第6話 神様、すでに”普通”から外れている気がしますが!?

文字を覚えた。


当然書庫に行った。


少なかったので2週間で読み切った。


魔法の使い方等々を覚えた。


当然使ってみたくなった。





……で、現在に至る。





何かといえば、うれしくない力を知ってしまった。





この世界には”魔属性”というのがあって、「火・水・地・風・緑・空間・光・闇・天・無」の10属性がある。


ふつう一人3つあればいい方で、5つあればで国に15人くらいの逸材だ。





このくだりで分かると思うが、みなさんお察しの通り、私は全属性でしたね…。


全属性なんて3000年前の勇者以来だとか。





・・・・・・ファラウザーさん、私、”普通に”っておねがいしたような気がするのですが!?





もう全く普通ではない。


どうしろというんだ、どうしろと。


こういう時に限ってファラウザーさんからの返答がない。


わかりやすく逃げている!!





しかーし!ここでへこたれるわけにはいかない!今まで味方だと思っていた神様に見放されようとも!





(み、見放したわけじゃないぞ。ミスだ、ミス…)





あ、見放されてはなかったらしい。


って、またミスですか!?


ファラウザーさん、あなたミスしすぎなんじゃないですか?


私の”普通”は神様が奪っているのですか、えぇ?





(うぐっ…。)





神様は落ち込んでしまったらしい。


意外と自分のミスについて悩んでいるのかもしれない。


言い過ぎたかなぁ。





神様はしばらく放っておいて、これ、どうしよう。知られるのは私のへいおんライフに影響が出る。間違いなく世界に注目される。





隠そう。





大丈夫。きっと……。





あ゛、5歳の洗礼式で知られるじゃん。全然大丈夫くないじゃん。





でも…、今まで見たことのなかった魔法に興奮したのも事実。


できれば使ってみたいなーって思ってしまっていたりもする。





どうする?どうすれば?





(それなら隠蔽魔法を使えばよいのではないか?)





神様、復活。そんなことよりも、隠蔽魔法?





(闇属性があるだろう?隠蔽魔法でその測定機に出る魔属性や魔力なんかは偽装できるぞ?)





神が神々しく見えます!あなた、神様なのですね!





(今までの私はなんだったのだ…)





あ、でもこうしなくちゃいけなくなったのって、元をたどればこの人のせいなのでは??





(ぎくぅ…)





まぁ、隠蔽魔法で洗礼式をやり過ごすことができそうだ。


となれば、心配なく魔法を使えるかもしれない。人がいないところでやってみよう。














そうして毎日2時間、お昼寝の時間に人がいなくなった隙を見て、魔法の練習をすること2年。洗礼式を迎える前に、すでに”普通”ではなくなっていた。

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