170話 勝利の宴 2

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月19日・午前19時16分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城・セイジョン・ローグリア城各周辺にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 リナとクリス、そしてハンナ達等は、同じ席で祝勝会を楽しんで居た・


 そんな中で黙々と料理を頬張るハンナ。


「おっおっおっ、美味しいいいいぃぃぃぃーーーーーっ!!!」



 ハンナは、用意された料理を子供の様に目を輝かせながら食べていた。


「艦船食堂の名物料理って聞いては居るけど、流石にあの量は・・・・・」


「ハンナの奴は、相変わらずの貧乏症の様だな。」



 ハンバーグとシチューを併せた量は、約3食分の量が有ると思われた。


 ハンナは各護衛艦の給養員達から、良く食べるハムスターみたいな扱いを受けつつ、とても可愛がられて居た。


「魔力が枯渇して居るから、消化力が増して居るし、全部魔力変換されて次か次へと胃袋から消えて行くから大丈夫だろうけど・・・・・・」


 因みにこの世界では、魔力が枯渇して居る者は、食事で補給する事で、魔力を補充する事が可能らしい。



 但し、加減を間違えると腹痛や太り過ぎに繋がるので、注意が必要である。


 例外はリナの様にバストアップしてしまう者や亜人族で大食感である場合は別である事も有るとか。


「その様子だと、稀に腹痛を起こすのは、何時もの事か。」


 それって、丸で何所かのちりめん問屋のご隠居と共に居る旅のご一行様の有名な登場人物、うっかりさんみたいですね。


「むぐむぐむぐ・・・ううっんんーーっ!!」


 そのうっかりさん当人は、幸せいっぱいの様である。


 口の周りが特性ソースで、ベタベタに成りながら・・・・・・・・




「それで、リナ達は、これから如何するんだ?」


「自衛隊に同行しながら二ホンに行く事に成ったわよ。」


「二ホンにか?」


「ええ、元々シべリナ各国が冒険者ギルド経由で、あたしを指名して二ホンに行けって言って来たんだけど、依頼内容は不明な上に、依頼して来たコヨミ皇国政府が現地で、その内容を明かすって言って居るからね。」


「大方は何かの一件に、関わりの有る要人の護衛か、紅葉の奴が、このあたしの同行を知って、何かの目的が有るから、呼び出しを掛けてるって所じゃないの。」


「ふーん。」


「どの道、自力で行く予定だったけど、二ホンに用が有るのなら、置鮎さんが一緒に、如何ですかって話に成ってね。」


「旅費なんかの経費が浮くから、物の序でに自衛隊の艦隊に付いて行く事にしたのよ。」


「アイツのお守りも一緒だと、何だか大変そうだな。」


「そうなんだけどさ、1人よりは良いやって、思えて来るから、何だか不思議よね。」


「何と無く、それは分かるぞっ!」


「まっ、私は手伝えないが、また近くに来たら会いに来いよ。今も任務が無ければ、王都の実家に居るからな。」


「へえーっ、住んでる所は変わって無いんだ。」


「アリスの奴も相変わらずらしいぞ。」


「また、みんなが揃えれば良いんだが、まぁ、そんな事は、この先有るか、如何か・・・・・・」


「ふっ、それは兎も角、また暫くは会えなく成るから、今夜は一緒に騒ぎましょう。」


「うん。」


 幼馴染みの会話は続く、久し振りの穏やかな語らいに花を咲かせていた。


 クリスは、また暫らくは会えないと思っていたが、後に意外な形で幼馴染み達は、再開を果たすのであった。



アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月19日・午前19時16分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城・セイジョン・ローグリア城各周辺・ヘスティア騎士団駐屯所・宴会場にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 


