睡眠
庭のあじさいが満開になったので、今日は3時に起きて、写真を撮影しようと思っていた。
昨日寝たのは11時。この位寝ることができれば大丈夫だと思っていたが、目覚まし時計二つとスマホのアラームでも起き上がることができなかった。
結局起きたのは3時40分。あじさいの撮影はできなかった。
せっかく満開になったのに、毎日こんなに熱くて、可愛そうなあじさい。朝のうちは元気だろうと早朝の夜明けを狙って撮影を試みたが、今日はダメだった。
この、起きることができる、起きることができない、は、身体が無意識に判断しているような感じがする。
絶対にやらなければならない用事の場合は、例え睡眠時間が3時間でも、ぱっと目が覚めて起き上がることができる。
今回は目は覚めたものの、起き上がることができなかったので、これは身体が疲れているので、休養を優先しなさいという、身体からのサインだろう。
私は頭も良くないし、スポーツもできないし、背も高くはないし、標準的な日本人で何一つとして取り柄がないけれど、敢えて無理やり探すとするなら、特技は寝ることである。
熱帯夜だって、湿度が100%だって、エアコンなどつけずに寝ることができる。目覚ましをセットして、電気を消した後の事は何一つ覚えていないので、おそらく瞬殺、瞬眠、ものの数秒で堕ちている。
少し前、カミサンが軽い脳梗塞で入院し、治療を受け、退院はできたのだが、副作用なのか軽いうつ病を発症してしまい、寝ることができなくなってしまった。いつもストレスを受けている義父に死にたいと言ったり、ちょっとした事で悲しんだり怒ったり、これからの人生が絶望的だと嘆いたりしていた。
自分でも何とかしなければと思ってくれていたようで、彼女は自ら心療内科に行き、薬を処方してもらって、何とか寝ることができるようになった。
この薬、あまり評判が良いものではないらしく、彼女は自分で少しずつ減薬を実行し、今現在は何とか薬を飲まずに寝ることができるようになり、精神的にも安定している。
しかし今年の夏の熱さはダメなようで、彼女は自分の部屋で軽くエアコンをつけながら寝ている。とにかく何であれ、寝ることができればいいのである。
私は自分自身がこんな性格なので、寝ることができないという症状がわからなかったし、信じることができなかった。しかしよく調べてみると、世の中には私のように何もしないで寝ることができる人は僅かで、大多数の人がお酒を飲まなければ寝ることができなかったり、睡眠薬のお世話になっていたり、何をしてもなかなか寝ることができずに苦しんでいるのだということがわかった。
「うらやましいよ」
カミサンに何度も言われた。
何の取り柄もない私だと思っていたけれど、人からうらやましいと思われることがあった。
「一人だったら抜け出せなかっただろうな…」
彼女はこうも言っていた。
何の取り柄がなくても、そばにいてあげるという私の存在自体が彼女にとっての処方箋だったのだ。
寝ることともう一つ、私は下手くそではあるけれど書くことができる。今までは目標もなくだらだらと毎日書いていたけれど、もしかすると誰かの心に寄り添うことができているとか、今まで考えもしなかった事柄があるかもしれない。
これからも書き続けて行こうと思う。
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