8話 日本国政府の国家戦略は日本国民の優柔不断な民族性の選択肢で全力で迷走している。2

アースティア暦 1000年・西暦2030年・4月3日・午後11時30分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・関東地方・東京都・千代田区・永田町・総理大臣官邸周辺にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



場面は変わり、戦闘が終わってから数時間が過ぎ去り、時刻はその日の夕方と成った頃の事である。



 日本国内では、第二次世界大戦後以来の戦闘で有り、戦後初の防衛出動でもある。


 日本国内では、それはもう、上へ下への大荒れの大騒ぎと成って居た。


 戦いの全容は、防衛省や海保の保有するドローンのカメラでの生中継形式で放送され、国民全ての知る所と成って居た。


 この英雄的な救出劇と新たな出会いや火種と成った報道を見た国民達は、完璧な法律を巡視した自衛隊の戦いぶりに、多くの人々は賞賛の声を上げて、今回の防衛出動に対して、現政府への支持を表明して居た居る意見が多数を占めていた。



 それでも国会と総理官邸、防衛省の周りには暇人(反戦運動家と団体)が、内閣の解散と総理と防衛大臣の辞任と逮捕、防衛出動に関わった全ての自衛隊員に対して、即時辞職と即時逮捕を訴えた。


 中には裁判所に訴えを起す反戦団体と反戦活動家、反戦弁護士団体も現れた。



 そんな事をした彼らは、これから誰に如何やって、どの様な方法を用いて、自分達の身を守って貰うのだろうか?


 助けられた人々は自衛隊員に感謝をして居るが、助けられた者達に対しての言葉はと言うと、酷い物の代表を上げるとすれば、反戦活動家達からは国民の恥と言われて居た。


 日本は戦争どころか、紛争や自衛行動すらしては行けないと言い。


 戦争するくらいならば、降伏して相手の言い分を聞くべきだとまで言い切っていた。


 戦争に成るのは日本人と日本政府が必ず悪い事をして居て、全ての責任は日本人に有ると言う過激な者まで現れて居る。


 身を守ったり、人を助けに行ったり、戦時のゴタゴタと後処理をする為の国際貢献をする事が、そんなにイケない事で、全てが悪なのだろうか?



「戦争はんたーいっ!!」



「安元総理は辞任して、警察へ出頭しーろーおおおぉぉぉーーーーっっ!!!」



「小西大臣は悪魔の所業をしたああぁぁぁーーーーーっ!!!即刻、警察は逮捕するべきだああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!!」



「平和憲法を守れえええぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」



「被害を受けた国へ平和使節をっ!!」



「政府は、見知らぬ国家とは付き合うなああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!」



「半島国家との国交はんたーいっ!!」



「殺人自衛隊の解散と殺人自衛官を逮捕をおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!!」



「日本は国土売り渡してでも、海戦相手の当事国に謝るべきだあああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!!」



「そうだっ!!そうだあああぁぁぁぁーーーーーっ!!!日本は戦争するから悪い国なんだあああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!!」



「戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!」


「戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!」


「戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!」


「戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!」


「戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!」



 様々な楽器や金属やプラスチック製の物を鳴らしての戦争反対の大合唱。


 これが悲しいかな、日本人の戦後の平和主義の実情だった。


 戦争から目を背け、紛争や領土と領海に資源問題から目を逸らし、問題解決を先送りしながら棚上げをする始末。


 戦後間もない途上国への援助は、モノや人では無くて、お金を渡しさえすれば良いじゃないかと言う。



 世界の争い事は全て他人事で、知らんかをして居れば良いと考える様に成ってしまって居た。


 隣国に幾ら影口と悪口に嫌がらせを受けても、只管に黙って居た。


 2010年代に成って、ようやく防衛や歴史に関する反論をする様には成ったのだが、それでも日本は更なる周りの国々からの嫌がらせを我慢をした。


 日本の反戦運動・・・・・ヘイトスピーチは、どれくらいマトモな運動をして居るのだろうか?


この世界の日本で反戦運動して居る人々の中には、ホームレスや人権差別主義者に失業者が混じって居たのである。


 この姿を異世界の人々が、我が国の現状を見たら、どう言う顔と反応をするだろか?


