88話 激闘!レジェンダリア諸島 カントルナ砦近郊上陸撤退戦  (グリクス地方奇襲戦 4)


アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月5日・午後23時30分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔南部地域・グリクス地方・ローラーナ帝国・ローラーナ帝国領・グリクス地方州・グリクス地方軍団・グリクス地方西方戦線区・グリクス市・グリクス要塞から西へ凡そ、60キロ付近・グリクス第7要塞近隣から13キロ付近・日シベ合同作戦軍上陸ポイントにて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 日シベ安全保障協定条約を根拠としてダバ派遣艦隊は、日シベ合同作戦軍を結成し、シベリナ地方王国連合同盟からはアセリナ王国、アルガス公国が主力として参加。


 コヨミ皇国の水軍将校であった高雄瑞樹と愛宕千棘の2名が作戦指揮官のオブザーバーとして参加し、後学の為にと伊達愛美からの指示で、この作戦では前線での指揮を執る事に成って居た。



 ダバ派遣艦隊は、味方であるアルガス公国軍の地方軍であるモンブラン州騎士団及び援兵であるクリス率いるヘスティア遊撃騎士団と合流し、その全軍の中から奇襲作戦に参加する選抜させた部隊を揚陸護衛艦のおしか おが まつまえへと荷馬車と共に乗り込んで居た。


 彼らが狙うのは、ローラーナ帝国領内のブラキュリオス湖西岸区域であるグリクス地方西方戦線区内に在る砦や出城、補給物資の貯蔵基地等である。


 自衛隊が隠密行動故に持ち込んで居る装備も一部だけに限られて居た。


 作戦に備えて自衛隊装備の荷物は入れ替えられて居り、それは以下の通りと成って居た。


偵察用オートバイ10台


10式戦車 6両


87式自走機関砲4両


87式偵察警戒車4両


16式機動戦闘車4両 


96式装輪装甲車4両 


89式装甲戦闘車4両 


11式式装軌車回収車2両



 と言っても上記の通りで部隊としては、過剰すぎる位で速さと少数精鋭の火力を優先した部隊編制と成った結果である。



 船内は荷馬車が一隻辺り30台ほど積み込まれ、中には、分解して運び込まれている物も有るのだ。


 それに艦内に馬を入れるのも初めての事だ。


 藁で敷き詰められた場所を用意して居るとは言え、蹄での床の傷や糞尿を含めて床が汚れるもの覚悟しなければ成らない。


 一部の海自隊員は、それを思うと、思わず溜息を漏らして居た。


 ダバ派遣艦隊は、敵地へと乗り込むのに当たり、艦隊の明かりを全て無灯火態勢にて、ファン・ブランク港を出発し、揚陸護衛艦のおしか おが まつまえを先頭にして、上陸予定地点へと向って行く。


 先導役兼艦隊の先方を任されたのは、護衛艦くらまだった。


 護衛艦くらまは、闇夜の世界を見渡しながら二つの砲門を突き出して岸辺に向う手前で右へと方向転換する。


 あかつきは左へと向かい両艦は共に周囲左右を敵から警戒する。


 いかづち・とねは後方で停止し、後詰めとして、周囲一帯を警戒。


 きりしまは、揚陸護衛艦を見送るとその場で停止、司令塔であるヘリコプター搭載護衛艦かが、ひゅうがの護衛と艦隊全体を防御をするべくイージス艦としての役目に専念する。



 レジェンダリア諸島から遅れて出発をした海自のSH-60J型3機とK型4機の哨戒ヘリコプターが、機関銃やミサイルを備え付けたフル装備で飛来してやって来た。


 揚陸護衛艦のおしか おが まつまえの正面ハッチを開くと、アルガス公国軍騎士と兵士らは馬車から揚陸を開始した。


 高雄瑞樹と愛宕千棘の両名は、コヨミ皇国政府と日本国政府の了承の下、研修目的で揚陸護衛艦のおしかとおがに乗船し、艦長らからけ現代戦争に置ける戦艦を始めとする艦船使用のノウハウを受け学んで居た。