 ヘスティア騎士団が詰める駐屯所では、激しい戦いを生き抜いた団員らと共に、勝利と生き残った事を喜び合いながら、飲めや歌えの大騒ぎと成って居た。


「此度の勝利をユイ・ナンジョルノさま捧げ・・・・かんぱーいっ!」


「「「「「かんぱーいっ!!」」」」」


「「「「「かんぱーいっ!!」」」」」


「「「「「かんぱーいっ!!」」」」」


「「「「「かんぱーいっ!!」」」」」


「「「「「かんぱーいっ!!」」」」」



 ロリ巨乳猫娘は正義の狂信的集団であるユイ率いる魔導弓兵隊は、独自のグループで、彼女を囲んで大騒ぎをしていた。


「ぷはぁーーーっ!!!」


 信奉者達は彼女のロリな猫娘姿を酔い痴れていた。


 ジョッキでエールやワインを飲み干し、ジョッキをテーブルに着く瞬間にプルンと揺れるバスト猫耳と尻尾が特に愛らしいと感じて居るド変態だからである。


 マオの近くの席では、隊の仲間に対して景気良く、一本5万はするワインを振舞って居た。


「マオが自分に必要の無い事で、こんなに景気良く金をばら撒くのも珍しいね。」


 セッテは、普段から金の使い形に色々信念を持っているマオが珍しく、無駄金に近い散財をしている事に疑問を思っていた。


「なぁに、これは慰労だよ。無駄ではない。次なる投資さ。」


「でないと、人は着いて来ないだろう?」


「ふーん。色々と考えて居るんだねーっ!」


 マオは決してばら撒きで、ケチの成金では決して無いのだ。


 自分の為に成るのなら、損して特を取れの精神を持ち合わせて居るのだった。


「ユイさんの所の連中は、ホンと騒がしいわね。」


「何時もの事だろうがっ!」


 田舎から幼馴染の男の子を追い掛けて出て来たツンデレであるチノンとトシヤンって言う変なあだ名で呼ばれて居る二人は、同じ席で戦勝の宴会を楽しんで居た。


「そうだけど・・・・・・」


(ああっ、わたしのバカバカっ!此処で如何して言えないのよっ!)


 この後、こっそりと抜け出そうって言いたいけど、それが中々言えないツンデレさんである。


「ん?如何したんだ、チノン?何か有るのか?」


 チャンスと思ったチノンは、二人きりに成ろうと意を決してその言葉を口にしようとする。


「あのね、トシヤン。このあと」


「ああー、二人とも。此処に居たんだ。」


 あーあー、邪魔が入っちゃったよ。


 同じく幼馴染のアコ・リニャードは 突如として表れ、二人の下へと小走り近付いて行く。


「トシヤンにチノン、明日の打ち合わせですけど、朝の九時にお願いしますって連絡が来てるんだけど、詳しく聞くなら外で待たせて居るけど、どうする?」


「ああ、行こう。」


「クリス隊長は、セイジョン・ローグリア城で、軍幹部同士の宴席中だからな。詳細な打ち合わせは必要だろう。」


 

 ヘスティア騎士団の明日からの予定は、レジェンダリア諸島内の後片付けと、施設の復旧である。


 既に日シベ合同作戦軍の幹部らは、大方の打ち合わせを終えて居り、各部隊への如何するのかの通達は終わって居る。


 その各所への連絡が時間差で、ヘスティア騎士団の所へと今頃やって来たらしい。


 何せ、日常的に電話や無線機すら無いし、伝令と言う人伝の方法しか無いのだから、これは仕方が無い。


「ああっ、トシヤン。」


「悪いなチノン。後でな。」


 朴念仁の男は仕事で立ち去って行くのであった。


「もうっ!!どうして何時もっ!何時もっ!こうなるのよっ!!!トシヤンのバカアアアアアァァァァァーーーーーーーーっ!!!!」



 ツンデレさんのどうしようもない心の叫びを聞いた宴席の者達は、酔いが醒めそうに成るほどに、罰がわるい雰囲気と成って居た。



 だって二人の関係は、他の団員達が見て居ても、物凄く分かり易いんだものっ!




