153話 移動要塞戦艦デストロイヤー再びっ!この泥沼な大紛争に、中二聖天使と雷帝の手で終止符をっ!5

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前11時33分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔南部地域・グリクス地方・ローラーナ帝国・ローラーナ帝国領・グリクス地方州・グリクス市・グリクス港・グリクス地方軍団・グリクス地方中央戦線区・ローラーナ帝国軍・グリクス地方軍団本拠地・グリクス要塞及びアルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島南部・ブラキュリオス湖畔南部水域・北シャッポロ川河口から北に26キロ付近にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 洲崎二佐と第3護衛艦隊の面々は、ブラキュリオス湖・レジェンダリア諸島南部の北シャッポロ川河口周辺水域に現れた謎のレーダー反応とソナー反応を追って、その水域付近を捜索した。


 其処へと急行した護衛艦あかつき所属の哨戒ヘリが、水中にローラーナ帝国軍の未確認兵器だと思わしき潜水兵器を発見する。



 ローラーナ帝国に潜水兵器を運用して居ると言う事実を発見し、恐らくは最近に成ってから運用して居る可能性とその存在を偶然にも、知り得た第3護衛艦隊の面々。


 彼らはそれに対して、どう対応するかを話し合うべく、各艦の代表者と幹部らが集まり、通信機を通じての話し合いが始まろうとしていた。


「余り時間が無いから、簡潔に聞くわ。」


「各艦の艦長達と幹部達の皆に聞きたい。」


「この場で食い止めるべく戦うか、それともナガシノ陣地までの経路で、ダバ派遣隊に所属して居る陸海空自衛隊の総戦力と、日シベ合同作戦軍に参加している各国軍の共同で向え討つかだ。」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「私は此処で叩くべきです。」


「俺もそう思います。それに今、此処で彼の兵器を叩けば、敵の目論見を叩き潰せます。」


「いや、此処は陸に揚げてから攻撃すべきだっ!」


「陸でならば、護衛艦とはやぶさ隊による一斉攻撃が出きる。ミサイルも主砲も同時にだっ!」



「そう思う。万が一にも、討ち損じて、水上で見た事も無い厄介な武器なんかを護衛艦隊に、向けられて見ろっ!下手をすれば此方がやられる事にも成り兼ねないっ!」


「確かに、こっちは逃げ場が少ない。」



「それに、この世界の魔導力艦の全貌も性能に付いて、まだまだ不明な点も多い。」


「見た目はSF風の物からファンタジー世界風の艦船に至るまで、その姿形は様々な様相を呈して居るが、一番に厄介なのは鋼鉄艦や魔導錬金技術制の艦船だろう。」


「我らとの彼我の戦力と性能的に見て、その能力は、第二次世界大戦クラスに匹敵する可能性すら在るのだっ!!」


「そんな相手に今は、決して油断してはならないっ!」


「はやぶさ隊を率いる者として言うならば、現状としては、今の我々だけでは荷が重い。」


「相手次第では、有利に動けるが、怪物や未知の兵器を相手に小回りが利くとは言え、ミサイル艇のはやぶさは、元々海上警備を目的に造られて居る。」


「本格的な戦争や想定以上の兵器を相手取る戦いを想定して居ない。とても危険に成る筈だっ!」


「第一、今回我々がダバード・ロード王国へと 派遣されて居るのも、大河と言う特殊な地形と防戦を想定して居るからだ。」


「余り危険な賭けには出られない。」


 艦隊内の意見は有る程度、割れていた。


 一部の海自幹部達が黙って居るのは、敵がどんな相手が居るか分からない状況下で、迂闊に交戦か、それとも本隊に合流するのかを決める決断を決定すると言うのは、とても苦しいと考えて居たからである。


「意見は大体、第3護衛艦隊の艦隊全体で、約半分つづ、意見は拮抗状態な上に、一部は沈黙ですか・・・・・・・・・」


(どどどっ、どうしょう。この件は、私には荷が重過ぎるっ!)


(はぁ~、如何してこうなったのだろう・・・・・・・・・)


(私は・・・・・こんな化物見たいなを相手にする為に、海自隊員に成ったじゃ無いんだけどなぁ~)


(ああっ、こんな時とうしたら良いんです・・・・三石先輩っ!)


 

 江田島の海自学校時代に知り合ったとても面倒見が良かった三石は、ちょっとだけ頼りなく、海自学校の初期の成績もお世辞にも良いとは言えない洲崎二佐の事を良く目を掛けていた。


 昨今の日本で自衛隊に入りたいと思う人達の理由は、付属の高校や大学に医療系大学等に入ると、多くの国家資格の習得に加え、給料が支給されたり、災害派遣で多くの人命救助で活躍したい等の理由が良く聞かれる。


