創造力

 私には創造する能力が備わっていない。


 こちらのプラットフォームに投稿されているメインの文章は、創造され、想像力たくましく描かれた作品の数々である。


 私はこれができない。


 本を出版する事になった時、ネット上に上がっていた文章を編集者の言われるがままに書き直したのだが、登場人物の名前を変えたとき、これは自分の作品ではなくなってしまうかもな、などと思ったものだ。


 登場する人物を考え、創り上げ、自分の考えた物語の中で活躍させることができたなら、どんなに楽しいだろうと思うこともある。

 

 音楽にしてもそうだ。


 私は楽曲のコピーをすることや、楽譜通り、公開されている音源通りにコピーすることはできても、アドリブの能力がない。これも同じ所に所以している。


 一時期は作家になりたいなと思ったこともあった。しかし実際に小説を書き始めてみると、それは全て自分の経験になってしまい、自分の能力のなさを見せつけられることになった。仮に一発当たったとしても、これを仕事として一生続けて行くのは私には無理だと思い、諦めた。この判断は正しかった。


 先日、ランキングが上がりました、と、運営からのお知らせが届いた。


 こちら、ノンフィクションのランキングで150位くらいにいるとのこと。妥当なランキングだと思う。どなたかの見解によれば、100位以内に入らないと話にならないらしいので、まだまだなのである。


 何ともまあ愚痴っぽくなってしまったけれど、書く事は楽しい。


 もうひとつ、最後に考えていることがある。それは作者名の変更である。昔から怖いもの知らずで本名を使って書いてきたのだが、それほど支障はなかったというよりも、当時はメリットの方が大きかった。


 今はとある会社で、非正規で働いているということもあり、ペンネームを使っているけれど、これを一度本名にしてみようかなと思っている。


 名前を変えたところでやることは同じなのだが、どの位影響があるものなのか、見てみたいという気持ちもある。


 システム上可能なら、やってみよう。


 書き終わってすぐ見てみると、スマホから簡単に名前を変えることができた。以前はこの名前で活動していたが、「本名ですか?」なんて聞かれたこともある。


 本名でございます。


 創造力は変わらないけれど、何だかちょっと、心の中の何かが変わったような気がする。これからもがんばろう。





 

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