87話 激闘!レジェンダリア諸島 カントルナ砦近郊上陸撤退戦  (グリクス地方奇襲戦 3)

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月5日・午後21時30分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔・アルガス公国・モンブラン州・モンブラン州都・ファン・ブランク市・アルガス公国軍・駐屯居城要塞・アナハインム城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 


 後の歴史では、この戦いの事をレジェンダリア諸島・カントルナ砦近郊上陸撤退戦と呼ばれ、置鮎一佐が提案した作戦の事をグリクス地方奇襲作戦または、グリクス地方奇襲戦と呼称された作戦に、選抜され参加する事に成った艦船は、以下の通りと成って居る。


 護衛艦 きりしま くらま あかつき いかづち とね ヘリコプター搭載護衛艦 いずも、ひゅうが 揚陸護衛艦 おしか おが まつまえ


CH-47JA 輸送ヘリコプター 4機 220名 

    

UH-1H 多用途ヘリコプター 4機 56名

    

OH-1 観測ヘリコプター 2機 4名


    

AH-64D戦闘ヘリコプター (アパッチ・ロングボウ) 7機 

    

AH-1S戦闘ヘリコプター(コブラ) 7機 28名


  

 SH-60J哨戒ヘリコプター及びSH-60K哨戒ヘリコプターを併せて9機が参加。


同行していない護衛艦の機体は、レジェンダリア諸島の中央に在るセイジョン・ローグリア城の西側に開けた場所に、臨時のヘリポート造って対処をする事に成った。


 更に奇襲作戦には、敵の基地や補給部隊の襲撃も検討され、当初のダバ派遣艦隊の予定に有ったダバード・ロード王国からの魔動機兵・ナイト・マギア30機の受け取りの為に、荷が最低限されている3隻の揚陸護衛艦の参加と活用を決めていた。



 少なくとも軍資金や武具に食料の類を奪えば、グリクス地方軍団と帝国地方軍も少なからず苦しい思いをする筈である。


セイジョン・ローグリア城には、陸自の先発隊100人が派遣され、城の周囲に塹壕等を現地の兵士らに掘らせ、来たるべき決戦に備えて居た。


 なお、この事は周囲の砦には、内緒にしてある。



アルガス公国政府は、現地の指揮官としてクリスを指名して居るが、元々アルガス公国は、レジェンダリア諸島を切り捨てる積もりで居たので、整然と撤退が出きるのなら若輩のクリスでも指揮官に据える事に対して、何の躊躇いも無かったのだった。


 さて、先の会議では、グリクス地方への奇襲計画案が提案され、アルガス公国軍と日本国自衛隊とプラス、コヨミ皇国の愛宕千棘と高雄瑞樹の両名。


それにアセリナ王国聖天使騎士12とヨハンナ・リリロッカ・ヨシカーナことハンナと雷帝の魔導師の異名を持つリナ・ミーサガ・リンバース加えた日シベ合同作戦軍を結成する。



日シベ合同作戦軍の指揮権をダバ派遣艦隊の置鮎竜次郎一等海佐が、受け持つ事と成った。


 奇襲作戦での本陣と成る場所は、ヘリコプター搭載護衛艦のいずもと決められた。


 此処で名称を付けられて居る日シベ合同作戦軍とは?と言うと、その背景は以下の通りと成って居る。



 レジェンダリア諸島・カントルナ砦近郊上陸撤退戦と呼ばれ、置鮎一佐が提案した作戦の事をグリクス地方奇襲作戦または、グリクス地方奇襲戦と呼称された作戦計画を遂行する為に結成された臨時の合同作戦計画軍のこと。


 参加する事に成ったのは、日本国のダバ派遣隊。


 シベリナ地方王国連合同盟からはアセリナ王国、アルガス公国が主力として参加し、コヨミ皇国の水軍将校であった高雄瑞樹と愛宕千棘の2名が作戦指揮官のオブザーバーとして参加。


 更には遅れてやって来たダバ派支援遣隊と共に、同行してやって来た、ドラグリア白龍大帝国のエリノア・ホワイト・ドラグリアが、ドラグリア白龍大帝国軍・統合将軍のユキカゼ・コーキンと白竜騎士団。