 卒業後の任官さえ断れば、その後の進路や生活に関して、余裕も学費の借金で苦しむのも避けられる・・・・・何て人も居るかも知れない。


 今の時代では、すっかり戦争から国を守ると言う理由で入る動機が、薄いと言える情勢下に在るのは、平和が長く続いた事による物。


 そんな志望動機を以って海上自衛隊へと入隊を希望して居た洲崎二佐は、船で困って居る人を助けたいと思って、入隊試験を受けた今風の志望動機を持って居る1人だった。


 配属希望先は、後方支援で災害時に多くの人々を救う事の出きる艦隊で、最近増えて来た艦船である輸送艦隊であった。


 しかし、学校卒業まで成績が、余りにも誉められた感じでは無い彼女は、何とか踏ん張って入隊し、その後の訓練も昇進試験を死ぬ気で、頑張って勝ち抜く事に成功し、念願だった海自の輸送隊の何れかの輸送艦の艦長へと行く予定だった。


 だが、そんな彼女に悪夢が訪れた。



 日本が時空転移に見舞われ、不運な事に、ダバ派遣艦隊の人員選抜の選考が行われた。


 全国各地の陸海空自衛隊の中で、勤務成績と経歴が優秀な自衛官達が、各所からダバ派遣隊の人員として搔き集められた。


 そんな中で洲崎二佐は、近々一佐への昇進が見込まれて居た彼女の先輩である三石二佐との古い友人関係を見込まれた事と、防衛省の新世界に置ける若手幹部育成目的として、新型護衛艦でもある。


あかつき型護衛艦・1番艦・あかつきの艦長を任されてしまう。


 本来の人事異動的な面から見れば、希望先の輸送艦隊の新人として、旧式輸送艦の艦長が妥当だった筈である。


 彼女は辞令を受け取ると希望先とは全然違う事に愕然としたと言う。


 辞令を渡した、とある上官は「すまんなぁ~、上の命令で希望通りに行かなく成ってしまった。」


「どっ、どう言う事でしょうか。」と彼女は聞くが。


「お前、三石と昔から仲が良いと評判だぞっ!・・・・だからだ、そうだと聞いて居る。」


「そんなあああぁぁぁぁ~っ・・・・・」


 たったそれだの理由で、日本初でもある異世界外征派遣と言う物に参加させられたと言う顛末である。


 そんな彼女に人生の岐路と、この戦いを左右する英雄偉人がする様な、偉人達の決断っ!見たいな感じの時が来てしまったりする。


 それを見て居るだけなら、丸で歴史テレビ番組みたいな展開っ!と言ってしまえば、笑えるのたが、実際はそうはいかないのだ。


 しかも自分が指揮する部下達は、意見が割れて居る。


 如何すれば良いのかと・・・・・・・・・・・・


 そんな彼女の心の内へと入って見れば、心の中は揺れ動いて居た。


(如何する、如何する私っ!)


(今の私には、何百って言う隊員達の命と5万人の味方の命が掛かって居るのよ。)


 そんな彼女の脳裏に先輩である三石二佐の顔が浮かぶ。


「貴女は頑張れば、出きるわよ。特に船上の上では、しっかりして居るじゃないっ!」


「ええ、でもドジはがりで、教官達には怒鳴られてばかりで・・・・・」


「でも諦めが悪い。たがら此処を、自衛官を止めないのよ。」


 学生時代、落ち込んでいると良く慰めてくれて居た時の言葉だった。


 洲崎二佐は、ちっょとドジでおっちょこちょいで、どうしようもない性格だが、誰よりも真面目で諦めが悪いと。


 そんな性格をして居る人材が、大変に厳しい組織で、成り上がれると言う者は、以外とそんな人物が生き残る事が有るのだ。


(ダメだ。此処で問題の先送りしても、結局は自分の命どころか、多くの人の命を危険に晒す。)


(今が私の決断する時なんだ・・・・・)と洲崎二佐は決断する。


 彼女の決断に、透かさず某国営放送のアナウンサーがナレーションにて、「その時、歴史は動いたっ!!」と言うかも知れない瞬間だった。


「分かりました。それではこの件の決定は、隊司令である私が決めます。」


 一時の沈黙が流れた・・・・・・・・洲崎二佐の決断は・・・・・・



「戦いますっ!」


「「「「「えっ・・・・・・えええぇぇーーっ?!」」」」」


 他の艦の幹部達と、その場に居たあかつきの幹部達が、一斉に声を上げた。



 珍しくやる気が出ている洲崎二佐の顔つきが、本気に成って居る事に、驚いたからだった。


 他の艦長らも通信の声とパソコン経由のライブ映像で、その表情と声色で普段とは、違う事は伺えて居た。



「但し、総司令官の置鮎一佐に伺います。恐らく許可は・・・・降りるでしょう。」


「その根拠は?」


「ナガシノ陣地の敵艦隊が居るからです。」


「成るほど、ダバ派遣艦隊の本隊は、彼の敵艦隊で手が一杯だと?」


「ええ、それに本隊の方々も、水中に居る敵の正体も知りたいと思う筈ですしね。」


「これは相当に危険な賭けに成りますよ?」


「どの道、この戦い痛み分けは、負けですからね。」


「それならば、勝ちに行きますっ!」



 そう、この戦いで痛み分けは、日シベ合同軍の戦略的な面で負けを意味して居るし、ローラーナ帝国側からすれば、ニホン軍は恐れるに足りずと言わせてしまうかも知れないのだ。


