1話 接触 交差する海域 1

西暦22××年・×月○日・午後18時00分・群馬県・霧野市・堤野町・渡瀬川沿い・高見山・高見家・高見家屋敷・本館棟屋敷にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 西暦2030年、その年の3月末日、日本国は地球から異世界アースティアに、時空間転移をした。


 それから200年以上もの月日が流れた西暦22××年の現在は、日本が転移して間もない頃に比べて平穏な日々が続いて居た。


 且つて戦乱の真っ只中だったアースティア世界は、当時の人々のたゆまぬ努力と尽力。


 そして・・・・・とある青年と1国の姫、その親友達に由って、たくさんの苦悩と苦労の末に、平和な時代を齎してくれて居た。


 日本国公共放送協会、略してJHKが、日本国から見れば異世界アースティアと呼んで居た時代。


 その異世界で巻き起こって居た大規模な異世界大戦であるアースティア大戦から戦後200年が経ったと言う事で、特集プロジェクトが組まれて居た。


 以下の番組が合同で終戦日に併せて、4時間の生放送を三日間の連族放送される予定であった。


・歴史の瞬間、その時が動いた。


・英傑達の選択


・ファミリーヒストリア



 撮影場所には、そのアースティア大戦当時に措いて、大いに貢献した英傑達が、晩年を過ごした場所として知られて居る地で、旧名は丸山と言う川沿いに在る小高い山。


今現在は高見山と呼ばれ、日本国・群馬県・霧野市の重要指定史跡に成っている高見家屋敷で行われる。


 撮影が行われるのは、高見山中央の中腹に在る高見家本邸・本館棟屋敷と呼ばれる建物内の食堂広間で行われる事に成っていた。


 その番組出演者には、それぞれの番組でメイン出演者である解説者司会者達が呼ばれて居た。



 歴史研究家で京都大学教授を務める磯野道隆。



  京都大学の博士号を持つ歴史研究家で、あらゆる時代に精通して居る人物で、英傑達の選択の解説コメンティターである同時に、彼の出演番組である英傑達の選択の司会解説者の1人。





JHKアナウンサーの井上朝美。


 JHKの歴史関係を担当している人気番組のアナウンサーで、歴史の瞬間、その時が動いたではメイン司会者を務め。


 英傑達の選択やファミリーヒストリア等でアシスタント司会者として出演をして居るアナウンサーでもある。


 




タレントの明日田高次。


 手芸能事務所会社である幸本興行株式会社に所属する人気タレントで、ファミリーヒストリアのメイン司会で、毎回著名人のルーツを調べて本人に報告をし、視聴者に伝えると言う番組の司会をしている。



 午後6時丁度に成ると、番組のスタート準備が整うと番組スタッフが慌しく動き回り、出演者達の身嗜みのチェックや進行予定表の確認が終わると、いよいよ本番である。


「本番入りまーす。」


「本番っ!!五秒前っ!!4・3・2・1・ハイっ!スタートっ!!!」


 番組が始まるとJHKアナウンサーの井上朝美が挨拶をし、番組をスタートさせる。


 井上は歴史の瞬間、その時が動いたのメインの司会者でもある。


「こんばんわ、JHK特別放送、特集実録アースティア大戦とは?の時間と成りました。」


「この番組は先のアースティア大戦から戦後200年を迎える今年、今一度、あの日々を振り返ろうと言うものですね。磯野さん。」


 JHKアナウンサーの井上は隣にいる歴史研究家の磯野道隆に話題を振りつつ、番組を進行して行く。


 磯野は京都の大学の博士号を持つ歴史研究家で、あらゆる時代に精通している人物である。彼は英傑達の選択の解説コメンティターでもある。


 この番組の司会をしている井上朝美は、磯野の出演番組である英傑達の選択の司会者であり、共に番組を盛り上げいる事で知られていた。


「ええ、アースティア大戦は、地球史時代の第二次大戦後の日本を襲った究極の国家存亡危機ですね。」


「時空転移、国家経済破綻危機、異世界大戦と様々な受難な日々な訳でして、あれを如何にかしなければと言う中で、数々の偶然と出会いや奇跡を起こす人物達が次々と登場して行く訳ですね~。」