 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前19時00分・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・九州島地方・福岡市東側郊外地域・神部町・異世界国家交流総合支援省・交援省大臣執務室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 時刻は夕方である。


 交援省大臣執務室に集まる国防と外務関係者の課長や職員達15名は、日シベ合同作戦軍によるブラキュリオス湖畔紛争に措ける戦勝の報せの報告を聞くと、緊張感の糸が切れた事から、安堵の声を漏らして居た。




「勝った・・・・・・・」


 コヨミ皇国の日本国大使館からの電話を受けたそう竜史は軽く呟いた。


「ようやく、これで先へと進めますな。」


 外務省の影で動かしているとの噂が立っている胡散臭い人と言われて居る外務課長の藤原敬二は、ソファーに座りながら、遠い目をして居た。 


「約2週間の遅れ、サミットの準備に明け暮れる我々に取っては、とても助かる時間と言えます。」


「だが、ローラーナ帝国に、別の動きが出て来ないとも限らない。」


「下手をすれば、各国と共に計画して居た我が国での東京サミット自体が、中止に成り兼ねない所でしたね。」


「藤原さんの懸念も分かります。ですが、この戦いは避けて通れない試練でしたよ。」


「会議を此方でしたいから、遠方の要人を日本に連れて来る。」


「いや、先方が来たいから護衛を遣せと言われて居るも同然の任務を置鮎一佐達に、任務内容を隠して派遣させたのは、果たして正しかったのでしょうかね・・・・・・・」



「それは後世の方々が、その判断する事でしょう。」


「今はダバ派遣隊が、西の要人の方々と共に、無事に帰国して来てくれる事を祈るしか有りません。」


「それに間も無くフローレイティア輸送商船商会の武装商船艦隊が、ダバ派遣隊と合流するそうです。」


「其処で彼らの詳しい近況も、自ずと分かる筈ですよ。」


 通信機器の設置数が少ないこの世界では、遠距離での通信が儘成らないのだ。


 更には何度も連絡が取れない状況は、国内で座して待つしか無い政府関係者や省庁職員達に取って、とてもやきもきさせられる状態が続いて居た。



 彼らに取って無事な報せ一つで、安堵する緊張感は、とても堪らない物と成って居たのである。


 防衛課を課長として仕切って居る伊丹順一1尉は、間も無く合流予定のフローレイティア輸送商船商会とのスケジュール予定をタブレット見ながら今後の予定方針を説明して居た。


 フローレイティア輸送商船商会は、紅葉の幼馴染みの1人で、シェスカーナ・フローレイティアが、先祖代々から続いて居る家業として、やって居る武装船商会の事だ。


 とても荒事に長けている船会社として、シベリナ地方を中心に勇名を轟かせて居る商会でも在るのだ。


 日本政府がフローレイティア輸送商船商会に依頼した事は、ダバ派遣隊の補給物資を送り届けるのが仕事だが、その荷を管理する為に、陸海空の自衛隊員24名が乗船していた。


 彼らは合流を終えた後に、フローレイティア輸送商船商会の仕事に合わせる形で、近隣の港で新しい積荷を載せた後。


 そのまま来た道を引き返して、日本の新潟港へと帰国する予定だった。



「それでは、今日はこれで業務は終わりと成ります。」


「伊丹さん、藤原さん。そして居残った皆さんも。本日は定時を過ぎての残業をご苦労さまです。」



「各課の部屋の戸締りをしっかりとしてから、気を付けて帰えって下さい。」



「これにて解散とします。お疲れさまでした。」


「「「「「「「お疲れさまでしたーーーっ!!!」」」」」」」



 竜史は紛争の結果を聞く為に集まって居た職員の業務拘束を解いて、解散を宣言した。



 その帰えり、交援省の門の前で、紺色のスーツ姿で待って居た紅葉が待って居た。


 竜史が現れるのを見かけると、夕飯まだでしょうと言うと、彼は言わなくても分かってるでしょうがと嫌そうな顔つきで呆れていた。


「じゃ、戦勝を祝して、今から飲むわよーっ!」


「・・・・・・・・」


 

 紅葉の力を知って居るので、うっかり言葉を思い浮かべない竜史は、黙って付いて行くしか無かった。



 二人は様々な意味で戦勝を祝うべく、夜の博多へと繰り出して行くのだった。

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