 誰も国を・・・祖国を・・・思っての発言じゃ無く。


 自分達に迷惑を掛けるな等と自分本位で、身勝手な発言に呆れるかも知れない。



アースティア暦 1000年・西暦2030年・4月3日・午後11時30分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・関東地方・東京都・千代田区・永田町・総理大臣官邸・総理執務室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 安元総理大臣は、その様子を窓からこっそりと覗き、げっそりとした表情で呆れて居た。


 日本と言う国家存亡の危機、もとい・・・地球系転移国家郡の存続の危機と言っても良い。


 他の地球系転移国家は、日本の自衛隊の防衛とあさくら号救出の出来事を称賛し、その行動を称えていた。



「自衛隊の勇気を称える。」



「日本国民の気が知れない。」



「何故、この危機に悠長な事が言えるのだろう?」



「馬鹿なのか?アホなのか?」



「平和ボケも良い所。それどころか、日本人は自国を滅ぼす気か?」




「国土を売り渡す?お人好しが過ぎる。」



「最早、日本の反戦は精神的な民族病レベル。カウンセラーか心療内科の受診を受けるべきだっ!!」



 まぁ、此処まで言われても戦争臆病風と敗戦病と言う病気は治らないだろう。



 安元は、戦闘結果の報告を小西大臣から総理執務室で受けていた。



「殺人罪なんて冗談じゃないっ!!」


「自衛隊と隊員等は、国土と国民を守りに行ったのに、あの連中は、こんな時にまで、一体、何を考えて居るんだっ!!」



「一歩間違えれば、自分達も、どうなるのかを考えないのか?」



「まぁまぁ、お気持ちは分かります。」



「今回ばかりは自衛隊の隊員等も、本当にげんなりとして居るようです。」


「俺も裁判所に訴えられましたが、弁護士を通じて訴えを起した側に名誉棄損で訴え返してやりましたよ。」



「裁判所も検察も馬鹿馬鹿しいと訴えを却下させたらしい。」


「我が国の司法の判断が、マトモなのが唯一の救いだな。話は脱線したが、海戦の結果を聞こうか。」



「はい。今回あさくら号を襲撃と言うか、襲い掛かってきた未承認異世界国家・・・・・・原則の法律的に言えば、武装勢力集団の名は、ローラーナ帝国と言う国家集団の軍隊らしいですね。」


「詳しい聞き取りは後日に成りますが、唯一にして一番の帝政国家である事を自称して居り、この世界では通称、帝国と名乗って居る覇権軍国主義国家の様ですね。」


「それと、交戦した艦隊の最高指揮官である女性が、色々とこの異世界に付いて話してくれて居ますし、それとは逆に彼女の方はと言うと、此方の事や地球世界の事も質問攻めで聞いて来て居ます。」