「今日の番組で最初にご紹介するのは、アースティア大戦の主な出来事で活躍し、その時代を切り開いた主役と言う人物は、この二人ですっ!!」


 出演者らの背後に立体映像装置で等身大の古ぼけたカラー写真が投影されていた。


 その写真には、赤と白の巫女服風の着物姿の女性と20代前後くらいのバツとしない感じの青年の姿が写しだされて居た。

 


「今回の特集はアースティア大戦を終戦に導いた人物である初代異世界国家交流総合支援省大臣の高見竜史とコヨミ皇国第一皇女・暦紅葉の二人と、その仲間達を中心にして、特集して参りたい思います。」


「後ほど、この二人に協力して居た人達も登場しますのでお楽しみにして下さい。」


「さて、明日田さんは、現在番組の為にお借りして居る。この場所の持ち主である高見家のルーツに付いて色々と見聞きされましたが、その歴史は如何でしたか?」


 タレントの明日田はファミリーヒストリアのメイン司会で、毎回著名人のルーツを調べて本人に報告をし、視聴者に伝えると言う番組の司会をしている。



「私もですね、こんな出来事がその昔に、実際に有った出来事なのかと、非常にですねぇ、驚きましたよ。」


「丸で映画や小説の様と言うよりも、どちらかと言うとアニメやゲームの世界だよねって、感じでしたね。」


「さて、そんな彼らの軌跡を辿る話の前に、此処で最初のゲストのお迎えしたいと思います。」


「本日のスタジオとしてお借りして居ります、高見家屋敷。その高見家の現当主であり、この世界でも有数大総合会社でもある高見総合商事グループ社長にして、現日本国総理大臣である高見竜一郎さんにご登場して頂きます。」


 撮影の見学者達のたくさんの拍手が巻き起こる中を40代半ばくらいの優しそうな顔立ちの男が出演者達の下へと入って来た。


 撮影見学会の席は、本館屋敷の南に位置する食堂広間から広がる庭先にテント併設させて席を設けていた。


 竜一郎は食堂広間の東側に在る客室広間の方から現れた。


「国民の皆さん。こんばんは、高見竜一郎です。今夜から3日間、宜しくお願いします。」


「今日は総理とお呼びしたら良いんでしょうかね?」


 タレントの明日田が冗談で竜一郎を揶揄う。


「今の時間は、取り敢えずオフなので、名前で構いまいせん。この撮影は公務では無いので・・・・・・・」


「今日は竜一郎さんの曾おじいさんのお話ですからね。」と井上朝美がアシスタント司会者として、補足説明をする。


「ええ、曽祖父は、自分が戦争を終わらせるべく、好き放題な形で終わらせたアースティア大戦の終結までの日々の出来事を世間に遠慮して、自分の功績を自慢したり、誇ったり、言い触らしたりする事を嫌って居ましたからね。」


「今では教科書にすら殆んど取り上げたりは・・・されませんね。磯田先生からどんな話が飛び出すのやらと、非常に楽しみですし、我が家にしか伝わっていない話もご紹介出来たらなと思っています。 」


「重ねて申し上げて置きたいのですが、今回、この番組に政府と私個人は、取材協力以外では一切関わって居ませんので。」


「そうなんです。今回はJHK独自の取材に由る特別特集番組なんです。巷では、次の選挙や高見さんの総理としての宣伝なんて言われて居ますが、本当に偶々何ですね。」


「この話は私が総理に成る前からJHKさんから持って来られた話なんですよ。」



 そう、この番組が企画され、協力を求められた時は、竜一郎は自国党の一介の議員の一人に過ぎなかった。


 番組の生放映と言う話が宣伝され始めると、世間からは現内閣の喧伝だとか、次回の選挙宣伝だとか言われ、邪推されているが、本当に関係無いのである。


「2年前に企画され、一年前から高見家とその親族や戦時中に関わりを持った知人友人の子孫の家々等に対して、念入りな取材が決まり、ようやく本番を迎えたと言う訳です。」


「まぁ、世間は著名人の噂を面白おかしく語るのは、何時の時代でも同じですね。」


「ああ、それとエリン様ことは残念でした。」とメイン司会者である磯野は、この番組が始まる半月程前に亡くなったと言うドラグリア白龍大帝国の先代白龍大帝であるエリノア・ホワイト・ドラグリアと言う人物の事に付いて触れて居た。 



