アースティア大戦史・歴史紀行・第32回
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午前9時58分頃の事です。
一外征艦隊の別働隊として雇われて居る海賊艦隊の撃退に、成功した日本国。
その戦局は、僅か一時間程度で日本国・自衛隊側の勝利に傾く所か、一方的なワンサイドゲームと化して行く事に成ります。
対艦ミサイル・長距離魚雷・ジェット戦闘機と言った現代戦争兵器の代名詞とも言うべき装備の前に、ファンタジー世界特有兵器と言うのは、飛距離・射程距離が無いが故に、成す術が無いと言えるでしょう。
その撃退成功の報告は、福岡市に本拠を置く、異世界国家交流総合支援省内に設置され、日本国へと侵攻して来て居るローラーナ帝国軍の撃退作戦を監督して居る交援省防衛監督指令室にも届けられてました。
竜史は透かさず次なる命令を発します。
「神谷一佐に繋いで下さい。」の沖縄の第9航空団那覇基地所属の航空自衛隊員で、第9航空団の部隊長にして、直営部隊長である101小隊を率いるパイロットでもある神谷晶一佐に次なる攻撃命令を下すべき無線通信を入れます。
この第二次龍雲海沖戦と呼ばれる戦いと成った戦場海域たる東シナ海の海上では、空自の第9航空団那覇基地所属の101小隊・202小隊・303小隊・404小隊・505小隊・606小隊などF‐15J戦闘機から成る30機。
F‐2戦闘機隊から成る20機が攻撃命令を受けるまでの間を旋回飛行で、第4作戦命令を待機しながら待って居ました。
「高見です。フェイズ4を発動します。第9航空団の全機に命じます。」
「奴らは最も愚かな采配で、味方の航空団を反転さて居る。」
「敵の尻に導火線を付けて、鉄と硝煙の香りが漂うホット&クールで、ナイスなパーリィで派手に持て成してやれっ!!!」
「くっくっくっ、がはははっ!!!高見っ!!!中々面白い事を言うなっ!!!!」
「サシバリーダー各機へっ!!聞いての通りだっ!!」
「折角無理やりに押し掛けて、いらっしゃった来たお客様をお土産無しで、お帰り頂くのも失礼だっ!!」
「メイいっぱい持て成して、このパーティーを楽しんで帰って貰おうじゃないかっ?」
神谷一佐が率いる第9航空団の全機は、反転して、ローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊の本隊を援護防衛するべく、大慌てで戻る竜騎兵航空隊へと強襲するのでした。
一方の日本国の本隊艦隊と航空隊を叩くべく、前進を続けているローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊・飛竜航空隊はと言うと・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「伝令ええぇぇぇーーーーっ!!伝令ええぇぇぇーーー-っ!!」
「先鋒艦隊と本隊艦隊がニホン海軍の奇襲を受けて居るっ!!急ぎっ!戻れとの命令だっ!!!」
「何だとっ!?」
各隊では、伝言式に命令が伝えられて行く。既に自衛隊側が行った最初の攻撃から1時間近くが経ってようやく反転の命令が伝わりました。
しかしながら、一番不味いのは、進軍中に戻れと命令されて、その後ろを突かれる事です。
侵攻中の前衛部隊は、総司令官の命令で、巨大な進軍陣形を組んで移動して居る艦隊と航空部隊らは、大回りで艦隊へと戻り、中衛の部隊は、流れ弾と先鋒隊後衛部隊の混乱に巻き込まれて更なる混乱に陥る。
更には前へ後ろへと進む部隊同士の混乱で、如何にも成らなく成ってしまうのです。
其処へ・・・・・・・・ゴオオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーッ!!と言う死神が撃ち放った空飛び槍が迫って来てしまって居た。
どうやら彼らは、無能な指揮官の采配のせいで、ダメな運命を辿ったらしまうのでした。
交戦記録は、多数の偵察ドローンにより撮影されており、以下の記録が残されて居ます。
航空自衛隊・第9航空団は神谷一佐を先頭にして、罠に掛かって混乱に陥って居たローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊・飛竜航空隊を捕えて居た。
「第9航空団の各機へっ!!!あと3分で射程圏内に入る攻撃態勢に移れっ!!!」
那覇基地の管制管である早瀬美加一尉から通信を通じての攻撃態勢を取れとの命令が入る。
「野郎どもっ!!聞いて通りだっ!!!。各機ターゲットロックオン・・・・・・・・・・」
航空自衛隊・第9航空団に所属する戦闘機各機のコクピット内で、ロックオンの機械音が鳴り響く。
「撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!!」
神谷一佐の攻撃命令を受けた第9航空団に所属する航空隊の全機から、一斉にミサイルが放たれた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・・・・」
戦闘機各機からミサイルが撃たれ、暫し短い沈黙が、スローモーションの如き長く感じられる様な雰囲気の時間が流れる。
そして、僅か数秒後・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ドゴオオオオォォォォーーーーーーーーンンッ!!
