155話 移動要塞戦艦デストロイヤー再びっ!この泥沼な大紛争に、中二聖天使と雷帝の手で終止符をっ!7

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前12時03分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔南部地域・グリクス地方・ローラーナ帝国・ローラーナ帝国領・グリクス地方州・グリクス市・グリクス港・グリクス地方軍団・グリクス地方中央戦線区・ローラーナ帝国軍・グリクス地方軍団本拠地・グリクス要塞及びアルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島南部・ブラキュリオス湖畔南部水域・北シャッポロ川河口から北に26キロ付近にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 ダバ派遣艦隊・第3護衛艦隊は、洲崎二佐の指揮の下で、迫る敵潜水兵器に対して総攻撃を始め様としていた。



 両者の相対距離は凡そ19キロまで、その距離を縮めていた。


 

第3護衛艦隊は、間もなく雷撃戦を行われ様としている。



水中に隠れ潜む敵には、水中に居る限り反撃手段が一切無い。



 其処を奇襲すれば慌てふためいて、水上へと飛び出てくるのは間違い無いだろう。


今では魚雷の大半がロケット式と成って居て、その魚雷の射程が誘導形式で16キロから20キロ前後、無誘導では射程9キロからあり、能力の差は性能や使い道、販売価格によってバラバラな所は、ミサイルとそう変わらない。


 但し、水中内を進む為か、射程が空中を突き進むミサイルと比べると、素人が見聞きした時に、その違いから劣って見えてしまうかも知れない。


 今回発射される魚雷は、2025年に正式採用が決まり、2027年から本格的な生産が始まった年にMk56魚雷と25式アスロック魚雷と呼ばれる魚雷だ。


 Mk56魚雷は、Mk50魚雷とMk54魚雷の後継魚雷で、アメリカで開発された物である。


 この世界では、25式アスロック魚雷よりも早く正式作用され、用途しては、3連装短魚雷発射官向けに配備され、投射魚雷専用魚雷として使用して居るのだ。


 25式アスロックは、この世界に転移した日本国内では、現在も順次破棄と交換での使用が続けられて居る97式魚雷と12式魚雷の後継魚雷である。


 どちらも兵器開発と販売の先進国たるアメリカ制の魚雷を元にして、日本の三葉重工業とその他3社が複数の部品を共同開発をし、国内でライセンス生産して居る装備だ。


 その射程は、何方も23キロと27キロと大幅に性能が向上されて居る。



 全艦隊は、護衛艦隊とはやぶさ隊を2列にして居た。


 艦隊陣形は単縦陣とし、はやぶさ隊は、敵から見えない様に並走航行している隊形を取って居た。


 これは潜水兵器を相手では、はやぶさ隊が、直接戦う事が出来ないからだ。


 成らば、敵が浮上するまで、護衛艦を盾代わりとし、二次攻撃に備える構えとした。


 戦闘開始命令と併せた軽い訓示を述べるべく、洲崎二佐はマイクを手に取り、トークスイッチを入れた。


「これより敵潜水兵器に対して、雷撃戦を決行する。」


「この戦闘で各艦は、魚雷を撃ち尽くす積もりで、波状攻撃を仕掛ける。」


「先ず、第3護衛艦隊の左舷3連装短魚雷発射管とアスロックで雷撃を複数回仕掛ける。」


「その合間にP-1哨戒機改と哨戒ヘリによる対潜爆弾の投下する。」


「爆弾投下任務に参加するのは、あかつき、ひびき、すずかぜに搭載しているSH-60K哨戒ヘリコプター3機は、引き続き対潜爆弾を2発を装備させる。」


「いかづち、いなづまに搭載されているSH-60J哨戒ヘリコプター2機も対潜魚雷が2発つづ装備で、敵の浮上時に雷撃を仕掛けて欲しい。」」


「戦闘よーい。目標左舷距離2万っ!」


「使用数指定、アスロックを2、3連装魚雷を3っ!各艦っ!第一波魚雷発射始めっ!」


「了解っ!目標左舷2万っ!」


「使用数指定、アスロックを2っ!3連装魚雷を3っ!各艦っ!魚雷発射始めっ!」


 第3護衛艦隊に所属して居る各艦のMk41VLSから25式アスロックが飛翔し、3連装短魚雷発射官からは次々とMk56魚雷が水面へと投下発射されて行く。



 スクリューが回り、良く見慣れて居ない者には、最新式の魚雷に通り道である雷跡を見付けるのは困難だろう。



 特にこの世界の人々に取って魚雷は全く未知の兵器だ。



 撃たれたとしても、何にも知らずに航行を続けてしまうだろう。



 

