118話 戦地での日常と安らぎの一時に、白龍大帝の策謀

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月8日~6月14日・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 それから1週間、両軍は睨み合いをしながらの小競り合いが続いて居た。


自衛隊ダバ派遣隊は、弾薬と燃料の節約の観点から、専ら後方支援に徹していた。


偵察・医療・福利厚生・陣地造営の作業に徹していた。


 アルガス公国・ドラグリア白龍大帝国・アセリナ王国の3カ国は、シベリナ連合の条約での取り決めらてれいる相互防衛同盟条約の条文通りに、戦地に補給物資を送り始めた。



特に生活物資や医療物資に食料品が、常に大量の数量が送られ始めていた。



 特に自衛隊が提供している医療と福利厚生に付いては、各国軍から大好評を得て居る。


 成せ美味い3回の食事と暖かく綺麗な風呂と最低限の娯楽が容易されて居るのだ。


 セイジョン・ローグリア城やががとひゅうが、それに停泊地点付近では、交代で休息にやって来る将兵らに食事と風呂が提供され、自衛官らが休憩娯楽用に日本から持ち込んで来ていた物が有った。


 映画やカードゲームに双六やボードゲーム等、誰でもルールさえ覚えれば参加できるゲームが充実していた。


 この戦に参加ているシベリナ連合各国の将兵らは、戦場に措いて此処まで贅沢な物資や設備が揃って居る事に驚く。


 酒は禁止されて居るが、同行して来ている陸海空の補給科の自衛官が腕を奮って、常に決まった時間や要望が有れば、夜食さえ用意して貰えるのである。


 このサービスは、とても好評で、調理場では交代で決められた時間割作業を行う各国の料理士官らは、美味しい料理を常に提供してくれていた。


「いやー、戦場で広くて簡単な造りの風呂やうめー飯が、何時でも食えるとはよ。」


「それに安心して眠れる寝床だ。」


「常に綺麗なシーツが置かれて居る。」


「ともて信じられん事だよ。」


「全くだな。戦地とは思えん贅沢ぶりだ。」


「俺はニホン軍の佐官の位に在るお方とショウギと言うニホンの木盤のゲームで遊んだか、こいつが中々奥が深くてな。」


「おれはエイガとか言う動く絵の芝居を見たが、中々面白かった。」


「ありゃ、何処の国でも絶対に流行るぞっ!」


 シベリナ連合各国の将兵らは、様々な感想を述べて居る。


 其処には、とても決戦間じかの戦場とは思えない活気と盛況振りを見せていた。



「リナさーん。居ますか?」



 海自一尉の女性自衛官が、リナ達を探して居た。


 リナとハンナの二人を含めた少数の臨時協力者部隊は、セイジョン・ローグリア城の西側の旧市街地の一軒家に陣を構えていた。


 同じくクリスも故国の女性騎士から成る士官ら共に、周辺の家々に居を構えて居て、久し振りに集まった幼馴染みの3人は、任務や仕事の合間を見ては、3人で集まる事が多く成って居た。


「ん?何か用?」


「あのー、女性の方々の入浴は、プライベートを守るのも兼ねて、しょうかくとずいかく。」


「かがとひゅうが、それに輸送艦隊や民間船の方のお風呂に、時間別に入れる事に成ったと伝えた筈ですけど、今日は如何なさいます?」


「ああ、もうそんな時間?うーん・・・・二人とも今日は如何する?」


「二人と時間が合うなら、私も行くが・・・・・」


「我は構わないぞ。」


「だそうよ。」


「分かりました。10分後に移送用の車が回って来ますので、相乗りでグラブンメイル要塞軍港に向って下さい。」


「りょうかーい。」


 自衛隊が用意した風呂は、災害派遣でも、お馴染みの野外式も用意して有るのだが、この戦地に限らず、軍隊と言うの組織機構と言うのは、必然的に組織的な割合で男性率が多い。