 そして、眷属竜である白龍族が、グリクス地方奇襲作戦に参加して居る。



 この臨時合同軍への参加と結成する事に成った裏には、高見竜史と交援省とがシベリナ地方王国連合同盟と日シベ安全保障協定条約と言う臨時協定を結んだからであった。


 これが後にアースティア暦 1000年・西暦2030年・ 5月30日と言う日は、後世の歴史に措いて、日シベ安全保障協定条約と言うアースティア国際平和維持連合安全保障条約、略称名・国連安保条約の前進と成って条約が結ばれた記念すべき日と成ったのだった。




 そんな歴史の転換点とも成った作戦を前にした日シベ合同作戦軍の拠点と成ったファン・ブランク市では、奇襲作戦に向けての戦支度が、慌ただしく進められて居る。


 本作戦は、レジェンダリア諸島で起こるであろう紛争に、ダバ派遣艦隊たる自衛艦隊が参加するに当たり、予想される戦闘地域に向けて、迅速に展開が出きる様に考えられて居た。


 作戦を円滑に遂行するに当たって、アルガス軍との上陸戦と各地の砦に立て篭もる味方を整然と撤退させ、セイジョン・ローグリア城に立て篭もる事を予定して居た。



だが、グリクス地方軍団の別働隊によるダバ派遣支援艦隊の遭遇戦と成った為に、当初に想定して居た作戦に変更とアレンジを加える事と成った。


 グリクス地方奇襲作戦としては、グリクス地方軍団に対して、奇襲・かく乱と侵攻遅延を主軸目的としたゲリラ作戦を付け加えると言う物である。


 

 その内容とは、次の通りである。



 一次作戦たるグリクス地方への奇襲作戦。


 第二次作戦は、ダバ派遣支援艦隊と合流し、当初から予定して居たレジェンダリア諸島への救援上陸作戦。


第三次作戦には、海自輸送艦隊と陸自部隊とアルガス軍の荷馬車を用いた撤退戦。


第4次作戦には、セイジョン・ローグリア城に敵を引き吊り込みつつ、半方位陣を敷いての迎撃防衛線。


 それでも敵が退かなければ、追撃やゲリラ戦に、艦隊決戦の計画まで色々と練られていた。


 合流予定の後続艦隊のダバ支援艦隊の遅れは、凡そ1日から1日半との連絡が来て居るが、置鮎一佐は3日の遅れを想定した作戦計画を立ち上げて居る。


 アルガス公国軍の中には、これだけの兵器や武具を揃えて居るのだから、先手を取って逸早く全軍を上陸させるべきでは無いのか?と言う疑問と質問の声が上がった。


 しかしながら置鮎一佐は、寡兵で大軍を相手にするのならば、第一に味方すら欺く位の敵軍有利の状況の方が、返ってやり易いと意見を述べるに留まって居る。


 彼の狙いは、有る人物が考えた作戦を手本として居る。



 その人物とは、謀神と呼んでも差し支えない謀略の天才的な人物として名高い毛利元就が、厳島の戦いで取った作戦である。


 その作戦を簡単に言えば、敵の大軍を狭い島に引き吊り込んで半方位で囲み、殺し間と言う銃砲火力を最大限活用出きる上に、火力で圧倒させられる陣形と陣地を使った決戦である。


 其処に勢い良く、勇んで攻め込んで来るグリクス地方軍団に対して、大打撃を喰らわせる積もりなのだ。


 作戦の内容は、敵方に漏れる恐れが有るので、作戦遂行を進める指揮官である置鮎一佐と井上一佐。


 それに現場指揮官であるクリス、そして遊撃戦を得意とし、義勇兵的な立場で参加するリナ。


 最後にコヨミ皇国の水軍に属して居おり、指揮官を務めて居る愛宕千棘と高雄瑞樹に限られて形で、作戦の詳細を知らされて居る事と成って居た。


因みにハンナが、そのメンバーに入れられて居ないのは、うっかり口を滑らせ、何かを言われる事を作戦主導部が恐れた為であり、決して、仲間関係からハブられた訳では無いのだ。