 通称はエリンと呼ばれた白竜人族の皇族で、アースティア大戦では、竜一郎の曽祖父である高見竜史と共に戦い抜いた人物として知られ、晩年は大帝の座を妹セレノア・ホワイト・ドラグリアに位を譲って、霧野市内の高見山・高見家敷地北東部に在る白龍庵荘に隠居生活を送って、約4代に渡って高見竜史の子孫達の面倒をよく見て居た。


 白龍庵荘とは、アースティア大戦当時に建てられたエリンの別荘で、何かと理由を付けては遊びに来ていた。


 その近くには白峰神社が在り、渡瀬川沿いを含めて多くの色龍族や色竜人族達が訪れる事から、龍神神社とも呼ばれる様に成って居た。 


 そのエリンはアースティア大戦当時を知る・・・・いや、当時の最前線を見聞きしていた事を知る最後の人物と言われて居た。


 そんなエリンが特集実録アースティア大戦とは?の制作監修の為に協力をお願いされ、昔語りをしてくれて居たが、これが最後の昔語りと成ろうとは、司会者を始め、番組スタッフ達も感慨深い物を感じてしまうのであった。


 葬儀は、エリンの孫に当たる高見ドラグリア家の当主であるカリン・ホワイト・ドラグリアに由って取り仕切られ、数千人もの参列者が駆け付けて来たと言う。



「いえいえ、エリンお祖母さんも、あの日の日々を語れるだけと語り切ってくれました。」


「彼女も本望でしたてじょうし、亡くなる直前に、やっとみんなに会える呟いて居た事が思い起こされますね・・・・・」と締め括られた。




「それでは、高見さん。VTRのコールをお願いします。」と井上アナウンサーが、VTRのコールをと竜一郎に求めた。



「はい。それでVTRをどうぞっ!!」



 竜一郎の一言でカメラは一旦、古ぼけた写真がたくさん飾られた場所へと移る。


 其処には、大戦時に活躍したと言う高見家に関わる高見家の家族写真に加え、竜史に関わる数多くの女性達や歴史上の著名人が写り込んで居た。


 中には竜史を中心にして、大勢の親族で写した集合家族写真も有った。


 其処に移る女性達の姿は、とても幸せそうに笑顔で立って居る姿が有った。


 その後、場面は変わり、著名な俳優である坂重徹と言う人物が語るナレーションの解説が入り、再現ドラマや実際の映像が入ったVTRが流れ始めた。


 それでは始めよう。1人の青年と出会った女性達と供に戦いった、あの日々の事を・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







 西暦2030年・3月末・日本国・群馬県・霧野市・高見家にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 



 群馬県東毛地域に位置して居る霧野市は、かつては絹織物の一大生産地であった。


 古くは奈良時代に都から白百合姫と言う貴族の姫を見初めた若者が、様々な苦労を重ねた末に姫を故郷へと連れ帰り、姫が手習いで覚えたと言う織物の技術と知識を広めたと言う伝承がある。



 また戦国時代の関ヶ原の戦い措いて、会津を治めている上杉景勝を討伐するべく小山に陣を敷いた東軍の総大将である徳川家康が、軍旗の布地が足りないと霧野の町に大量に発注したと言う記録が残って居る。