 そんな観点から、海自からの申し出で、しょうかくとずいかく、かがにひゅうが。


 それに海自輸送艦隊と民間輸送商船団の風呂を女性に向けとして、時間別に貸し出す事に決まる。


 この申し出に、この戦地に来ていた女性士官や将校らは大喜びである。戦地に小奇麗で暖かい風呂に入れるのは、女性として大変に喜ぶ事柄なのだ。


 3人は10分後、31/2tトラックが、定期運行のバスの代わりにやって来た車両へと乗り込んで行った。


 これは女性限定の運行で、男性用の福利厚生施設所への移動は馬車での移動と成っている。


 別に特別扱いではない。男性の数が多く、護衛艦や港口への移動する関係者以外の風呂は、城の近場か港口の近くに、陸自が中心と成って用意して居るからだった。


 そんな理由から海自が時間を決めて女性向けに風呂を開放するサービスが取られたのである。


 余談ではあるが、洗濯機も普段着限定で開放されていて、風呂と同様に衛生面での理由から提供されていた。


 日シベ合同軍内では、後方支援を行う自衛官や下士官らは、別の意味で地獄の様な戦地での戦いを交代で行い。この戦いの終結までの間、強いられて居たのである。


アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月8日~6月14日・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・グラブンメイル要塞軍港にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 3人を乗せたトラックは、停泊地である・ レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島に措いて、最も西側に築かれた元商用湾港であった軍港たるグラブンメイル要塞軍港に着く。


「到着です。順路に従って受付で、言われた行き先別の内火艇に乗り継いで下さい。」


 運転手の案内で、入浴施設への行き方の説明を受けた。


 これまで3人は、水浴び程度の行水で、汗を流す事を済ませ居ていた。


 そんな訳で風呂なんて物は、贅沢な代物は暫くは入って居ない。


 特に、この島に来て初めての風呂である。


 リナ達が貰った許可証の札の行き先は、かがと書かれて居た。


 内火艇で、かが乗り込む3人。


 一時的にヘリコプター搭載型護衛艦かがには乗船した事の在るリナは、乗船していた時間は短いが、許可されている艦内の区間の勝手を知って居るので、待合所に使われて居る多目的区画へと向う。


「相変わらず広いな。」


「あたしは、もう成れたわよ。」


 流浪の旅とエリンが課せた過酷な修行等の理由から、リナは環境の変化に対する順応が高かったりする。


「うむ。」


「いらっしゃい。帰りに科員食堂へ寄れば、アイスか冷たい飲み物が用意してあるから、良かったら寄ってみて下さい。」


 女風呂への案内と言う訳で、艦内の案内役は女性隊員である。


 海自の風呂への案内役をして居る女性隊員が案内で、科員食堂を立ち寄れば、アイスや冷たい飲料を振舞ってくれると案内をしていた。


「おおっ!!そうなのか?我はアイスが食べたい。」


 因みに、この世界のアイスは水系統魔法の一種である冷却魔法や魔道具を用いて造られた高級品でも有るが、ハンナは紅葉が気前良く奢って貰って居た経緯が有るので、アイスの味を知ってたりする。