 第3護衛艦隊の各艦の水雷長は、緊張しながら初の雷撃戦に望む。



 その手には時計が合って、間も無く弾着予定時刻に成ろうとして居た


「魚雷弾着10秒前、9、8、7、6、5、4、3、2、1・・・だんちゃーーく今っ!!」


 通信機のスピーカーから聞えた今と言う一言で複数の水柱が立ち、大きな爆発音が響き渡る。


「第3護衛艦隊の全魚雷命中、CICからの監視と目視では爆発を認められるも、目標への効果は不明っ!」


「洲崎二佐、見事に先手を取りましたね。」


「相手に暇を与えるなっ!ドン亀が水中で悶えて居る水中での撃沈こそっ!最上の勝利よっ!!第二次攻撃よーいっ!!!」


「はいっ!第二次攻撃開始しますっ!」



 第3護衛艦隊の各艦橋でも、魚雷命中の報告が聞え、洲崎二佐や各艦長と幹部らは、第一波攻撃成功にホッとする。


「第二派発射よーい。」


「第二派発射よーい。」


「上空待機中のP-1哨戒機改隊とSH-60K哨戒ヘリコプター3機へ通達っ!」


「対潜爆弾投下せよっ!油断仕切っている鯨の尻を思いっきり叩いてやりなさいっ!」


「くくっ、面白い言い回しですね?了解っ!」


「上空待機中のP-1哨戒機改隊とSH-60K哨戒ヘリコプター3機へ通達っ!」


「対潜爆弾投下せよ。油断仕切って居る鯨の尻を思いっきりひっぱ叩いてやれっ!」


「こちらP-1哨戒機改隊、了解した。要望通り、でかいケツを叩いて来てやるよ。」


「こちら隊長の301だ。右に同じく。」


 P-1哨戒機改と哨戒ヘリのパイロット達は、洲崎二佐の口から出た口の悪いジョークを笑い、似た様な言い回しで応えた。



「目標確認・・・・・・投下っ!」


「投下っ!」


 P-1哨戒機改隊は、3機編制の編隊で随時交代でブラキュリオス湖・レジェンダリア諸島上空を監視飛行して居る。


 丁度交代時間に差し掛かった部隊が潜水兵器への爆撃を敢行する。


 爆発は幾度も起こり、敵を水中で揺さぶって行く。


「全機、全弾投下完了。我が隊は、このまま帰投する。」


「ダバ派遣隊の健闘と無事を祈る。」


「支援感謝する。我々は必ず無事にガイダル島に行く。」


「貴官らの無事な到着を彼の地にて、待って居る・・・・・・」


「今度は我々か投下するぞっ!各機は隊長機に続けーーーっ!」




 SH-60K哨戒ヘリコプター3機は、対潜爆弾を続け様に投下して行く。





アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前12時03分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔南部地域・グリクス地方・ローラーナ帝国・ローラーナ帝国領・グリクス地方州・グリクス市・グリクス港・グリクス地方軍団・グリクス地方中央戦線区・ローラーナ帝国軍・グリクス地方軍団本拠地・グリクス要塞及びアルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島南部・ブラキュリオス湖畔南部水域・北シャッポロ川河口から北に26キロ付近・ダバ派遣隊・第3護衛艦隊による魚雷発射、数分前・先行試作量産型・移動要塞戦艦デストロイヤー1号機艦内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 

 


 先行試作量産型・移動要塞戦艦デストロイヤー艦隊を率いるギンジェム・グェンダー大佐は、何も知らずに、突き進んで居た。




 その先に第3護衛艦隊が、待ち伏せして居るとも考えずに・・・・・・・・・・・・・・


「おっ、おいっ!20キロくらいの真正面先に突然、島影が6つも現れたぞっ!」


「んっ!?何をバカな事を言って居るんだっ!?」


「真正面に島が6つも有る訳無いだろう?それは小さな岩陰か何かだろうかっ!!」


 潜望鏡を覗き込んで居た監視員の士官が、近くに居た操舵士の士官に、突然、島が複数現れた言うが、何を馬鹿なと言って、全く相手にはして貰えなかった。



 それから数分後・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「おいっ!やっぱり島だぞっ!今度は噴火しやがったっ!」


