旧車の維持
私の車は、製造から45年程が経過しているポンコツである。
いろいろと壊れる事が多いのだが、その都度いろいろと調べたり、自分で修理したりして、今まで何とかやってきている。
もう長い間、とある部品が壊れている。
どうでもいい部品なのだが、一応気になってはいる。
普通の車はヒーターは一カ所だと思うのだが、私の車は何故だか後部荷台の下にもう一つリアヒーターがある。エンジンで暖められた冷却水が専用の配管を介してここまで来ており、独特のだるまヒーターにてリアを暖める仕組みだ。
だるまヒーターの上には温風を送るためのモーターがついているのだが、このモーターがもう数十年壊れている。リアには誰も乗せることはないし、全く使わない部品ではあるのだが、壊れているという状態は気になるのである。
この週末、とある用事でカーエアコン修理の知識を得るべく、いろいろなサイトを徘徊していたところ、車の電装品なら何でも修理します、という電装屋さんのホームページを見つけた。スーパーカーのセルモーターとか、発電機とか、旧車乗りにとってはとても頼りになりそうなお店である。
何でも修理してくれるようだったので、私のこのヒーターのモーターは、いくらくらいの予算があれば修理できるのかを聞いてみた。
日曜日の夜にフォームに入力しておいたところ、月曜日の朝7時過ぎに返信をいただいていた。修理は可能で、程度にもよるけれど、最低で16,000円から、コイルの巻き直しなどの修理が必要になる場合は30,000円程度の価格になるとのこと。納期はお預かりからお渡しまで、二週間から一ヶ月程度を見ておいて欲しい、とのことだった。
先日、オートバックスでカルディナの車検をしたけれど、手のひらに乗っかる、ほんの小さなモーター一個のレストアに、この整備代金と同じくらいの費用がかかってしまうとのことである。
覚悟はしていたものの、やはり旧車というのは金がかかる。
取り外して、自分で分解してみようかな、とも思ったけれど、特に今現在、困っている物ではないので、価格を念頭に少し様子を見て、財政状況に余裕が出てきたなら頼んでみようかなと思っている。
一方で、何の役にも立たないこのような部品にお金をかけようとしている自分が、わけわからないというか、どうしようもないというか、情けないというか、やめておけというか、自分でも複雑に思えて仕方ないのである。
二万円あれば、カミサンとちょっとした旅行に行けるかもしれない。美味しい物を食べることができるかもしれない。でも、私にとって、このモーター修理の二万円は、それと同等かそれ以上の価値をもたらすものなのである。
人の価値観はさまざまである。
何にお金をかけるかも、人それぞれ違う。
かれこれ35年以上、一緒に連れ添っている相棒にちょっとだけお金をかけてあげても、罰は当たらないだろう。
もうちょっと儲かったら、早速部品を取り外して依頼しようかなと思っているのだが、相変わらずの「どうなることやら」なのである。
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