 それが元で江戸時代入ると、霧野の土地は幕府直轄の天領に指定され、霧野織と呼ばれて珍重されて行き、京の西陣と並ぶ名産品へと成長する。


 明治の頃には生糸生産が盛んに行われ、この地で生まれたとある企業家が渡米して絹糸を売り込んで大成功を収めたと言う話も残っている。


 そんな地方都市に、ありがちなマイナーな歴史が多く有るこの町に生まれた青年がいた。


「それじゃ、母さん行って来るよ。」


「本当に竜史は、勿体無い事をするわね。」


「別に良いじゃない。暫らくは遠出なんて出来ないんだから。」



典型的な地方都市の一つに霧野市に生まれた高見竜史は、この年の3月に、地元の小さな高卒資格が取れる専門学校を卒業したばかりであった。


 卒業後の進路は、バイトを斡旋してくれていた派遣会社の所長に勧誘されて、そのまま地元の自動車部品工場として有名な大倉クラッチに派遣社員として就職と成っていた。



時は2030年、未だに日本は横ばいの経済成長率である。


 平成時代の頃から不景気という言葉が定着して随分と経ったこの時代。


 当然ながら学力や体力など、総合力に乏しい人材に行き場は少ない。


 小中学校での酷い虐めに在って居た彼は、人生に早くから失望していた。


 そんな彼は何時しか自分の人生は自分だけが楽しく有れば良いと考えていた。


 詰まり、人生の終着点まで無難に生きられば、良い人生と思う様に成って居たのだった。



当然ながら彼には、友達も少なく自分の趣味に没頭する毎日を送る日々。


 結婚どころか彼女なんて物は贅沢な存在で、自分の下に現れる筈が永遠に無いとも思っていた。


 リア充死ねとまで言わないが、幼い頃に一緒だった同級生等は成功の道へと歩んで居ると言う話を稀に伝え聞く噂で聞いて居た。


 これは努力が足りないとか、何もしないのが悪いとか言うのでは無い。


 誰しも有り得るし、誰しも有り得ないかもしれない競争の壁、生まれついての能力差。


 努力すれば必ず良い事がと言う言葉は美しいが、世の中には見えない壁は確かに在るのだ。



その彼は高校3年間で貯めたバイト代で卒業旅行に出掛けるのである。


 彼にとってチョッとしたプチ贅沢の積もりだった。


 そう、この何気ない思い付きの旅行が、彼の運命を一変させ、高見家を歴史の表舞台に立たせ、その子孫達は各方面に偉人を生み、その中には総理大臣を輩出すると言う中興の祖と成ってしまうのである。


 彼は今、そんな未知なる日々へと続くであろ旅路へと船出する事に成ろうとは、夢にも思って居ないだろう。



「じゃあね。」



自宅の玄関から出て行く息子を見送る母は、まさか、自分の息子があんな事件に巻き込まれ、やがてはこの家を賑やかにしてくれる女の子達を連れて帰って来る事になり、この時代の歴史書の最初の一ページを飾ろうとは、露程にも思って居なかったのである。



「本当に自由と言うか、勝手と言うか。まぁ、あの子に期待なんてしても何もできないだろし、精々土産でも期待するだけね。」



竜史の父は吉川組と言う地元でも大きな建設会社で、トラック運搬の仕事をして働いて居る。


 今日も資材運搬の仕事で朝早くから家には居ない。


 暫らくは静かな日々が続くと竜史の母は気楽だと想いつつ、霧野市外近郊に在る弁当工場での夜勤に備えて寝る準備をするのであった。


 高見家の自宅は、市内に流れる渡瀬川の近くにある丸山と言う戦国時代に砦も在った山の麓近くにある。近くには白峰神社と言う神社が在った。


 竜史は、その神社に見送られながら、親のお下がりの三葉自動車製のミニワゴンと言う車種の軽自動車を走らせ、市内の渡瀬川に架る霧野大橋を越えて、近郊近くに在る高速道路である北関東自動車道を通って、関越自動車道で東京を経由して東名高速で東海地方に向かう。