 しかしながら、食べ過ぎてお腹を壊した事も在るから「はい、はい。お腹を壊さない程度にね。」と言って窘めて居た。


 リナは、そのうっかりを幼い時に間じかで見て居たので、腹痛を起こさせまいとわざわざ注意するのである。


「はぁ、何年経ってもコイツは相変わらずなのか?」


「まぁね。」


 見張って居ないと何かやらかすハンナ。



 今は戦時中である。



 腹痛で自衛隊の衛生科の医官のお世話に成るのも大問題だと、二人は同じ考えに至る。


 そして、風呂場へと到着し、着て居る服を籠へと入れる。


「なぁ、リナ。」


「どうしたら、そんなに大きく成るんだよ。」


 やはりクリスは、再会してからずっと気に成っていたリナの大きなバストに付いて聞きたく成って居た。


「しっ、知らないわよっ!そんなのっ!」


 見た目から推測して、明らかにリナのバストは95を超えていた。



 エリンが課せた過酷な武者修行は、素質を持っていた姉達とは違い。


 普通の肉体であったリナの身体は、生存本能からエリンの修行は、過酷で危険である判断をし、その身を強固な物へと成長させようと独自的な進化を遂げてしまったらしい。


 序でに強化されたのは、子孫を残そうする生殖器官や保育機能器官に対しても、本能的に働いたらしく。


 筋力の発達に伴い、身長の伸び率がドンドンと良く成るにつれて、女性的な部分がグラマスな体型と言う余計な成長をたった3年で遂げたらしいと考えられる。


 男受けのする素晴らしいグラマスでナイスバディ身体つきと成ったのだが、リナはその身体付きを持て余して居た。


 だって、凹凸の在る身体と言うのは、動き辛い上に何処に行っても男女の視線が痛いと言う物。


 まぁ、ぶっちゃけて言えば、エリンの鍛え方がやり過ぎたと言える結果でもあったのであるが・・・・・・・・・


「最後に会った時は、クリスよりスレンダーだったのにな。」


 妹を思う余り、肉体の成長具合のせいで、すっかり様変わりをしてしまっていた親友を羨むクリス。


「バカな事を言って無いで、時間無いからさっと入るわよっ!」


 浴室に入ると身体を流し合う二人。


 リナは何時も一緒に居るハンナの頭を洗い始めた。


「ふんふん、ふーん。ふぃーっ・・・・・・・」


 ハンナは、リナに洗髪をされて、とても気持ち良さそうに成って黙り込む。


 旅先で一緒に過ごす機会が増えて以来、ハンナはリナにべったりな関係に成って居た。


 幼い頃は、シェスカと紅葉が主に面倒を見て居たが、今はリナがこうして面倒を見て居る。


「リナ。背中良いか?」


「ああ、頼むな。」


 クリスも自分の頭の洗髪を済んだらしく。


 気を利かせてリナの背中を洗い始める。


「うわーっ、この石鹸の泡立ちが良いな。」


「ホンとよね。このニホンの石鹸は、使い易いわよね、」


「これを使ったら、他の石鹼を使いたいなんて思わなくなるよな。」


「リナぁー、そこそこっ!そこが痒いってば、手が止まってるうーっ!!」


「ああ、ゴメン、ゴメン。」


 会話に夢中に成り、手が止まってしまったらしい。


 ハンナから痒い所を掻いて欲しいと催促が来てしまった。


「リナ。脇下に行くからな。」


「うん。」


 クリスはスポンジをリナの脇下に向わせる。


 背が高く爆乳を持って居るリナは、クリスから見れば、とても大きい身体なのだ。


 洗うのにやり辛い部分も有るのだろう。



「あっ!?」


 クリスは、石鹸の泡立ちと滑りが良いせいで、思わずリナの素肌の上で、スポンジを滑られてしまう。


「ひゃんんっ!!ちょっと、クリス何所に手をやってるのよっ!」


「スマン。手が滑った。」


「本当でしょうねぇ・・・・・」


「本当だとも。だが、困ったな。リナの無駄にデカイ胸の谷間に手が引っかかってしまった。」


「無駄って言うなっ!!!」


「あああっ!!もうっ!!!」


 リナは、自分のバストの谷間からクリスの手を取り出す。


「もう、気を付けてよっ!」


「スマンな。」


 (それにしもても何だ、あの大きさと柔らかさは化物だ。アリスが知ってたら泣くだけじゃ済まないな。)


 クリスは双子の妹の胸中を案じる。あの怪物的なバストを妬み羨む妹を思い浮かべながら・・・・・・・・


 その後も、もっとトラブルでダークネスなマンガの様な出来事が続いたが、頭や身体を洗い終わり、ハンナとクリスがの二人が先に、湯船に浸かって居ると、リナもようやく洗髪が終わって風呂へと入る。


