第5話 ロンドメル公爵

 



 ーー テルミナ帝国南東部 ロンドメル公爵領 領都 執務室 ヴァルト・ロンドメル公爵 ーー




「チッ……やはり魔力を吸収する能力だったか」


 俺は執務室で先日モンドレットとの戦争に勝利した、アクツというチキュウの猿が持つスキルの分析結果の報告をカストロから受けていた。そしてそれは予想通りの物だった。


「アクツ男爵のスキルを受けた帝都防衛軍の兵士への聞き取りと、先日のモンドレット艦隊との戦闘映像。そして墜落した艦の調査結果から間違いないですな」


「飛空艦隊全ての動力の魔石を一瞬でただの石にするとは厄介な……」


「これで昨年コビール領と帝都を襲った悪魔は、アクツ男爵であるということが確定したかと。そして陛下自慢の十二神将を倒したのも……」


「クソが! 醜い魔猿め大事な駒を殺しやがって! 息子を十二神将にするのにどれだけ苦労したと思ってやがるんだ! 」


 幼い頃から俺が鍛え、やっと皇帝の近衛として入り込ませたってのに殺しやがって! 息子をS+ランクにするのにどれほどの時を掛けたと思ってやがるんだ!


 皇帝を確実に殺すための保険が無くなったじゃねえか!


「アビガル様も重要な役に就いたことを誇りに思っていたようでした。さぞや無念だったでしょう。しかしアクツ男爵のあのスキルは、飛空艦だけではなく我ら魔人にとっても天敵のスキルです。いくら鍛えていようと、一瞬で命を奪われます。これほどの力です。【魔】の古代ダンジョンをアクツ男爵が攻略したのは本当でございましょう。そしてそこでこのスキルを手に入れたのでございましょう」


「チッ、これほどのスキルなら信じないわけにもいかねえか……まさかチキュウの猿ごときにこの俺が先を越されるとはな。あのダンジョンに眠る世界を手に入れることができるスキルとは、魔力を無限に吸収できるスキルだったってことか……しかしそれならアダマンタイト鉱石で防げるんじゃねえのか? 」


 アダマンタイト鉱石は魔力を通さない。アレなら胸の魔石から魔力を吸い取られることはねえはずだ。


「確かにアダマンタイト鉱石があれば防ぐことは可能ですが、皇帝は【魔】の古代ダンジョンにあるスキルを知っていたはずです。対策していなかったとは思えませぬ。恐らくは通用しなかった可能性もあります。そもそもアダマンタイト鉱石は、全てかき集めてもロンドメル様の鎧分しか作れませぬ。念のためお作りはしますが、それで完全に防げる保証が無い以上、直接相対するのはお控えいただきたく」


「確かに皇家は昔からアダマンタイト鉱石を集めていたな。その為だったのか……それでも完全に防ぎきれねえってことは、ただの魔力を吸収するだけのスキルじゃねえってことか? 」


「わかりませぬ。しかし皇家が保有するアダマンタイトの量からして、恐らく十二神将も身につけていたと思われます。しかそれでも全滅したとなれば、何かほかの能力も持っているとしか……」


「わからねえか……だったら魔導砲は無効化できるとしても、魔力を必要としないチキュウの兵器には無力だろう。ミサイルとかいうので殺れねえのか? 」


 信じられねえことだが、皇帝が言うにはSS-ランクの俺より上のSSランクらしい。あんなチキュウの猿が俺より上のランクということに腹わたが煮え繰り返りそうだが、古代ダンジョンを攻略したんだ。それくらいはあるんだろう。


 だとすれば銃や砲弾程度では傷もつけられねえだろうな。しかしこの世界のミサイルや核と呼ばれるものならば殺せるはずだ。俺が占領した国が苦し紛れに撃ったあの核ミサイルというやつは、重巡洋艦の魔力障壁でもギリギリ防げるかどうかというほどの威力があった。アレを生身で受ければ確実に殺れるはずだ。


