199話 空の勇者達よ、暗黒暗礁空域を駆けろっ!突撃せよっ!ザタン・アタック作戦っ!12

 アースティア暦1000年・7月1日・午前10時19分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ西部地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河西部中央流域地方・オローシャ帝国・オローシャ帝国東方地域・ウルス山脈・南ウルス山脈・南パイプ・ライン大河流域・東ユールッハ街道沿い付近・ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地・北部大陸間海洋国際平和維持連合軍・略称北国連合軍及びローラーナ帝国・第四方面軍・東南方面制圧軍艦隊・ゾルモン要塞艦隊・ジャンブロー平野全域・両勢力の陸上軍団両軍激突地点にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 空では巨大な空挺魔導艦隊同士の砲撃戦と竜騎士航空隊同士による両軍の各部隊が激突し、激しい攻防戦が開始されて居た丁度その頃。


 ジャンブロー平野全域に展開している陸上艦隊と陸上軍団の両陣営軍は、ジャンブロー平野にて、空と時を同じく激突を始めていた。


「各隊っ!!無理攻めはするなっ!!」


「攻撃を一中てしたら下がり、また一中てしたら下がる。」


「これを繰り返しつつ、敵をジャンブロー平野奥深くまで誘い込み、遊撃戦に持ち込むのだっ!!」


 オローシャ帝国の魔導機兵師団の各指揮官らは、前線へと出て居る指揮官クラスの者達は、事前に知らされて居る念密に立てられた作戦計画に従って、敵をジャンブロー平野奥深くまで誘引する様に事を進めていた。


 万が一敵にイレギュラーな指揮官や武勇に優れた将兵が現れた場合は、集団で事に当たり、苦戦が必須と見られる。


 もしくはそれに類すると目され、予想された場合は、速やかに撤退する事を命じられて居た。



 これは誘引作戦が決行され、敵を一網打尽にする事に成れば、居残った味方の将兵を助け出す事は困難に成るからである。


 日本以外の国が作戦遂行の為の止む負えない犠牲として良くても、日本国内の戦争に関する理解や覚悟と言った意味に措いて、今だ戦争アレルギー的に過剰反応をしてしまいがちに成ってしまう国会内での政権問題と民意問題に発展し兼ねないからである。


 其れならば、最初から逃げる事を前提に立てた作戦なら、誰も文句は言われる心配も少ない筈である。


 其処で逃げけれない味方が出ても、人事を尽くして全ての作戦に措ける手立てを全て打った上で出しまう犠牲に、文句を言ったとしても、有る程度は傷が浅いとも言える。



 そんな胃が痛く成る様な中での戦いは、現地指揮官や日本国内の与党政権内の誰もが頭を悩ませる所だろう。


「相手は寡兵に過ぎない。」


「全力で揉み潰し、蹂躙せよおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!!!」


「「「「「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーっ!!!!」」」」」



「我が栄えあるローラーナ帝国世界制覇の為にいいいいいぃぃぃぃぃーーーーーーーーーっ!!!!」



「それえええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーっ!!!!」


「ローラーナ帝国っ!!ばんざあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーいっ!!!」


「「「「「うおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」


「「「「「帝国万歳っ!!! アーノルド・ドズール大将閣下万歳っ!!!ゾルモン要塞軍団万歳っ!!!帝国万歳っ!!!アーノルド・ドズール大将閣下万歳っ!!!  ゾルモン要塞軍団万歳っ!!!帝国万歳っ!!!アーノルド・ドズール大将閣下万歳っ!!!  ゾルモン要塞軍団万歳っ!!!」」」」」



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 ゾルモン要塞軍団の将兵達は、端っからオローシャ帝国に勝利するのが当たり前と考えて居るので、怒涛の勢いで攻勢を強めて、攻め駆けて行く。


「「「「「モオオオオオォォォォォーーーーーーーーーーーーンンッ!!!!」」」」」


 重機動師団の主力家畜の亜竜である重騎竜トリプトドン同士の角同士をぶつけた鍔迫り合いは圧巻の一言に尽きる。 


 背に跨り載って居る陸竜騎士が愛騎を懸命に檄を飛ばしつつ、3つの角が鍔迫り合いをしながらぶつかり合う一進一退の戦う姿は正しく横綱相撲。



 闘牛や猪同士の真っ向勝負の突進衝突とは比べるまでもない、激しい戦いが魔導機兵同士の合間を縫って戦い繰り広げて居た。


そんな中央戦線へと突撃攻撃を掛けて来たデナンズ・フリーザー中将旗下のローラーナ帝国・第四方面軍・東南方面制圧軍艦隊・ゾルモン要塞艦隊・第一艦隊・フリーザー魔導空挺艦隊旗艦艦隊旗下に所属する第九鉄鋼魔導高速強襲戦艦隊デラーズ隊とガナベル・セガール・バドー少佐。