 本作戦会議の詰めの協議では、全軍の最高指揮官クラスである者達と協力者たるリナしか最終的な内容を知らされて居ない。


 クリスは、ニホン軍の作戦立案と指揮系統能力の高さに舌を巻き、この作戦の参加と決行を決めたのであった。


 そう、この地に自衛隊が来なければ、負け戦だった戦いに勝ちに行くぞっ!!と言うくらいにはね。


 クリスとアルガス公国軍の騎士や兵士らは現在、作戦旗艦たるヘリコプター搭載型護衛艦いずもに乗艦して居た。


 一部のヘリは、レジェンダリア諸島のセイジョン・ローグリア城に近くで待機して居る。



 時刻は夜の22時丁度を指して居た。


 クリスは指揮官として、5名の部下と共に、特別にヘリコプター搭載型護衛艦いずも艦内に設置をされて居る司令部区画に、入室が許された。



愛宕千棘と高雄瑞樹も同様に、これまで船旅では、お客様として乗船をして居た外国軍人の立場から、この区画への入室をご遠慮頂いて居たが、今作戦の間に限って、初めて入室が許された。


 この事は本省である防衛省と日本政府も了承して居る事だった。


「これがニホン海軍の艦内司令室・・・・・・」



 余りにも至れり尽くせりの設備に関して、開いた口が塞がらないクリス。


 今、クリスが目にして居る風景は、彼女からすれば、有り得ないくらい技術的に進んでいた物だった。



正面のメインモニターを含め、各所の机にはパソコンが置かれ、映し出されて居るのは、作戦に当たって防犯や味方の様子を写し出す為に、各所に配置されたカメラであった。


 その設置先とは、護衛艦の船体、陸自部隊の車両や自衛隊が持ち込んでいるドローンカメラ等であった。


 その映像に映し出されているのは、レジェンダリア諸島のセイジョン・ローグリア城とファン・ブランク市内の軍港で作業中の自衛隊やアルガス軍の騎士や兵士達である。


 作業や作戦の進捗状況はリアルタイムで随時、やり取りが出きる体制を日シベ合同作戦軍は整えていた。


「戦の概念が覆ると言うか、そう言えばシェスカの祖先が、こんな感じの機械仕掛けの船を乗り回して居たとか言ってたな。」


 かつてこの世界にも機械科学文明を持った国家が転移して来たらしいと言う話が残って居る。


 だが、その先進的な機械科学文明を維持出きずに、没落衰退して行ったらしい事が、交援省が行ったアースティア世界の各国大使からの聞き取り調査で、判明して居た。


 一度、技術や知識を失った文明の再興は、とても難しい物だ。


 虫食いだらけと成った文明国家は、技術や知識の再習得に膨大な時間も掛かるし、資金も掛かる。



 クリスが目にして居る文物は、正にロストテクノロジーの塊と言った物なのである。


「クリス少佐、此方へ・・・・・・・・・・」


 海自の一射の階級を持つ女性隊員が、用意して置いた席へと案内され、別の女性隊員が千棘と瑞樹の案内を担当して居た。



 間も無く最後の作戦会議が行われようとして居た。


 何せ、この作戦に付け焼刃の合同軍である。


 作戦に齟齬が有っては、全軍の生命に関わる事だからだ。


 念には念と用心に越した事は無い。


 置鮎一佐と井上一佐がモニターを切り替えて参加する全ての護衛艦隊と乗船を許可されている友軍士官らは、別室で中継映像を見て居る。


 特にいずもとひゅうが多目的区画には、陸自隊員とアルガス公国軍騎士が、それぞれ乗船して居た。


 いずもの多目的区画には、アセリナ王国聖天使騎士12人とハンナとリナが乗り込んでいた。


 そして、揚陸護衛艦おしか おが まつまえの3艦には、車両と積荷が最低限しか積まれて居ない。


 魔動機兵・ナイト・マギア30機を積む為に、無積載だった為だ。


 しかし、今はアルガス軍が掻き集めた馬車が3隻に、120台ほど積まれて居る。



「それでは、正面モニターを用いて、グリクス地方奇襲作戦に付いての最後の作戦会議を行います。」


「ダバ派遣艦隊の各艦にも、パソコンなどの中継機材を用いての行動会議です。」


 これだけの大所帯だ。


 参加人数と作戦情報の機密の観点から、ギリギリまで作戦内容を伏せられて居る。