「それも難しいですな。まずアクツ男爵は古代ダンジョンのすぐ近くに居を構えておりまする。弾道ミサイルは、撃ってから着弾までに時間が掛かります。その間にダンジョンに逃げ込まれれば無意味でしょう。その後怒り狂った男爵が、飛空戦艦に乗り反撃をしに来ます。そうなれば我々はモンドレットやコビールと同じ末路を辿ることになるでしょう」


「ダンジョンか……用心深い猿だ」


「確かに用心深いですな。それを証明するかのように本日、例の飛空宮殿もサクラ島へ届いたそうです。恐らく今後はそこに居を移すかと。そうなればもう遠距離攻撃をしても無駄でございましょう。飛空宮殿には常時三重の強力な魔力障壁が張られてますからな」


「なんだと!? 飛空宮殿を譲り受けたというのは本当だったのか! クソッ! スキルといい飛空宮殿といい、俺が狙っていた物をことごとく手に入れやがって! どこまでも邪魔をしてくれる! ならばどうするのだカストロ! やっとロシアの地下施設で密かに開発していた新兵器が完成したってのに、アクツがいる限り計画を実行できねえじゃねえか! 」


 気に食わねえ……どこまでも俺の邪魔をしてくれる。


 俺が狙っていたスキルも飛空宮殿も全て掻っさらっていきやがって!


 このままじゃ魔導技術にチキュウの科学を取り入れて作った新兵器があっても、俺が世界の支配者になれねえかもしれねえ。


 せっかく毒の研究施設に皇帝の監視の目を向けさせ、ロシアの地下施設であの装置が完成したってのによ。


 まずいな。皇帝に飛空宮殿を贈られるくらいだ。このまま計画を実行しようとすれば、アクツが邪魔をしにくる可能性がある。


 しかしヘタに手を出せば、何もできぬままあのスキルでモンドレットのように一族も兵も男は皆殺しだ。


 あのスキルさえ無ければ……クソッ!


「落ち着いてくだされロンドメル様。策はございます」


「策だと? どんな策だ。言ってみろ」


「はい。勝てぬなら取り込めばよろしいかと」


「取り込むだと!? 」


 あの猿を取り込む? 俺の駒を殺し欲しい物を掻っさらっていったあの猿を……チッ、できれば殺したいが、今はその手立てがない以上は我慢するしかねえか。まずは皇帝を殺し俺が皇帝になることが先だ。


「はい。幸いアクツ男爵は野心がございません。あれば十二神将を倒した時に陛下も討ち取っていたでしょう。しかしそれをせず帝国の支配を許容し、自らはサクラ島周辺の小領で満足しております。あれほどのスキルを持っているにも関わらずです。これこそが野心が無いことの証明でございましょう」


「確かにな……あのスキルがあればいつでも帝国を滅ぼせるはずだ。なぜそれをしないのか……まあいい、それで? 皇帝から飛空宮殿を送られるような者を、どうやってこちら側に取り込むのだ? 」


「女ですな」


「女? 」


「はい。マルス公爵が上手くやりましてな。末娘のオリビア女史がアクツ男爵を籠絡したそうです」


「あのオリビアが男を落としただと!? なんの冗談だ? あんな色気の欠片もないキツイ女が男を落とせるわけがないだろうが」


 パーティで会った時に社交辞令で笑みは浮かべていたが、目がまったく笑っていない生意気な女だった。帝城の文官たちからも、気が強く傲慢な女だと相当嫌われていたはずだ。


 確かオズボードが屈服させたいなどと言って側室にと狙っていたようだが、あんな女など近くにいるだけで気が滅入るだけだ。そんな女が男を落とす? あの魔猿は特殊な性癖持ちか?


