125話 激闘!セイジョン・ローグリア攻城戦 2
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月17日・午前8時45分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城・セイジョン・ローグリア城郊外・グリクス地方軍団・レジェンダリア諸島遠征軍・野戦司令部・グリクス地方軍団・グリクス地方艦隊総旗艦ドッコス・ギアレス級空挺戦艦オクト・ガレオンにて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
グリクス地方軍団幹部らは、ガミトフが看破した敵の目論見に付いての鋭い考察に感涙して居た。
其処へ更なる報告が入る。
「報告しますっ!」
「南方方面隊として編制された第二艦隊の地上軍団の目の前に、アルガス騎士団・第二騎士団の軍団旗を掲げる一隊が現れました。」
「数は凡そ五百。」
「アルガスの第二騎士団と言いますと精強と名高いアルガス騎兵団ですな。」
「・・・・となると敵将は、アルガス騎兵団の団長である疾風のゼータ・ビダイン。」
「噂では平地や街道での戦場を疾風の如く駆け抜けるとか。」
「ですが、折角、城塞戦を準備して置きながら、全く以って芸が無い敵ですな。」
オバム大佐は、敵将に付いて、記憶して居た事をスラスラと述べていた。
「丸見えの状態で、騎馬戦とはな。」
「稚拙過ぎるのも大概にせよと、敵に言いたくなる。」
「カバディに伝えろっ!」
「運良く騎馬戦に懸けて、一流と謳われるゼータ・ビダインを討ち取るか捕縛をしたら、貴様や戦功の有った者に褒美を取らすとな。」
「ははっ!」
ガミトフは緒戦で勝ちを取る為に、将兵の指揮を鼓舞する積もりで、褒賞を業と高くしてやるのであった。
伝令官は、直ぐに第二艦隊司令官であるカバディ・キゼン少佐に攻撃命令を下す命令を伝えに向ったのである。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月17日・午前8時55分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城・セイジョン・ローグリア城南正門前戦線にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
冷徹なると呼ばれるカバディ少佐は、アレキ・サンジェルス級魔導空挺戦艦・ドアレスにて、総司令官であるガミトフから発せられた命令を聞くと、即座に手持ちの騎馬大隊と歩兵大隊に攻撃開始を命じた。
「直ぐに、セイジョン・ローグリア城南正門へと、進軍を開始するのだっ!!!」
「敵将を討ち取るか捕縛した者には、ガミトフ閣下自ら直々に恩賞が授与されるとの事である。」
「「「「「「「うおおおおぉぉぉぉーーーーーっっ!!!」」」」」」」
グリクス地方軍団とグリクス地方艦隊は、各方面に10万の兵力と200隻前後の艦隊を配置させて居る。
グリクス地方軍団・各遠征艦隊・各遠征軍を併せたグリクス地方軍団南方面軍の第二艦隊司令官であるカバディ少佐は、騎馬大隊を先頭にして、歩兵大隊併せて1万の兵力に進軍を命じた。
狙うはアルガス騎士団・第二騎士団の軍団旗を掲げて、城外へと現れたアルガス騎兵団の団長である疾風と呼ばれ称されるゼータ・ビダイン団長を討ちとらんと迫った。
だが、そのビダイン団長は、少しだけ重い騎士甲冑姿で涼しそうな冷静な顔つきで、敵に向かって言い放つ。
「芸が無いですな。」
「団長閣下殿の仰られる通りです。」
「では、手筈通りに撤退です。」
「退けーっ!!!退けーっ!!!退けーっ!!!」
ビダイン団長が率いるアルガス騎兵団五百人は、あろう事か、折角城外に出て来たと言うのに、行き成り城内へと撤退を始めてしまう。
「むむっ!?逃げたぞっ!!!急げーっ!!!追えっ!!!追えっ!!!追うのだあああああぁぁぁぁーーーーっ!!!」
「「「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉーーーーーっ!!!」」」」」」」
上から命令されて居るグリクス地方軍団将兵は、当然ながら、攻撃中止命令が出るまで攻め続け、その進軍を止める事は無いのだろう。
怒涛の勢いで、セイジョン・ローグリア城南正門と迫るグリクス地方軍団南方面軍は、不思議な形をした南正門へと入って行く。