「やっぱり、胸がデカすぎるぞっ!!これでは三人入るのはキツイかも知れん。」


 クリスは、湯船入ったリナの豊満で大き過ぎるバストを身て言う。


 しかも、メロンおっぱいと言うのは浮かぶって本当かな?何て言う事が真実である事をまざまざと見せ付けられてしまって居た



「分かってるわよっ!そんな事っ!それでも、この船の風呂は大きい方よ。」


 リナの反論から来る艦内風呂の見比べ比較と言うのは、宿屋や貸家なんかの風呂と比べての反論だった。


「ふひーっ・・・・・・・んん、ふああぁぁぁぁーーっ!!ぐう、ぐう、ぐう・・・・すうすうすう・・・・・・・・・」


 ハンナは、リナの豊満なバストで、丸で高級枕の様に余りにも使い心地の良さに、ついつい転寝を始めてしまう。


「こらっ!、寝るな。」


「ひっ!」


 リナの叱責に飛び起きるハンナ。


 やはりデカ女1人に、平均的な身体つきの女性が二人が入る艦内風呂は、少々手狭に見えて、トラブルでダークネスなマンガの如く、ハプニングだらけな一時だった。


 入浴を終えた3人は、科員食堂で涼んだ後に、宿舎へと戻る。科員食堂ではリナとクリスの二人は、ラムネを頼む。


 ハンナはと言うと、イチゴとバニラとチョコレートの3種のアイスをどれにしようかと散々悩んだ挙げ句、全部と言おうとしたら。


「「どれか一つにしなさいっ!!!」」と声を揃えて怒られたと言う。


 結局ハンナは、イチゴ味を頼んで美味しそうに食べたのであった。



アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月8日~6月14日・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・ レジェンダリア諸島東部・カントルナ島・カントルナ砦及び ジャイアガル島・ジャイアガル軍港基地・ローラーナ帝国軍・グリクス地方軍団・グリクス地方艦隊駐留した各占領地にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 一方のグリクス地方軍団では・・・・・・・・・・


 日シベ合同作戦軍とグリクス地方軍団では、その待遇度合いは、どえらい違いである。



 後方から常に補給物資が送られて来て居るのは同じだが・・・・・料理はとても簡素で、味付け濃かったり、薄かったりと料理人の腕にバラつきが目立ち、尚且つ十数万人を飢えさない様にする為に、大量に作られ、将兵らの手元で食べられる頃には、少し冷めてしまい。オマケに不味いと来て居る。


 それを紛らわせる為にも、グリクス地方軍団を含めた、この世界の多くの国では酒が振舞われて、戦意が下がらない様に努めていた。


 だが、この気遣いは軍事的にも医学的にも見れば、諸刃の剣なのである。


 何せ、下手をすれば、アルコール中毒や二日酔いと言う事態に陥り、いざと言う時には、将兵は全くの役に立たなく成ってしまうと言う事とに成りかねない。


 今日、主な国の軍が任務中等に飲酒を禁じて居るのは、乗り物の発達と事故防止に素面でないと戦えずに困ると言う事から来て居るが、ホンの半世紀前、近代時代に入った後でも、戦地で飲酒して居ると言う事実が有るのだ。


 「分かっちゃ居るけど止められない」と言う言葉通りに、そうは言っても楽しんで居る者達に対して、止めろとは言っても中々止めれられない物だろう。


「ういーっ、ヒックっ!ったくよ。直ぐにでも勝てるって話じゃねぇのかよ。」


 末端の兵士の中には、必ず簡単に勝てる片手間な戦争だと聞かされて居たのに、緒戦から大負けして居る事に大いに不満を抱く物は少なくない。


 それは丸で自尊心と虚栄心を満たす為だけにウクライナへと攻め入った某国の大統領への不満を露わにして居るかの様な光景でもあった。


「おいおい、酔っ払い過ぎだぞっ!」


「バカを言え、これが飲まずに居られるかっ!!!ヒックっ!!!」


「んん??何処の誰だよっ!!!このドラグリア白龍大帝国原産にして特産と謳って居るが、マトモに飲める奴が居ないって言うエリノア殺しとと言う謂われ、火を噴く処か、炎を噴くって言う火酒のドラッカを飲ました奴は?」