「だーかーらっ!!島なんか無いって言って居るだろうがっ!!!」


「ブラキュリオス湖・レジェンダリア諸島と言う所は、只の湖と島だっーのっ!!!」


「況してや、火山島なんかが、こんな所に在るのは、有り得ないんだよっ!!!」


「余りバカな報告をして居ると、ギンジェム大佐から殺ろされ兼ねないぞっ!!」


「そんなアホな事より、お前は真面目に水上の異常だけを監視報告して居れば良いんだよっ!」


 監視員の彼が見たのは、間違い無く護衛艦から発射されたアスロック式の魚雷が飛んで行く所だった。



 間も無く彼らに不幸な災難に見舞われる。



「嘘じゃないってっ!だったらお前が見てみろよっ!」


「出鱈目だったら、即に営倉行きだぞっ!」


「本当なんだってっ!」


 同僚の言葉に渋々促されて、潜望鏡を覗き込む。


 するとその時だった、ズドーンと言う音と振動が複数回に渡って船体全体に響き渡った。


「ぐおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!!」


「ぐはっ!」


 すぐ隣に居た監視員の士官が手酷く、盛大に仰向けに倒れこむ。


 一方の潜望鏡を覗き込もうとして居た操舵士は、振動が発生時に、潜望鏡の手摺にを掴んで居たお陰で、何とかその場に踏み止まり無事であった。


「おっ、おいっ!大丈夫か?しっかりしろっ!」


「ううぅっ・・・・・・」


 監視員の後頭部に触れて居る操舵士の彼の右の掌には、真っ赤な血が垂れて濡れて来て居たのだった。


「まっ、不味いっ!衛生ーーーっ!衛生ーーーっ!」


 直ぐに大声で叫ぶが、誰も来ない。



 近くの者達も怪我をして居る者も多く居て、次々と助けを求める声が聞えていた。


「くううっ、一体どうしたと言うのだっ!?」


「分かりませんっ!」


「事故か?」


「今は突如として巻き起こった異常事態により、混乱して居るせいか、艦内状況が錯綜して居るので、何とも言えません。」


「各艦との魔導通信水晶からの魔信応答が、有りません。」


「恐らくは本艦と同様の事態が起こって居るのだと思われます。」


 ギンジェム大佐達は、1回の使用でその額が凡そ日本円で3万円位の魔鉱石を諸費するので、おいそれと使えない魔導通信水晶を用いて随伴艦と連絡を試みて居るが応答が無かったりする。


「仕方が無い。直ぐに一旦、浮上するんだっ!」


「了解っ!全艦隊浮上開始っ!」


 聞えて居るかも分からないが、同様の命令を魔導通信水晶を通じて、随伴艦に叫ぶ通信士。


「ぐはっ!」


「うぬぬっ!またか?」


 第3護衛艦隊による第二攻撃と上空から対潜爆弾を投下され、艦内に更に酷い揺れが発生する。

 

「只今報告が伝製管より報告あり、移動要塞戦艦デストロイヤー・一号機左舷の複数に亀裂が発生っ!」


「原因は不明ですが、突如として起こった爆発で、艦内に発生した火災と浸水が多数発生下との事です。」


「今魔導師の者が水魔法で、消火作業中ですっ!」


「こっ、これは・・・・まさか・・・・敵の攻撃か?」


 ギンジェム大佐は、有り得ない筈の事を口走った。



「あっ、有りませんっ!」


「そうですぜっ!」


「水中で攻撃出きると言えば、魚人系亜人か青竜族系の竜人族と青竜族、それに水魔族関係くらいの筈ですぜっ!」



 彼の部下達は激しく有り得ないと言って反論する。



「人間には不可能な領域ですっ!」


 

 この世界では、人間が水中で活動して居る作業と言えば、漁師が数分程度の間だけ、素潜り漁くらいが可能なくらいだ。


 後は亜人や水中生物や特異生物くらいだろう。


 この世界の人々に取って水中の世界とは、全くの未知の世界なのである。


 水中での襲撃は彼らに取って気が動転する程の混乱を呼ぶ事と成って行く。


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