南正門の中に入ると、追い掛けていた筈のビダイン団長とアルガス騎兵団五百人の姿を見失ってしまう。
逸れもその筈である。
馬出しと枡形等を組み合わせた8メートル土塁を迷路の様に、くねくねと捻じ曲がった道を作り上げた構造が其処には有った。
その複雑な構造に侵入者達は進軍のスピードの勢いを失い。
何処へと向ったら良いのかが、分からなく成ってしまうのだ。
「くそっ、何処だっ!何処へ行った?」
「この土の壁の迷路が複雑過ぎて、行き先が分かりません。」
複雑な迷路をグルグルと回って居ると、新たに侵入をして来た味方と鉢合わせしたりする部隊が次から次へと続出する事に成る。
「おおっと!!」
「貴様ら、こっちに来るなっ!!!」
「そんな事を言われましても・・・・・」
最初から迷路の構造を知って居ないと、この仕掛けの突破は不可能と言えた。
その様子を例えるなら、都心の朝の通勤ラッシュ時の満員電車と駅のホームを歩くと言った所と言えるだろう。
アレは日本人でもキツイし、とても辛いものだ。
「第一次上田城合戦名物っ!!虎口迷路へとようこそ!」
「なんてな。」
「いやー、ホンと真田昌幸の手口は大軍相手にするのには、最適だよな。」
「全くだ。」
「流石はビダイン団長殿です。敵を見事に誘い出してくれました。」
「お褒め頂いて光栄ですな。」
「城塞戦で騎馬隊を囮に使うとは、古のニホン国には、意地の悪いお方が居られるのですな。」
「はっはっはっ、そのお方は表裏比興の者と称されて居りますので・・・・・・・」
「表裏比興の者とな。」
「団長殿。その意味は・・・・・・・」
「成るほど、わっはっはっはっはっ、それはそれは、実に面白いお方ですな。」
安全地帯で他愛の無い会話と名将に関する逸話の話する自衛官らとビダイン団長。
表裏比興の意訳を自衛隊員から聞いて居た話をビダイン団長は、配下の部下から小声で聞かされ、笑いが止まらないのであった。
15分ほど賭けてようやく敵軍が迷路の出口を見つけ、抜けたその先に広い広場と成って居る曲輪に出る。
すると其処は「グリクス地方軍団の皆さん、虎口にいらっしゃーいっ!!!」てな感じてある。
「ふう、やっと出られた。」
「大隊長殿・・・・・・」
「ん?」
「敵だと・・・・・・」
「こっ、これは・・・・城壁の上からの待ち伏せです。」
ヌウッと城壁から現れる日シベ合同作戦軍の将兵達や自衛隊員らは、飛び道具式の武器を構えて、敵へと撃ち捲くる。
各部隊の隊長が、一斉に射撃開始を命じる。
「掛かった。」
「今だっ!」
「「「「「撃てえええええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」」」」」
ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!
ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!
ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!
ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!
ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!
ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!
虎口内に激しい銃声が鳴り響く。
アルガス公国軍の将兵達らも、持てる長射程の武器を用いて、敵を撃ち貫いて居た。
「ぐはっ!」
「がはっ!」
「くそっ!!下がれっ!!下がれっ!!下がれええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」
「無理です。後ろにも新手の敵が現れ、激しい攻撃を受けて居ます。」
「それに加え、我が方の1万人の軍勢が、すし詰め状態で有ります。」
「しし、ししっ、しまったっ!」
「この門の道筋の仕掛けはっ!これが狙いかっ!」
南正門の複雑な迷路と大軍で押し入った事により、攻め入った軍勢は退くに退けない日本のサラリーマンでも辛くキツイ満員電車の様な状態に陥り、全滅してしまうのであった。
日シベ合同作戦軍は、この一戦に措いて、セイジョン・ローグリア城の攻城戦での緒戦で、勝利を飾るのであった。
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