「冗談ではございません。サクラ島の情報局の職員が複数、知人に漏らしていたと聞き及んでおります。なによりもアクツ男爵は、既に三人の獣人とエルフの恋人を持っています。それだけでメスならばなんでも良いというのがうかがい知れます。ならばオリビア女史とて可能でしょう」


「エルフと獣人のメスとだと? それが本当なら確かにメスならなんでもよいのだろうな。そうか、そんな変態だというのならば納得できる。ならばこっちも一族の女をあてがうか。そうすれば最悪動きだけは封じることができよう」


 あんな形だけ女の姿をしたエルフや獣人に発情するくらいだ。その辺の犬にも発情する変態なんだろう。それならばオリビアでも落とせるか。あの女は見た目だけは良いからな。


 オリビアで落とせたなら、うちの馬鹿女どもでも余裕だな。せいぜい骨抜きにさせ、アクツが寝込んだところを毒で殺させるか。


「はい。そのように手配させていただきます。また、万が一失敗した際の策も考えてございますゆえ、全てこのカストロにお任せくだされ」


「ほかにも策があるのか? なぜそれを先にやらねえんだ? 俺はあの猿を取り込むより殺してえんだがな」


「最終的にはそう致します。しかし女で動きを押さえられればそれに越したことはないかと。次善の策の場合リスクがございます。具体的には……皇帝を殺し……兵器を……そして……核は使えませぬが………そこで確実に……」


 俺はカストロの策を聞きその内容に笑いが込み上げてきた。


 なるほど。これなら奴のスキルを破り殺すことができる。皇帝さえ殺せばあの猿を殺すことが……





 ♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢




「ふええぇぇぇ! 違いますぅ! あれは飛空宮殿じゃないですぅ! 詐欺ですぅ! 」


「なんだよシーナ、かっけえじゃねえか! まさにお伽話の悪魔城って感じであたしは好きだぜ? 」


「兎が求めてたのは、兎のように真っ白で気品のある白亜の宮殿ですぅ! あれは黒いですしトゲトゲしてますぅ! 詐欺ですぅ! 」


「な〜にが気品だっての! トゲトゲしてんの好きだろ? あの塔のてっぺんにまたがって喜びそうだしな! シーナにピッタリじゃねえか! 」


「ふえぇぇ! あんなのにまたがったら兎は串刺しになりますぅ! 痛いじゃ済まないですぅ! そうなったらコウさんにラージヒールを掛けてもらわないと……あっ……ラージヒールを掛けられながら串刺し……アリですぅ」


「げっ!? マジかよ! 」


「なに馬鹿なこと言ってんのよ二人とも! 私たちの白亜の宮殿があんな姿にされたのよ? あんな……あんなおどろおどろしく……ううっ……皇帝の馬鹿……酷いわ……楽しみにしてたのに……なんで……ううっ……」