「全弾命中っ!!」
「やったぁぞっ!」
全弾命中と成り、喜びの声上げる柏崎二射が叫ぶ。
「喜ぶのは早いぞっ!!!全機小隊事に散開っ!!連携して、敵機を叩けっ!!!」
「「「「「「了解っ!!」」」」」」
第9航空団は、一斉に散開して飛竜航空隊へと襲い掛かった。
一方の飛竜航空隊の中には、冷静に状況判断が出きる部隊が居た。
優秀だと言えるが、とても長生きが出きそうに無い者達だろう。
「クソッ!!クソッ!!クソがあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーっっっ!!」
愛騎の竜に命じて、ブレスや火炎弾を放つが、音速で飛び回るF-15とF-2に中る筈も無く。
逆に大した抵抗する事も出来ずに、空しく撃墜されて大空の上で散って行く。
20ミリバルカン砲で、次々とミンチにされる姿と言うのは、無残の一言に尽きるだろう。
「くっ!!来るなっ!!来るなっ!!来るなあああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
「こんな所で、死んで溜まるかあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!!!」
混乱の中で一部の飛竜航空隊と指揮官の命令を聞かない竜騎士達は勝手に戦場から逃げ出して居た。
「おっ、おいっ!!勝手にっ!!」
「そんな事っ!知るかっ!!!」
「そうじゃないっ!!後ろだっ!!!」
「へ?」
其処へ現れたのは、303小隊の隊長の速水一射だった。
「逃すものかっ!!」
ブオオオオオォォォーーーーッ!!と言う爆音を鳴り響かせたバルカン砲が撃たれた。
味方の無残な光景を見て「だからだ。」騎士の1人が呟く。
日頃訓練や座学で教官から口を酸っぱくして、言われて居る事がある。
戦闘中、勝手に又は力尽きて、部隊から離れれば、敵はその者から食い殺しにやって来ると。
しかし、今回は相手が悪すぎた。
最強種の一角である竜族や竜人族でも、日本国の自慢の戦闘機に手を焼くかも知れない。
第一外征艦隊・飛竜航空隊と日本国航空自衛隊の戦いは、さながらSF映画かアニメの体を呈している光景であった。
「よーしっ!俺だってっ!」
長谷川一尉も、張り切って任務に当たっていた。ブオオオオオォォォーーーーッ!!とバルカン砲が火を吹く。
すると其処へ別の飛竜航空隊の五騎が現れる。
「今だあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーっ!!!」
「おおわわっ!!!」
長谷川一尉は、不意を突かれたが、何とか避ける事が出来た。
「ちぃっ!!外したっ!!!各騎は連携して事に当たれっ!!!不意を付ければ、倒せるかも知れんっ!!!」
其処へ神谷一佐が現れる。
「健児っ!!何をチョロチョロと飛んで居るっ!!!」
「何とっ!?」
ブオオオオオオオオオォォォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!
「うああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
長谷川一尉を襲った飛竜航空隊の一隊は、神谷一佐によって撃ち取られた。
「先輩、済みませんでした。」
「構わんっ!各機へ油断するなっ!手負いの獣は怖いぞおおおぉぉぉーーーーっ!!!」
「神谷一佐っ!此方は那覇基地です。交援省から命令通達です。」
「最後に、もう一中てしたら、貴隊は下がって構わないとの事です。」
「了解した。」
第9航空団の各機は、態勢を立て直すと、余って残って居るミサイルを敵に撃ち放って基地へと帰等したのでした。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午前10時40分頃に成ると、第一外征艦隊の艦隊旗艦である空挺戦艦ザージェント・ギワザンに居るギワザンは、伝令官から驚愕の事実が伝えられる事に成ります。
「何だとっ!!!」
「はっ、日本軍の鉄竜の追撃に遭い。670騎居た筈の飛竜航空隊が、600騎も討ち取られてしまいましたっ!」
「おっおっおっ、おのれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」
「ギワザン閣下っ!!!東方向から何か来ますっ!!!」
日本の戦術と戦略に翻弄されて、怒り心頭のギワザンに、自衛隊は更なる追い討ちを掛ける。
現場をプロに任せて居るとは言え、指揮権を持っている竜史は、戦略シュミレーションゲームでも性質の悪い攻め方を得意として居たそうです。
なので、ある意味、天性の感覚的に敵の痛い時期を見計らって、やりたい放題と成って居たそうです。
その締めの台詞と言うのが、以下の通りだったそうです。
「さぁ、フィナーレと行きましょうか・・・・・・」
「作戦フェイズ5に移行っ!!!美味しいメインディッシュは、我が国自慢の対艦ミサイルにアスロックの盛り合わせですっ!!!」
「甘ーいお菓子のデザートは、航空隊の爆装アラモードの盛り合わせとなっています。」
「それでも退かなければアメリカさんに、指導して貰って改装させた偵察機のグローバルホークをミサイルの爆装と言うお重箱をお土産で、お持ち帰りして貰いましょう。」
「怖っ!!」と防衛監督指令室内の全員が思ったそうです。
そして・・・・・・・航空護衛艦あかぎの艦橋では、護衛艦のこんごう・あたご・しらね・むらさめ・きりさめ・さわぎり・うみぎりに対して命令を発します。
「各艦っ!SSM及びアスロックを発射っ!目標っ!帝国艦隊本隊っ!!!発射後に第3次航空攻撃を開始せよっ!!!」
「了解っ!!」
司令官である南雲一佐は、帝国艦隊に対して、止めを刺す態勢に入った。
護衛艦の定番装備とも言える4連装SSMとロケット式魚雷のアスロックである。
「ターゲットロック完了。」
「撃ちー方っ!始めっ!!」
海自艦隊からロッケット噴射の轟音が響き渡り、帝国艦隊へと対艦ミサイルが飛んで行く。
「空自航空隊っ!!第一航空隊・第二航空隊っ!全機発艦開始っ!!!」
燃料と整備、それに弾薬の補給を済ませた空自航空隊は、第3次航空攻撃を開始するのであった。
その数分後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ゴオオオオオオオオォォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!・・・・・・・・・・・・ドッカアアァァァァーーーーーーーーーーンッ!!!
「ギワザン閣下っ!敵の航空隊による3次攻撃ですっ!!」
「ぐううっっ!!ぬぬぬぬっっっ!!」
パキンと言う指揮棒を折る音が艦橋に響き渡った。
ギワザンの目の前には、好き放題に暴れまわる日本の航空自衛隊、更に何処からとも無く現れる鉄の槍こと対艦ミサイルに、謎の爆風魔法ではないかと思われている恐怖の魚雷攻撃の嵐と成ります。
自衛隊側の完全勝利と成ったと悟った、ローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊総司令官のギワザンは、直ぐに撤退する決断をしたのです。
「撤退だっ!!」
ギワザンは軽く、そして悔しそうに呟く。
「はぁ?」
「撤退だと言って居るっ!!!二度も言わすなっ!!!この馬鹿者がっ!!!」
「はっ!!はいっ!!!!」
怒り心頭のギワザンに言われて、副官や伝令官らは、慌てて撤退命令を出したらしく、予想されて居る以上に、日本軍こと自衛隊側の軍事力が高かった事を思い知らされることにも成ったのでした。
しかしながら、戦と言うのは、時に思いもよらない出来事が襲う事も有ります。
怒り心頭のギワザンが苦渋の決断で、撤退命令が出された丁度その頃でした。
日本国海上自衛隊・護衛隊群連合艦隊「南雲護衛隊群」に、とある危機が迫ろうとして居たのです。
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