 そして、アルガス公国軍が上陸を終えると、陸上自衛隊の全車両も甲板からエレベーターで内部へと降下し、前部のハッチから後に続いて行く。



 陸自部隊は、先に上記の記述した編成車両を更に二部隊に編成させる。


 それは下記の通りに分けられる。



偵察用オートバイ5台


10式戦車3両


87式自走機関砲2両


87式偵察警戒車2両


16式機動戦闘車2両 


96式装輪装甲車2両 


89式装甲戦闘車2両 


11式式装軌車回収車1両


 アルガス公国軍の各部隊は、15台つづの馬車と共に帝国の砦や野営地に向って全身を開始しする事と成って居る。


 陸自第1小隊とアルガス公国軍・第一上陸小隊から成る日シベ合同作戦軍第一部隊は、上陸地点から凡そ西へ18キロ地点の砦と、その砦から10キロ離れた地点の野営している輸送大隊を狙うべく、部隊の前進を開始する。


「全部隊っ!前へっ!」 


 前線指揮官は、10式戦車の1号車を駆る椎名ひかる三佐とクリスティーナ・マケッンジー少佐ことクリスである。


 クリスは、指揮下に在る部下の騎兵の騎士を二人引き連れ、15台の馬車部隊と共に陸自上陸第1小隊の後に続く。


「前進、前っ!」


 椎名三佐とクリスが号令を発する。エンジン音が響き渡り、陸自のOH-1・偵察ヘリと海自のSH-60J/K哨戒ヘリコプター・哨戒ヘリが先行して進軍路の安全確認を見極めながら突き進む。


 日シベ合同作戦軍第一部隊の航空支援には、OH-1 観測ヘリコプター1機、AH-1S戦闘ヘリコプター(コブラ)7機。


 UH-1H 多用途ヘリコプター2機と海自のSH-60J/K哨戒ヘリコプターを合わせて3機が振り分けられる。



そのシベ合同作戦軍第一部隊に同行するヘリ部隊の指揮は、井上一佐の副官である大塚良忠一射で在るが、コブラ部隊の指揮だけは、AH-1S戦闘ヘリコプター(コブラ)の一号機の乗っている東地秀矢一尉である。



 そして、日シベ合同作戦軍第二部隊の指揮を執るのは、井上一彦一佐とアルガス公国のモンブラン州の守りに就いて居るアルガス騎士団・第二騎士団・アルガス騎兵団の団長であるゼータ・ビダイン(大佐)が指揮を引き受けてくれた。



 ゼータ・ビダイン軍団長は、35歳で、アルガス公国軍切っての騎兵隊の扱いに長けて居る人物だ。  


 アルガス公国軍は、馬車部隊を含めた騎馬兵が出ると言う観点から来る人選であり、奇襲作戦の話を聞き付け頼まれた彼は、アルガス公国軍の地上部隊の指揮を引き受けてくれて居た。