 だから勝ちに行く。


 彼女は、そう決めた。



 それがこの戦いに措いて、歴史的な決断が行われた瞬間でもあったのである。


「ふふっ、ぷはははっ!!」


「わはははははっ!!」


「あはははははっ!!」


 年上の幹部や同世代の幹部と隊員らを中心に、ドッと笑いが木霊した。


「えっ、えっ、えええええぇぇぇぇぇーーーーーっ!?皆さん、この場面で、何で笑うんですかっ!?」


「いやー、ゴメン、ゴメン。あの普段、オドオドして居るだけった、綾ちゃんがねぇーーっ!」


「こんなマジで厳しい事態の中で・・・・・」


「逃げたり、先送りしたり・・・・・」


「上官の顔色を伺う事もせずに・・・・・・」


「自分から戦う何て事を言うとはな~・・・・・」


「本当に成長しましたね。」


「全くだっ!」


「うんうん。」


 笑い出した者達は、洲崎二佐が各地の基地で奮闘していた姿を見て居た者達だったりする。


 そんな彼女の恥かしい一面を良く見かけて居た人達だった。


「成らば、やりますか。」


「どの道、逃げられんしな。」


「やるぞっ!お前らあああぁぁぁーーーーーっ!」


「「「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!!」」」」」」」


「人気者だな洲崎、ぷくくっっ!」


 普段は真面目な石井三佐も、締まらない終わり方に、思わず笑ってしまうのだった。 


「もう~何のよっ!もう~・・・・・」


 納得のいかない洲崎二佐、実は彼女は、隠れたアイドルとして、多くの海自隊員と幹部からは、密かに人気が有ったりする。


 オドオドしてて、ドジっ子な姿が、特に可愛いと・・・・・・・・・・・


 異常な盛り上がりを見せた第3護衛艦隊の面々達は、洲崎二佐が戦う事を決断し、置鮎一佐に上申書のメールと通信を送ったのであった。




その判断次第で、第3護衛艦隊の運命が決するのだ。





 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前11時36分・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・グラブンメイル要塞軍港・いずも型ヘリコプター搭載護衛艦かが・かが艦内・FICにて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 


 日シベ合同作戦軍の総司令部が、置かれて居るいずも型ヘリコプター搭載護衛艦かが艦内・FICに居る置鮎一佐。


 その彼の下に洲崎二佐から、緊急通信と上申書と題された書類データがメールで、送られた来たのである。


「置鮎一佐、第3護衛艦隊の洲崎二佐から通信です。」


「洲崎から?」


「それと洲崎二佐からの伝言です。」


「話す前に書類データをメールで送ったので、先ずは簡単に目を通して欲しいそうです。」


「その後で、対面通信にる詳しい話が、置鮎一佐としたいとの事です。」


「分かった。」


 置鮎一佐は、自分のパソコンを操作し、メールで送付されていた書類データを開いた。


「なっ!?何だとっ!?」


 ざっと目を通して見ると、其処に書かれて居た事は、大きな衝撃を受ける内容が書かれて居た。


「レジェンダリア諸島南部・ブラキュリオス湖畔南部水域・北シャッポロ川河口から北に26キロ付近の水中内に、凡そ500メートルの大きさの潜水兵器が、此処に向って来て居るだと?」


「凡そ1時間以内に、レジェンダリア諸島へと上陸の恐れ有り、迎撃の許可願うか・・・・・・・」


 護衛艦の全てのレーダー探知機を用いて調べた結果が書かれて居た。



 洲崎二佐は、置鮎一佐に対して、早期に攻撃の許可を求める内容だった。


 今のダバ派遣隊の本隊は、目の前の敵との総力戦で動けない。


 洲崎二佐を含めた各方面に敵の補給路を断つべく、別働隊を出して背後に回り、其処から包囲殲滅を狙った作戦がイツクシマ作戦の根幹だった。



 だが、敵は思いも由らない方向から援軍を呼び寄せて来て居たのだった。


「・・・・・・・・・」


 置鮎一佐は一瞬の沈黙すると、直ぐに動いた。



 近くに控えていた海自一尉の幹部に、各地の重要人物の呼び出しの通信を頼み込む。


「各艦隊の司令官と幹部、それに井上一佐、池田空将補をそれぞれの居場所に在る司令室へ。」


「後は・・・エリン陛下を南部の前線指揮所へお呼びしてくれ。」


「それとリナ君とクリス君にハンナ君達を井上一佐の所に呼んでくれ。」

 

「了解しました。」


「開戦から三時間。奴らの戦列が何時、崩壊しても可笑しくない状況なのに、敵が粘る理由は、これか・・・・・・・」


 置鮎一佐は、眼前に攻め込んで来る敵が3時間もの間、押したり退たりと繰り返して来る敵軍の動きに、何か有ると考え始めていた。


「こいつは、とても厄介な事態に、成りそうだ・・・・・・・」



 嫌な予感がして居る置鮎一佐が遠目に成ってしまうが、非常にも歴史の大河は自然の流れに従って突き進む。


 この戦場は間も無く、終局へと移り始めて行くのであった。

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