「当然でしょうね。見た事も聞いた事も無い国とその軍に負けた訳なのですから・・・・・・・・」


「それに帝国は、この世界でも最も多くの国土と属国と国軍を有するらしいですしね。」


「今後の事を考えれば、これ一回切りで武力衝突が終るとは思えません。」



 日本政府は、交戦した帝国の事を法的観点から武装勢力と呼んでいた。


 その理由として、国交を持って居ない事と未承認国家である事と異世界に来てしまい。



 まだ、何所とも国交が無いのが主な理由である。



「見知らぬ国家にコテンパンにやられてはな、無理もないだろうな。そう言えば、もう1カ国の艦隊が在ったな。」




「ええ、それが問題なんです。1カ国は我が国と紛争を起こしました。」


「ですが、もう1カ国は我が国のフェリーを助けて居ます。」


「そして、そのもう一カ国の艦隊らは、この戦闘で多くの捕虜を捕らえて居ます。」


「本来なら近隣の国に仲介を通じて、捕虜返還と損害賠償を求めたりするんですが・・・・・・・」


「何でもフェリーを助けた国、コヨミ皇国と言うんですが、そのコヨミ皇国の暦紅葉皇女殿下の話では、この世界は世界大戦の真っ最中とか。」



「はぁ!?世界大戦真っ最中?」



「はい、それも600年近く帝国が周辺国へと戦争を仕掛け続けて居るらしいとの事です。」


「詳しい事は今も聞き取り中ですが、福岡市に着きしだい、この異世界の情勢に付いて聞き出す積りです。」


「ですので、外務省からも人員の派遣をお願いします。」


「何とも凄いスケールの大きい話だな。」


「地球では、長く戦争を行ったとしても近代では8年から10数年。昔なら精々100年くらい戦争するがやっとだろうに。」


「それを世界規模で、やるとはな・・・・・・・・」



「想像も付かない話ですね。丸で映画や小説の世界の話です。」



「ともかく、帝国の捕虜とその皇女様らの御一行は、丁重に福岡市にお連れしてくれ。」


「捕虜に付いても、瀬戸内にある無人の集落と化した離島が幾つか在る。」


「今は其処を整備して収容所にしようと考えて居る。」


「それと皇女様との面会に関しては、外務大臣の諏訪部には話を通して置く。」


「しかし、面倒な事に成るのは目に見えるなぁ・・・・・・」



「それもそうですね。」



「これで我が国は、本格的な戦争に巻き込まれるのは半分確定して居る様な物ですし、帝国はブライドが高そうだと現場の自衛官が聴取で聞き出して居ます。」


「それなのに・・・・・・・・・・・・・・・・・」



「ああ、肝心の国内と国民の一部が、アレじゃなぁ・・・・・・」



 外に目をやると・・・・・・・・・・・・・・・・・



「戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!」






「総理を辞めろっ!!内閣解散っ!!自衛隊解散っ!!責任者逮捕っ!!異世界外交するなぁっ!!!」



「戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!」



「総理を辞めろっ!!内閣解散っ!!自衛隊解散っ!!責任者逮捕っ!!異世界外交するなぁっ!!!」



 ラップ風に反対の歌を歌って居る活動家達。


 この状態が官庁街周辺で行われ、地方では県庁と陸海空の自衛隊の施設周辺でデモが行われて居た。


 彼らの多くは今回の転移災害で職を失った人々だった。


 他にも不安に駆られた人やヘイト活動を普段からして居る活動家が居る(政府批判をして居る各種活動家が混じって居る)



 日本が如何に戦争アレルギーに満ち溢れているかを物語って居る。


 こんな状態で異世界大戦等にでも巻き込まれたりしたらと思うとゾッとする安元達である。



「本当に国民は、この国を・・・・日本をどう思って居るのだろうか・・・・今までは、先送りに出来る事がある程度は許されたが、今度はがりはそうは行かないぞっ!!!」


「帝国は格下の軍隊を持つ大国だが、相当な兵力が有るらしい。」


「かつて朝鮮戦争時代にアメリカ軍が人民解放軍の大兵力に苦しめられたのを知って居たり、覚えて居るのは、どれ位だろうか?」



「多分。彼らは何も考えてはいないでしょうね。迷惑だから、不安なんだ、巻き込まれたくない。」


「どんな国でも民族でも世界でも話し合いは出きるとね。」


「ですが、現実はそうはいかない。気に入らなければ攻撃するし、都合が悪ければ交渉のテーブルには着きたくない。」


「持って居なければ、強盗してでも奪うのが当たり前だと言い切るのが、強権を持った国家や組織です。」


「帝国は覇権国家、民主主義が基本として大半を占める我々の勢力とは相容れないでしょう。」




「兎に角だっ!!講和を含めた模索と周辺国の調査、それに周辺国と国交を結ぶ事が最優先にしなければな。」



「それに丁度良い相手も来て居る。この好機を逃すものかっ!!」


 

 戦時下の一歩手前でもこんな有様である。



 とある世界の国々を擬人化した漫画に、日本を例える言葉がある。「ああ、結局、何も決められない決まらない。」とね。


 昔から纏まろうとすると揉めて物別れに成りそうになり、このままでは国が危ないと感じた時だけ決められるのが日本である。



 ギリギリに成らないと決められない、決まらない。



 日本の特撮ヒーローの如くピンチに成らないと強くなれない国家、それが我が国の現状だったりする。



 そんな残念な国家日本の決断は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!」



「戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!」



「戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!」



「戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!」



「戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!」



「戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!」



「戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたーいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!戦争はんたいっ!!」




「本当に大丈夫なのか?我が国は・・・・・・・・・・・・」



 安元は官邸の外の大きな訴えにウンザリと言う感じで、日本の将来に不安を感じずには居られないのであった。


 そんな姿こそ、平和主義憲法教とその信者達が、平和一番、戦争はんたーいっ!!と・・・・お経を唱える続ける悲しい平和主義国家日本の現時点での悲しき姿だった。


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