 なお、アルガス軍には通信機を持った自衛隊員と無線機が貸し出されて居る。


 特にインカム付の無線機は、長期間での情報のやり取りとして、とても重宝されアルガス騎士団達等に喜ばれて居た。  



 第二小隊の航空支援には、OH-1 観測ヘリコプター1機、UH-1H、AH-64D戦闘ヘリコプター(アパッチ・ロングボウ)7機。


 多用途ヘリコプター2機、CH-47JA 輸送ヘリコプター4機と海自のSH-60J/K哨戒ヘリコプターを合わせて4機が配置される。


ヘリ部隊の指揮は、井上一佐が執って居るが、アッパチの部隊の指揮だけはAH-64D戦闘ヘリコプター(アパッチ・ロングボウ)の一号機に乗っている黒多宗近一尉である。


「それでは、井上一佐殿、我らも・・・・」


「ビダイン軍団長閣下、陸上部隊はお任せします。」


「私は少し送れて上空から地上部隊を支援しますので、陸自部隊に付いて詳しい事は、陸自上陸第二小隊・指揮官である冬眞友紀一射にお聞き下さい。」


「了解した。竜騎士や空挺戦艦以外での上空支援は、我らに取って、とても心強く、有り難い。」


「我が国は他国とは違い。その殆んどが騎士や歩兵の軍団だ。」


「それに我が国の魔導兵器は、国家の虎の子の兵器だ。滅多な事では出撃が出せないので助かる。」


 冬眞一射とは、椎名ひかる三佐の部下で、ダバ派遣隊の10式戦車部隊の第二小隊の隊長を務めて居る人物である。



 とてもクールで、冷静な感性を持った女性自衛官である。


「冬眞一射、これが貴官に取って、初の実戦だが、ビダイン閣下を支えて現地で落ち合おう。」


「はっ!!全部隊っ!前っ!」


 冬眞一射は87式偵察警戒車を先鋒として、日シベ合同作戦軍第二部隊の前進を開始した。


 続くビダイン軍団長も暗がりで分かり難いが、銀と青色で染められた鎧を身にまとって、指揮下の騎兵の騎士5人と15台の馬車部隊を自衛隊の先導を頼りに前進させて行くのであった。


 彼らの狙いは上陸地点から凡そ13キロと、ほぼ、目の前に有るグリクス第7要塞を攻め落とす事だった。


 そして、全奇襲部隊の主要目的は、敵の補給物資とレジェンダリア諸島攻略作戦の情報収集であり、海自の後続艦隊の到着までの時間稼ぎと成って居る。




アースティア暦1000年・5月22日・午後21時05分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央部地方・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・アイリッシュ湖畔・ダバード・ロード王国・アルインランド州 州都・ベルクラネル市郊外・アイリッシュ湖・ガイダル諸島・ガイダル本島・ガイダル・タバ日統合隊基地にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 此処はユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央部地方・シベリナ中央地方・ダバード・ロード王国。


 アルインランド州 州都・ベルクラネル市郊外・アイリッシュ湖内に在る島、ガイダル諸島に在った旧ロード・コスモ資本連合国ガイダル諸島空港遺跡を改修工事をして新しく航空基地と成ったガイダル・タバ日統合隊基地。



 正式名称は、ガイダル諸島・ダバード・ロード王国・日本国統合航空隊基地と言う。



  それは日シベ安全保障協定条約こと、略称名・日シベ安協条約を根拠とする形で日本国政府が、ダバード・ロード王国への安全保障問題での支援とガイダル諸島で発見された古代遺跡空港を改築改装工事して新設した空港を維持・防衛体制を目的として派遣された航空自衛隊がダバード・ロード王国軍と共に運用をして居る官民一体使用を目的とした空港の事。


 それを例えるのならば、千歳基地と千歳空港、茨城空港と百里基地が一体と成って居る形を思い浮かべると分かり易いだろう。


 日本国防衛省は、この航空基地に航空自衛隊・ダバード・ロード王国・ガイダル島派遣隊を結成し、老朽化から退役が確定して居たF-4J改ファントム部隊を派遣して居るが、後にF-4J改ファントムをダバード・ロード王国が買い取り、部品生産買い取り込みで、日本国と防備装備品メーカーとの30年契約を結ぶ事に成るのは別のお話である。



 此処には30機のF-4J改ファントム部隊を中心とした航空自衛隊の派遣部隊たる航空自衛隊・ダバード・ロード王国・ガイダル島派遣隊が配備されて居た。

 


 この世界の2030年代の日本では、現実とは違い。F-4J改ファントム部隊は、主に百里基地のみの運用と成って居て、最早主力から完全に遠ざかり、偵察機RF-4EJへと改装され、退役を順次待つか、機体の技術関連の資料としての保持補完の為に残された機体と成っていた。


 中には訓練機としてや、航空護衛艦の艦載機の訓練機としての役目を与えられる機体も有ったが、今は戦闘機としての最後のご奉公先として派遣された場所である異界の大陸の魔導技術国家の大国であるダバード・ロード王国へと派遣される。


 そのF-4J改ファントム部隊は、アルインランド州・アイリッシュ湖のガイダル諸島へと派遣され、ガイダル諸島基地で日本との連絡路兼同地の防衛の為に活動して居た。


 そんな彼らに、配備されて以来の初の出動命令が下されたのだ。


 ガイダル諸島派遣隊として任地に赴いていたF-4J改ファントムに乗る空自隊員の者達は、初の実戦にも関わらず、年齢を問わずに歓喜に満ちて士気が上がり捲くりであったのだ。