「エ、エスティナ泣かないで。その……飛空宮殿を報酬にする話を持ってきた私にも責任があるわ。まさかこんなことになるなんて……ごめんなさい」


「ごめんなさいねエスティナ……お父様ったらなんでこんな嫌がらせをするのかしら」


「グスッ……オリビアにメレスのせいじゃないわ……あの性悪の皇帝のせいよ……今度会った時に絶対に文句言ってやるわ……ううっ……グスッ」


「ま、まあそう泣くなって。白く塗装すればいいんだしさ。そうすればほら、ネズミーランドの白いお城みたいになるって。な? すぐに帝国の職人たちを呼ぶからさ」


 俺は泣いたと思ったら怒り出し、また泣き始めた情緒不安定なティナを抱きしめ、髪を撫でながらそう言い聞かせた。


 参ったなこりゃ……


 俺は魔帝に逃げられたあと、泣いているティナをなだめつつリズにギルドにいるシーナを迎えに行かせた。


 シーナは仕事を放り投げて出ていったリズに怒っていて、そっちもなだめるのに大変だった。


 そしてメレスの飛空戦艦『フェアロス』に皆で乗り込み、先に家の裏に作った飛空挺発着場に着陸しているであろう飛空宮殿。もとい、デビルキャッスルへと向かったんだ。


 それから数分で家の発着場に着き、停泊しているデビルキャッスルの全貌がフェアロスの艦橋から見えたんだが……


 シーナは泣きそうな顔で震えながら詐欺ですぅって連呼したと思ったら突然恍惚とした表情になるし、ティナは情緒不安定になるしで俺はなだめるのに苦労しているところだ。


「グスッ……コウ……そうね。そうよ……塗装すれば白いお城よね。あの口を開けた悪魔みたいな入口だって白く塗装すれば……」


「あ、あの……その……エスティナ殿……言い難いのですが、あの塗装は粉末状の魔石を使った特殊な塗料でして……その……特殊な技術と機材が無いと重ね塗りも難しく……技術者もその……陛下が押さえてまして……」


「マジかよあの野郎……それじゃあ絶対に技術者をよこさねえだろうな」


 俺はリリアの言葉にどんだけ嫌がらせをしたいんだよと舌打ちした。


「ええー!? なによそれ! そんなの酷すぎるわ! なんでそこまで嫌がらせをするのよおぉぉ! ううっ……もういや……」


「エ、エスティナ。私からお父様に言うわ。だから大丈夫よ。きっと技術者が来てくれるわ」


「お願い……メレス……このままじゃ呪い殺しそうだわ……」


「え、ええ……」


 甘いなメレス。あのクソジジイの性悪さをわかってない。俺に嫌がらせをするためなら奴はなんだってやる。メレスを俺に奪われたと思ってる今ならなおさらだ。なんたって魔人だからな。


 俺は絶対に技術者を寄越さないだろうなと思いつつも、ティナが希望を持っているので今は言わないことにした。


 こうなったら内装がちゃんとできていて、ティナの気持ちが落ち着くことを祈るしかなねえな。



 それからフェアロスは小型飛空艦と戦闘機が駐機されているデビルキャッスルの甲板へと着陸し、雪華騎士たちとともに俺たちは降りた。そして目の前に建ち並ぶ、まさに悪魔城という名に相応しい城を見上げた。


 悪魔城は高さ40m、幅200mはある黒光した6階建ての城で、そこから斜めに100mほど手前に東西にそれぞれ高さ30m、幅100mほどの四角柱の4階建ての塔がそびえ立っていた。


 まあ悪魔城はビルでいうところの12階くらいの高さの城かな。広さは体育館2つ分くらいだと思う。東西の塔は10階くらいの高さに広さは体育館一つってとこだな。


 その各東西の塔の周りには二階建ての大きな建物が複数が建ち並んでおり、さらに外側には城を含めた全ての建物を囲むように四つの細長い塔が建っていた。確かこの細長い塔は結界を張る塔だったと思う。


 俺たちがその全容を眺めていると、艦の後方から複数の飛空挺が発進するのが見えた。恐らくこのデビルキャッスルを輸送してくれたクルーたちが帰ったんだろう。


 俺は艦内の案内人くらい残していけよなと思いつつも、まああの魔帝にサービス精神なんかあるわけねえよなと一人納得していた。


「すげー! でけー! コウ! 早く入ろうぜ! 」


「ふえぇぇ! 入口が悪魔が口を開けてるみたいで怖いですぅ! 」


「こうなったら内装に期待するしかないわ。もしも希望通りにしてくれてなかったらコウ、一緒に帝城に乗り込みましょう」


「ええ!? た、多分大丈夫だと思うよ。そ、それよりオリビアとメレスたちは初めてだからさ、少し説明してあげないと」


 俺はティナの目が本気なことにビビりながら、空間収納の腕輪から宰相の爺さんからもらった完成予想図を取り出して広げた。


「オリビアとメレスは見たことないだろうから説明するよ。東の塔は艦橋で、ここでこの艦の戦闘指示を出すんだ。西の塔はボーリング場とか映画館などの遊戯施設が入ってる。最上階が客室だね。メレスたちはここに泊まってもらうことになると思う」


