方が発見した遺体だけど。最初の事件との関連性は? 模倣犯もほうはんの可能性は?」

「犯行手口が完全に一致してるからね。そもそも、下着を持ち去ってる事は、捜査関係者しか知らない情報だよ。模倣犯もほうはんだったら、刺殺しさつして終了。高い確率で同一犯だろうね」


 殺害前に暴行された事実も。


 これは、たかさき君さえ知らない情報。


 その情報が。世間に知られるのも時間の問題だけど。


 無論。目の前にいるセクシーインストラクターにもな。


「……犯人は一人? 複数?」

「今の所、単独犯だろうね。獲物を分け与えるって感じでもないよ。自分がやりたいようにやってる感じ。それと、複数犯だったらリスクが高い。目撃される危険性も増える。仲間割れ、裏切り、仲間内の失態。例をげれば、色々さ」


 難しい顔で思案している。


 黙っていれば、美人なキャリアウーマンだな。


 中身は妖怪たかさきだけど!


「……御門みかどが疑問に思ってる事は?」

「目撃者の情報が一切ない事。ステルス迷彩服って開発されてたっけ? カメレオン人間? 透明人間か?」


 やや懐疑的かいぎてきな表情を見せた。


 あ! ふざけた解答だと思ってるだろ!


「……些細ささいな事が気になってるのね。ふざけてるの?」

「ふ、ふざけてないもん!? ふえーん、まつりおねえちゃん、どこ!? だるまとパスタが有名な地方都市のおねえちゃんが、ぼくをイジメる!?」


 真面目に受け答えしてるのに! 


 北関東のとある市め! 


 あと、電車の駅名が有名かな?


高崎たかさきに恨みでもあるのかしら!? それと、名字は多華たか。名前がさき。フルネームで呼ばないでよ。御門みかどの影響で、たかさきが名字だと思われるでしょ?」

「は? たかさき君は、たかさき君だよ? 他の呼び方は、断固拒否する!」


 多華たか君? さき君? イマイチだからな。


 よって、たかさき君だな!


「はあ。しょうがないわね。好きなように呼びなさい。……話を戻すわよ? 目撃者が居ない事だったわね? たまたま、運が良かったとか。犯行時間帯に人気ひとけが無かったからとか?」

「……たまたまねえ。そんなにかさならないだろ? たまたまって言うのは。二件目の事件に関して言えば、これからの捜査次第だけどさ。街の防犯カメラにも不審な人物は確認出来なかったらしいね?」


 今度は、こちらが疑問をていした。


 ついでに、たかさき君の胸元むなもとに視線を送ろう!


 ほ、ほら!? 僕はシャイだから!? 


 たかさき君の目を見れないんだ!? 


 大変失礼だと思うよ!? ぐへへへ!


嫌味いやみかしら? 私だって市中しちゅうを歩き回って、カメラ映像を確認したのよ? 足が筋肉痛になったりしながら! ちゃんと調査してますー!」


 赤ワインの影響で酔ってるのかな!? 


 子供みたいな口調で反論した。


。君にとって、不審な人物の定義は?」

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