 その彼が乗り込んで居る専用機サイ・ジールは、異世界機甲軍団同士がぶつかり合う戦場の真っ只中へと、文字通りに飛び降り込んで来たのだ。


「うおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!」



「うおおおおおおおおおりゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!」


「ぐはっ!!」


 一機の魔導機兵がバドー少佐に駆る専用機サイ・ジールの大剣に吹き飛ばされしまう。


 幸いな事に吹き飛ばされた搭乗者は、操縦席に対しての攻撃には至って無った為に、動けなく成った機体を捨てて後方へと逃げて行くのであった。



「我がローラーナ帝国の世界制覇と言う崇高なる理念と使命を理解出来ぬ愚かな者達よっ!!」


「我が刃たるサイ・ジールと勇壮たるゾルモン要塞軍団に討ち取られ、このジャンブロー平野の原野で朽ち果てるが良いいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」


 重装騎士風の造りとSFロボットが掛け合わさったシルエットをして居る魔導機兵サイ・ジールは、旧時代に異世界宇宙文明の技術で造られて居るバーニア噴出口が、背中のバックパック部分に備え付けられて居るので高速で移動が可能なのである。


 この機体は宇宙文明世界からの転移物の遺産で、第二次古代大戦である巨人戦争または巨神戦争とも呼ばれる大戦争で使われた古代兵器の生き残りの一機なのだ。


 発掘兵器を今の時代で改めて兵器として使うには、新たに魔導技術を基礎を基にした整備改修をして、本格的な魔導機構へと換装しなければ成らない。


 しかし、魔導機構へと換装はされて居るが、同じものは絶対に作れないとローラーナ帝国古代技術研究所機関側の技師達は断言して居ると言う。


 だが、逆にワンオフ兵器として割り切って使う分には申し分なかった。


 ある意味、某有名リアルロボットアニメに出てくる○○メタルみたいな機体な感じとも言えた。


 バドー少佐に駆る専用機サイ・ジールは強襲攻撃兵器らしく、都市部や平原地帯に加えて、密閉地域での乱戦では、向かう所敵無しに近い強靭な強さを誇って居た。


 バドー少佐はめいっぱいに魔導バーニアの噴射口を吹かして敵へと突撃して行く。


 それに続く彼の部下達もサイ・ジールの劣化量産機として建造されたサイ・ジルンと共に突撃攻撃を仕掛けた。



 量産型古代重装騎士型機兵・サイ・ジルンとは?



 サイ・ジールの劣化量産機として建造された魔導機兵の事で、サイ・ジールと同系機体の量産は不可能だったが、劣化コピー機体の量産は可能だったので、機体数は少ないが量産された機体のこと。


 サイ・ジールと似たような武装と構造を持った原型性能の40%性能を誇ると言われて居る。




 一方のオローシャ帝国軍側はと言うと、突如として現れた敵魔導機兵による強襲攻撃を受けて、対峙して居た者達は啞然として居た。



「気を付けろっ!!あれは恐らく・・・・・・・」


「いやっ!!間違いないっ!!


「奴はゾルモン要塞の悪魔っ!!第九鉄鋼魔導高速強襲戦艦隊デラーズ隊司令官っ!!」


「ガナベル・セガール・バドー少佐だっ!!」


「ゾルモン要塞の悪魔・・・・・・・」


「くそっ!!厄介なのが出ばって来たかっ!?」


「気を付けろっ!!奴は1機で戦場に居並ぶ40機の魔導機兵を討ち取るらしいぞっ!!」


「後方に伝令だっ!!中央はもう持たないっ!!」


「了解っ!!」



 バドー少佐の強襲に混乱する中央戦線。



 中央戦線で戦うオローシャ帝国軍の各指揮官は、急変する戦線の情報を各地へと報せに走らせて行く。



 その情報を大空で拾って居た者達が居た。



 空自のE-2C早期警戒機ホークアイが、オローシャ帝国軍の地上軍指揮官に貸し出して居る通信機から拾って居た。


 通信機の数の都合上・・・全てに貸し出した訳では無い為に、一部の声を拾って居るたげだが、異世界軍の行き届かない連絡網を繋ぎ合わせる事に、一役を買って居た。

「気を付けろっ!!あれは恐らく・・・・・・・」


「いやっ!!間違いないっ!!


「奴はゾルモン要塞の悪魔っ!!第九鉄鋼魔導高速強襲戦艦隊デラーズ隊司令官っ!!」


「ガナベル・セガール・バドー少佐だっ!!」


「ゾルモン要塞の悪魔・・・・・・・」


「くそっ!!厄介なのが出ばって来たかっ!?」


「気を付けろっ!!奴は1機で戦場に居並ぶ40機の魔導機兵を討ち取るらしいぞっ!!」


「後方に伝令だっ!!中央はもう持たないっ!!」


「了解っ!!」


 監視をして居た空自隊員らは、味方地上軍の悲痛な叫びを聞いて、只事では無いと察した。


「おいおい。これって・・・・・・・・」


「通信を聞く限りじゃ、地上に現れたのはエースパイロットだな。こりゃ・・・・・・・・」


「直ぐにザタン・アタック作戦司令本部へ伝えるぞっ!!」



 空自のE-2C早期警戒機ホークアイの乗員の隊員達は、ザタン・アタック作戦司令本部であるヘリコプター搭載型護衛艦かがへと通信を繋いで、この事態の収拾に努めようと動き出した。


 戦局は次なる局面へと移行し始めて行く。

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