第1部

第4話生まれ変わりました!

がるるるるるるるるる


目の前に凶暴なオオカミ(?)。





・・・えぇ?





私が生まれ変わったのは分かった(?)だけどね、神様。


こーんな状況に放り出さなくてもいいと思うんですよ、えぇ?




オオカミ(?)は襲い掛かってきた。おなかがすいているのかもしれない。


でなければ私みたいにまずそうな人は襲わないよ、きっと。





生まれ変わって1分もたたずに死ねってどういうことですか。


この記憶を持って生まれ変わるのは、イレギュラーだから早くいなくなってほしいということですか、神様。





心の中で神様に悪態ついているうちにまた体が光る。オオカミ(?)が目の前に来た瞬間に私はその場から消えた。






xxxxxxxxxx





オオカミ(?)に食べられる、そう思って目をつぶったが、いつまでたっても食べられる気配がしない。


恐る恐る目を開けると、見たことのない天井だった。





「・・・あう?(あれ?)」





今度こそしっかり生まれ変わったのかもしれない。神様はよくミスをするものなのだろうか?





それはさておき、とりあえずの身の安全がわかったところで、ここはどこなのだろうか?





しっかりしゃべれなかったこととうまく頭が動かないことで赤ちゃんになっているのだろうという想像がつく。





あ、オオカミ(?)に食べられそうになって、けがして、助かったけど後遺症、とかじゃないよね?まさかね。





ドアが開いて女の人がこちらに向かってくる。


なかなかの美人だ。そこそこ巨乳だ。


英理菜が生きていたころは、そこは発達が不十分だったため結構うらやましい。





「エレナちゃん、起きたのね~。お母さんと遊びましょうか~」





この美人巨乳の人は私のお母さんだった!お母さんに似てくれれば、私も将来はなかなかのスペック


になるに違いない。神様、ありがとう。





そして、私は”エレナ”というらしい。前と1文字違いって……。


私、本当に神様の手によって生まれ変わったのか。





(おいおい、そこでそれを思うのかね。やはり英理菜殿は不思議なのかもなぁ。)





あの神様の声が聞こえた気がする。


けれど、その場にいないことを確認すると空耳かもしれないと思った。





私は、なかなかにあの神様に影響を受けているのかもしれない。





……転生させられたり、願いをかなえてもらうために能力をもらっているので、たくさんの影響を受けているはずなのだが、本人はそんなことは考えていなかった。





天才と呼ばれていたが、実際には結構ぬけているところもあるのだ、この少女(元)は。












それから3年、私は2歳になった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る