 それも無理もない。


 最早、空自のお荷物同然に扱われ、技術保管とデータ取り、挙句は航空ショーの見世物にしか成らない期待が40年の時を超え、初めて日の目を見る絶好の機会に恵まれのだ。



それも最新鋭機であるF-35よりも早くにである。


 日本のF-4J改ファントムは、一戦もせずに鉄くずに成らずに老骨にムチを打って、初の実践に赴く事と成ったのである。


 任務内容は、ブラキュリオス湖・グリクス地方西方面の帝国陣地への爆撃である。


 30機ものF-4J改ファントムは同系機で、改装機体たる偵察機RF-4EJを道案内役に据えて、供に定められた目標ポイントへと飛び立って行く。


 これでグリクス地方軍団は、思わぬ方向からの安全な支配地域に対しての突然の攻撃を受けて、慌ててふためくだろう。


 日シベ合同軍は、その隙を狙う作戦だが、帝国軍は日本の進撃の早さに付いて行けずに、事を知る頃には、朝を迎え過ぎる事に成るだろう。


「スクランブルっ!!!スクランブルっ!!!演習ではないっ!!!」


「此方はガイダル・タバ日統合隊基地っ!!!。」


「本日20時に日本・本国よりガイダル・タバ日統合隊基地に対して出動命令が下されたっ!!!」


「F-4J改各機の搭乗者各員に告ぐっ!!!。至急っ!格納庫に集合し、全機っ!速やかに発進せよっ!!!」


「繰り返すっ!!!これは演習ではないっ!!!これは演習ではないっ!!!」



 時刻は21時、ダバ・ロード王国内では徐々に営業している店は酒場ぐらいなもので、宿泊施設もあと一時間くらいで雇っている従業員等も後片付けに掛かろうとして居た時間帯だった。


 日本の町とは違い、富裕層は優雅に夜更けを過ごし、庶民はウトウトと明日に備えて眠りに付こうとして居た頃合である。




 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月5日・午後21時07分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・アイリッシュ湖畔・ダバード・ロード王国・アルインランド州・州都・ベルクラネル市・ベルクラネル城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 ダバ・ロード王国の女王であるアーヤ・シュチュ―ド女王は、来るべきコヨミ皇国・日本国で開催予定が計画されて居る国際会議への参加する為に迎えを待って居た。


それもまだ、開催名すら決まって居ないこの世界でも有史以来初めてとなる国家元首が一堂に揃う事と成るであろう大規模な国際会議に参加するべく日本からの迎えを待って居たのであった。


 州都・ベルクラネル市の東に聳え建っているベルクラネル城は、アイリッシュ湖の湖に色に合わせるかの様にして、水色と白を貴重としている西洋式の見事な美しい城は、堅牢で堅固な守りの有る城でありながら、ファンタジー戦記のライトノベルやアニメから飛び出た様な姿をして居た。


 その美しい佇まいをして居るベルクラネル城は、アイリッシュ湖の北に作られたベルクラネル市を見下ろす様にして、子高い丘に建てられて居た。



 そのベルクラネル城にて、日本からの迎えを待って居る女王アーヤの下へと急報が齎されたのであった。


と言うよりも、伝令官よりも早く市民や軍人、アルインランド州の役人。


 果ては女王自信ですら簡単に気が付けるくらいに、ハッキリと南の湖からウウウウウゥゥゥーーーと言う大きな警報音が、湖面一帯に大きく鳴り響いて居たからであった。


「何事か?」


「アーヤさま。只今、関係各所から確認して居る所であります。」


 アーヤは近くの待機所で護衛と仮眠をしている近衛隊の隊長たるカリン・カインザーキーン少佐を呼び出して事実確認をさせていた。


 ロングのポニーティルで纏められた髪を靡かせて、部下達に急いで警報に関する状況確認を急がせて居た。


「これって、確か警報音とやらよね。」


「はい。私もニホンのガイダル諸島基地完成の際に、視察で多くの軍関係者と共に、色々と説明を受けて居ますし、夜間演習の最終時間は夜の20時から作業時間が終わるまでの21時とニホン式時計で定められて居ます。」