 乗船している現地の者達は、身元がハッキリとして居るので、その辺りの心配が無いと思うむが、万が一の為の処置であった。


 この作戦会議の後には、そのまま出港と成り、第一作戦のグリクス地方への奇襲作戦に望むだけと成るのだ。


 それなので、出発したら明日までは、この港には戻って来ないし、次の作戦情報の開示も、作戦決行を決めた直後と成る。



 グリクス地方軍団や帝国地方軍側に、便利な通信装置が無い事を衝いた徹底した機密保持である。



この状態ならば、帝国の間者を警戒しつつも排除する事も出きる一石二鳥と言えるやり方だった。



 この最終内合わせが終わると、いよいよ、作戦開始と成るのだ。




アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月5日・午前9時40分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔南部地域・グリクス地方・ローラーナ帝国・ローラーナ帝国領・グリクス地方州・グリクス市・グリクス港・グリクス地方軍団・ローラーナ帝国軍・グリクス地方軍団官庁舎にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 その日の夕方、グリクス地方軍団の司令官であるガミトフ・バイマン中将はグリクス地方東部戦線管区基地から届いた第一報の報告を受けていた。


「ガミトフ閣下、グリクス地方東部戦線管区基地から第一報の報告が届きました。」


「来たか?読み上げろっ!」


 ガミトフの配下の第一秘書官は、竜騎士の伝令官から届けられた報告書の書状を読み上げた。


「はっ、グリクス地方東部戦線管区を管轄しているバラン・ビルダーク少佐は、アースティア暦 1000年・6月4日・午後15時00分頃。」


「ブラキュリオス湖から東方へ27キロ地点にて、ローラーナ帝国領・グリクス地方州・東部地域区・グリクス地方東部戦線管区所属であるグリクス地方軍団の18・19・20・21・22飛竜航空隊と帝国空軍所属・第9空挺艦隊の空挺戦艦七隻と空挺竜母が五隻を率いて、同地方のパイプ・ライン大河を警戒中にニホン軍艦隊を確認せり。」


「各地方の戦線からの報告と諜報部から情報を合わせた結果、ニホン国なる謎の見確認の新国家は、我がローラーナ帝国と交戦状態に入ったとの規定に当たると判断する。」


「その為、グリクス地方軍団及びガミトフ・バイマン中将閣下の計画されて居るレジェンダリア諸島とアルガス皇国侵攻作戦に著しい支障が出ると予測さる為。」


「先のに述べた理由から、私は二ホン軍艦隊との艦隊決戦を決意する物なりっ!!」


「我がグリクス地方東部戦線管区の艦隊を総力を持って、これらに対処する。」


「それに加え、我が隊がこの戦に措いて、パイプ・ライン大河で暗躍して居るニホン艦隊を意図を探る積もりである。」


「なお、ニホン艦隊は二艦隊で構成されて居るらしく。」


「先発艦隊はブラキュリオス湖で休息中との情報が有り・・・・・とのバラン・ビルダーク少佐からの報告で有ります。」


「ご苦労だった。下がって執務を続けてくれ。」


 第一秘書官は報告を終えると敬礼して立ち去る。



「バランの奴は、ニホン軍の第二艦隊が、この地に来るのは危険と判断したか・・・・・・・・」


「その様ですな。まさか艦隊を二つも編制して来て居るとは・・・・・・・・」


「たった1艦隊であっても、厄介なのは変わり無いがな。」



「そう言う厄介な面倒事は、さっさと片付けたいものですな。」


「全くだ。これではわしの計画に水を差す様な物だ。」


 ガミトフの横には、丸で傭兵業を生業にしている海坊主かタコ坊主と言った感じの丸い眼鏡を掛けた大男であるババロスク・オバム大佐。


 その彼がガミトフが座る席の近くに立って、供に最前線からの報告を聞いて居た。


「閣下、まさかニホン国やシベリナ連合各国に、我々グリクス地方軍団が計画をして居るレジェンダリア諸島侵攻作戦の準備が、漏れて居るとかも知れないとのお考えがあるのですかな?」