「わかったわ。全部で6部屋あるのね。リリア、騎士の人選は任せるわ」


「はい。お世話係と騎士を一室に2名常駐させます」


「騎士の子たちはすぐ隣の二階建ての建物が宿舎になってるから、そこに全員が泊まれる分の部屋があるよ」


「そう。ならいいわ。コウも私に会いたいなら来てもいいわ」


「ははは、さすがに女の子の部屋に行くのは恥ずかしいから、こっちが呼ぶよ」


 最上階の露天風呂とラウンジに、雪華騎士たちも日替わりでご招待しますとも。小さめの浴衣を急いで買ってこさせないとな。


 俺は湯上りの女の花園を妄想しながらも、メレスとオリビアに次々と施設の説明をしていった。


 城と各塔の間取りや、その周りの施設はこんな感じだ。



 ▪️悪魔城



 地下1階 ・艦内特別通路 魔導車(モノレール式魔導車)で各塔に移動できる。※領主のみ使用可。


 1階 ・大広間(パーティ時使用) ・応接室 ・エレベーターホール


 2階 ・侍女居住区(常駐用)及び厨房


 3階 ・近衛騎士居住区 居室(6帖)×30室


【ここよりプライベートエリア】


 4階 ・スポーツジム ・訓練場(旧謁見の間)


 5階 ・私室エリア リビング50帖 寝室(30帖)×1部屋 寝室(20帖)×7部屋


 6階 ・大浴場 ・露天風呂 ・ラウンジ




 ▪️東の塔 艦橋


 1階 ・大会議室


 2階 ・厨房・食堂


 3階 ・各上級士官執務室


 4階 ・司令室


 ●二階建ての建物が複数併設


 騎士居住区(定員300名)・酒場・屋内訓練場・大浴場



 ▪️西の塔 遊戯施設及び来客室


 1階 ・ボーリング ・ゲームセンター


 2階 ・映画館


 3階 ・プール


 4階 ・客室 リビング20帖 寝室20帖×1 部屋10帖×5室 大浴場


 ●二階建ての建物が複数併設


 騎士居住区(定員300名)・遊戯施設・ショップ



 悪魔城の4階の謁見の間は潰し、リズの希望で屋内訓練場とスポーツジムを作った。機材は帝国が米国で作られた物を設置してくれているはずだ。


 5階はリビングと私室で、各部屋に広めのお風呂がある。6階は俺が完全設計した大欲……大浴場フロアだ。ここのラウンジは広く作ってあり、大きな窓にゆったり座れるソファ。そしてドリンクサーバーにバーカウンターもある。ヘタクソだけど、ビリヤード台も置いた。


 露天風呂は岩風呂と檜風呂だ。屋内の大浴場も露天風呂も混浴と立札を立ててある。20人は一度に入れる広さがあるから、メレスもリリアも雪華騎士の女の子たちも是非気兼ねなく入って欲しい。男は俺だけだしね。


 東の塔は戦時中にしか使うことはない。司令室には最新型の魔導レーダーに、地球のレーダーも装備している。この辺の設備は領地の企業と相談して追加で増やしていくつもりだ。


 西の塔は恋人たちが全部決めた。俺はただ頷いているだけだったな。完全にアミューズメント施設だ。ここは俺たち専用で一般の兵士たちは使えない。最上階の客室は直通のエレベーターがあるから、それに乗って出入りしてもらう形かな。


 まあそんな説明をざっくりオリビアとメレスにした後は、まずはメレスたちに先に部屋と宿舎に行ってもらうことにした。


 荷物や家具の運び込み等色々あるからな。


 俺は空間収納の腕輪から事前に送られてきていた部屋と宿舎のカードキーを取り出し、リリアに全部渡した。


 俺からキーを受け取ったリリアはお借りしますと言って飛空艦からメイドたちを呼び寄せ、メレスを連れて西の塔に入っていった。


 雪華騎士たちも飛空艦から荷物を運び出して、西の塔と隣接する宿舎に運び込み始めた。


 そんな中、リズに急かされて俺は恋人たちを連れて悪魔城へと足を踏み入れたのだった。


 



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