「えっ!?そんなのが混ざって居たのか?」


「しっかしっ!!おっかしいな?後方から新しく送られて来た補給物資から支給されて来た奴なんだが。」


「これはアルコール度数が高過ぎて、身体を壊し易くて有名な酒なんだぞっ!」


「そうなのか?」


 この世界での一般的なお酒は、ミード(蜂蜜酒)・エール・ワイン等であるが、コヨミ皇国産の暦酒と呼ばれる米酒も存在して居り、これは日本酒と変わらない物である。


 しかしながら、その中でも世界一呑むと身体がダメに成ると言われて居る酒なのがドラッカであった。


「おいおい、此処には何も知らん奴が多いのかよ。」


「このドラッカを適当に酒を嗜んで居ると、ド豪い目に遭うぞっ!!!」


「特にこの酒はアルコール度数が高過ぎる割には、とても飲み易く。ついついガブガブとがぶ飲みが出きてしまうから、飲むなら水か氷で割るのが基本なんだぞっ!!」


「ええっ?!そんな酒だとは知らずに、原液のままで、みんな飲んでしまって居たぞっ!!」


「全く何処のどいつだっ!!適当な仕入れをしやがった奴は・・・・・・・・・・」



 他にも赤龍帝・黒龍帝・黄龍雷帝、紫龍帝・緑風龍帝等々と各地の龍人部族等が治める地域でしか手に入れられない度数が45度から60度以上も有って、ガフガブと飲めてしまう飲み易い高濃度のアルコールの酒が、何故か補給物資に紛れて居たりするのであった。


 これを仕掛けたのは、同然ながら原産地でもあるドラグリア白龍大帝を治めて居て、無類の酒好きでもあるエリンが仕掛けた攻撃でも有るのだった。


 グリクス地方軍団が確保している補給流通網に対して、買い付けをして居る補給科所属の士官や御用商人等に、珍しいお酒が安く買えると持ち掛けてれば、買わない筈が無い。


 戦時中で、急いで居ると言う理由と大量に仕入れて買えるからと、ついつい大量に買い付けてしまったらしい。


 その手の趣味や造詣に詳しい者なら、絶対に手を出さないウワバミ達だけが手を出す悪魔の酒・・・いや、龍と龍人と酒バカだけが手を出す龍印の酒であった。


 コイツを飲んでしまったら最後、暫くは飲み続けてしまい、酒が切れると軽い症状なら二日酔いで済むが。


 酷い症状なら酒が切れると禁断症状にまで発展しまうので、薄めて適量と摘みを挟んで嗜む様にと、酒屋で必ず説明されるのが、この世界でのこの酒の取り扱いでの決まりである。


 因みにドラッカは、地球系諸国と地球人達が良く立ち寄る事に成った諸外国地域に措いて、その取り合いが厳しく制限され、加工販売が絶対の条件であるとされた。


 その方法は原産地から原液を仕入れ、加工工場で規定値に成るまで薄めてから販売されるが、それでも氷・炭酸・冷や水で薄めてから呑む事を推奨される事に成る。


 また、アルコール度数が高すぎるが故に、爆発の危険性も孕んでいる事から危険物にも指定されて居り、原液の取り扱う加工販売元には、必ず危険物取扱者の免許保持者が居る事が義務付けられる事に成った。


この流れは何れアースティア世界中に広まる事に成る。



「それでどうじゃ、あれの件は?」



「手を回して置いたけど、普段なら勿体無いと言って、蓄えた酒の放出をケチる貴女が良く許可したよね。」



「まぁ、これ位の事で、帝国の連中の足止めに成るなら安いものじゃ。」



「まぁ、良いけど・・・・・」



 ドラグリア本国からエリンの酒倉にかき集められたアルコール度数の高い酒は、グリクス地方軍団に安く売り付けられ、足止めに使われるのであった。


 この娯楽に乏しい戦場にトンでもない差し入れを仕込んだエリンなのであった。

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