 この夜間演習の最終時間は夜の20時とは飛行機の離着陸の最後と定められ、以後、緊急時を除いた飛行する乗り物は21時まで基地での活動を終える事に協定で定められて居た。


 因みに、ガイダル諸島基地から発進して行く戦闘機を始めとする飛行機の離着陸をする姿は、ベルクラネル市に取ってちょっとした観光名物と化して居たりする。


 特に夜間訓練のでの離着陸を見ながらの飲食店や居酒屋での飲食は、この町の夜の名物に成りつつあるのであった。


「と言うことは・・・・・・」


「はっ!ニホン本国からの緊急を要する連絡を受けてか、東方か南方で何か有ったと見るべきです。」


「直ぐに、ガイダル諸島・タバ日統合隊基地に問い合わせなさい。」


「はっ!ただ今通信士と成った仕官の者が、直接通信で問い合わせして居ります。詳細結果に付いては、もう間も無くかと・・・・・・・」


 アーヤは、日本とのやり取りをする中で、ガイダル諸島・タバ日統合隊基地とのホットラインを立ち上げていた。


 少なくともベルクラネル城とガイダル諸島・タバ日統合隊基地の間だけは、電話や無線機が置かれて居るのだ。



 これ等の設置費用の資金は、ダバ・ロード王国政府から出されて居る。


 10分ほど経ってからダバ・ロード王国内の軍務部・政務部内に統合運用を目的に新設された、電子通信情報局と言う部署から、アーヤ達に文書にて伝えられた。


「何ですって、アルガスで戦?妾達の迎えが遅れるですって?」


「その様です。」


「ニホン艦隊の第二艦隊が襲撃を受け、レジェンダリア諸島がグリクス地方軍団の侵攻に晒されそうだと・・・・・・」


「その後顧の憂いを絶つ意味も考えて、我が国に向っているニホンの第一艦隊は、迎撃態勢に入ったとの事です。」


「では、ガイダル諸島・タバ日統合隊基地のニホン軍は、その援軍に向うのね。」


「はい。基地司令を勤めておられる秋元洋佑空将閣下殿は、夜遅くにお騒がせして申し訳ない。」


「数日は騒がしく成るので、女王陛下とベルクラネル市民の皆様にお詫び申し上げると、仰られて居ましたと事で有ります。」


「相変わらず、ニホン人と言うのは真面目ね。」


「良いでしょう。ベルクラネル市民の皆には、ガイダルに駐留しているニホン軍が、シベリナ地方王国連合同盟の同盟国軍であるアルガス公国軍と親善訪問して来るニホン国艦隊を助ける為に、援軍を出す為であると、基地での騒ぎの顛末をニホン軍が事を終えてから伝えなさい。」


 アーヤは、軍事作戦の邪魔に成らない様に騒ぎが落ち着いてから、事実を伝える様にと指示を出したのだった。


「はっ!ではその様に致します。」


 電子通信情報局の情報士官は、アーヤの命令を実行すべく、直ぐさまの場を立去る。


「アルガスまで此処から千キロちょっとよね。F-4J改と言う戦闘飛行機械の航続距離が確か・・・・・・・」


「2000キロ以上と聞いて居ます。」


「恐らくミサイルなる空飛ぶ槍や大型爆弾を用いた、攻撃方法が行われるかと・・・・・・・・・」


「・・・と成るとニホン軍の狙いは、陽動ね・・・・・・」


「恐らくは・・・・・・・・」


 アーヤとカリンの2人は、アーヤの寝室として宛がわれて居るバルコニーへと出る。


 其処から湖を眺めていると、ガイダル島基地から次々とF-4J改が、ゴオオォォぉーーと言うジェット噴射の音を響かせながら飛び立って行く姿が、外部灯火によって、クッキリと闇夜に光輝いて居た。、


 

 F-4J改ファントム部隊は指示された目標地点の在る東へと向って行ったのだった。

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