「うむ、それは有り得るとは言いたいが、軍事作戦の機密事項の隠蔽は徹底して居る。」



「此方の偵察部隊が幾つか発見され、泳がせ上で、作戦計画や侵攻作戦で捕られた場合の予測がされて居る程度くらいは、有り得るだろう。」


「其れならば、作戦開始を早めますか?」


「いや、中途半端な侵攻計画は返って作戦計画に齟齬が生まれ、その結果も良くない物に成り得る。」


「況してや、今は目の前にニホン軍が何を目的として居るのかは分からぬが、遥々この地へと遠征して来て居るのだ。」


「その数は決して多くは無いが、アルガス公国軍と連携されたら非常に厄介だ。」


「しかし、調べれば調べる程に奴らに関する情報が少な過ぎますな。」


「仕方有るまい。転移国家等と、600年以上昔の史実の話に出て来る程度の国と同等の存在が突如として現れたのだ。」


「新たに出現した新国家であり、付き合いの有るのはユーラシナ大陸の東部地域や東部太平洋地域だけだ。」


「必然的に敵国を解しての情報と帝国東方軍からの情報しかない。」


「存外、我が帝国は、建国以来の初の強敵と戦う可能性すら有るのだ。」


「ニホンは、本土として扱わる4島と周辺海域に点在して居ると言う離島群島からなる小さな島国との情報が有ります。」


「相手を侮る訳では有りませぬが、其処までの警戒する程の相手なのですかな?」


「その実体を知らねば、迂闊な戦略は立てられん。」


「場合によってはこの戦は、少なく見積もっても、我が手持ちの兵の半分は失う覚悟が有るやも知れんぞっ?」


「閣下のその評価、彼の国が、其処までの相手と・・・・・・・・・」


「でなければ、ローラーナ帝国海軍の第一外征艦隊とシドウ・ギワザンを破った説明が付かん。」


「ローラーナ帝国海軍・東洋方面艦隊所属・第120艦隊とアディーレ・グレッサは地方艦隊に過ぎん。」


「ギワザンの奴は、野心家で手柄と出世欲の塊だが、艦隊の規模は帝国の中でも指折りだ。」


「それを数に劣り質だけが高い艦隊だけで、勝てる艦隊を持った国で有ると見て居るのは、帝国内の中で、どれだけ居るのか・・・・・・・・」


「何れにしても、準備が整いませんとな。」


「ああ、あの居毎々しい雷帝の小娘と頭の可笑しな聖天使騎士共が、事有る事にちょっかいを出して居るせいで、わしの侵攻作戦計画が大幅に遅れ続けて居る。」



 この地域は特にリナとハンナの二人が、アセリナ王国軍に依頼されて、定期的に物資を奪取されて居たので、相当な被害額と戦死者が出ている。


 特に感電死と粉微塵に噴き飛ばされていると言う無残で悲惨な最後迎える形での死に方が特に多かった。



特に決め技のサンダースレイブとエクスプロトンバスターの被害者の数は尋常では無なく、そのせいで戦死者が多く出て居るので、死んだ将兵達とガミトフ率いるグリクス地方軍団に取って堪ったものでは無いのであった。




 そのおまけとして、二人の悪名が天下に轟いているのだが・・・・・・・・・・





「今度の輸送部隊は、夜間での運搬と味方駐屯地や城砦の多い地域を経由させて居ます。」


「それに今度は、前より大目の護衛、一部隊に7000人の兵士を付けて居ります。」



「それに加えて、城砦の防備も倍の数にして居ります。」


「だが、決して、油断はするなよ。」


「ははっ!!その辺も含めて、今度は抜かり無く・・・・・・」


「・・・・バランの戦況報告が届くの遅くとも明日か明後日、さぁて、この戦・・・・どう転ろぶ・・・・・・」


 ガミトフは席を立ち上がり、執務室の窓からグリクス市街を見渡す。


 その後、二人はレジェンダリア諸島侵攻作戦計画を更に進めて行く為に話し合うのであった。



 そして、バラン少佐の敗戦が翌日に届く事に、二人を含めたグリクス地方軍団の幹部達は、その事実に驚愕するのであった。

 

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