彼の旅行の目的は、趣味の一つである戦国時代の史跡巡りする為である。


 その主な目的地はと言うと、著名な合戦場と城を見て回る事にあった。


 浜松城と井伊谷に三方ヶ原、長篠城、設楽ヶ原、岡崎城を廻り、小牧山城と犬山城、小牧・長久手の古戦場、岐阜城を2日かけて巡った。


 翌三日は大垣城と菩提山城と竹中家の関連史跡を見ながら関ヶ原方面へと向う。


 じっくりと各戦線の陣地見て周りつつ、滋賀県・彦根市内で一泊した。


 続く4日目は、彦根城と佐和山城跡と大津城跡、安土城を見る。


 其処から滋賀県を北上して、姉川古戦場と小谷城跡を見て、賤ヶ岳の戦いの跡地を見てから、福井へと向うと、福井市内でこの日の探索を終える。


 翌日は一乗谷を見た後、金ヶ崎周辺を探索。


 そして、その近くの港から新潟へと向うのであった。


3月末日、日程の半分以上を終えた竜史は、定期船フェリー、あさくら号に車ごと乗船し、短い船旅を楽しんでいた。


 明日は母が定期休日なのを知っていた竜史は、深夜0時なる前に、数日振りに母と連絡を取って居たのである。


「母さん、久し振り。」



「久し振りって程でも無いでしょ?」



「あと3日くらいしたら帰えるから。」



「はいはい、気・・・を・・・・付け・・・なさ・・い・・・よ。」



「あれ? 良く聞えないよ。」



「な・に? こっち・・・も・・・良く・・聞こえ・・・・・・・・・・・」



「あれ?切れちゃったよ?」


「幾らなんでも陸からそんなに離れていないの所なのに、変だな?」


「この付近で電波状況が悪いなんて有り得ない筈なんだけど・・・・・・・・」



「あれ? 外が騒がしいな。」



そして、その時が訪れたのである。


 午前零時を過ぎる頃、空がまるで昼間の様に光輝やいて居て、その光景は極地にしか現れない筈のオーロラが見えていた。


「見てっ!オーロラよっ!」と誰が叫ぶ。


「綺麗ね・・・・・・」


「でもさ、変じゃねっ?」


「何でよ?」


「オーロラは極地でもないと見られない現象だからだ。」


「じゃ、今だけ特別に変わって居る事が見られたってだけでしょう?」


「そんなバカなっ!有り得ないよ。」



 竜史は周りの乗客が騒ぎ立ているのを見て、自身もデッキ出て見ると、空と海が輝いており、それは彼が様々なテレビ番組や映画でも見た事も無い光景だった



「これは・・・・・・・一体・・・・・何が起こって居るんだ?」



その直後である。定期船フェリーあさくら号に突如として巨大な地震が襲ったのである。


「「「「「わあああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!」」」」」


「「「「「きゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」」」」」



 乗客たちの悲鳴の叫び声が船内や甲板上に木霊する。



「この揺れは・・・普通じゃないぞ! 船の上でこんなにも激しく揺れを起すなんて聞いた事もない。周りは波が起きてる訳でもない。それに風も吹いて居ないのに・・・・変だ・・・・・・・・・・・」



 そして、次に竜史が見た光景は驚くべき物であった。




「波やカモメが静止しているだと・・・・と言う事は・・・・・・・」




彼は持っていたスマホに目をやるとディスプレイ画面のトップが、表示したままの静止状態に有った。


 そして・・・・・・・・・次の瞬間である。




「くっ、もしかして・・・・これって・・・・・・・アニメなんかで良くあるネタ・・・・・・・次元震動地震?」



「はっ?!くっ!!くそっ!!身体が動かないっ!!」




竜史はアニメ等のオタク趣味である為、SFモノやファンタジーモノで定番的な現象の一つである次元転移現象に付いての関する知識を専門家でもないのに、ある程度の簡単な知識だけを知って居たのであった。


 彼は科学者では無いが、アニメやゲームを始めとする作品群の中で、今の状況と合致するシーンを思い起こして居た。



「そう言えば、5年前から世界中で島や軍艦、国家が消えてるってニュースやワイドショーで報道されてったっけ?」


「そっ、それじゃ、僕もこのまま・・・母さん、ゴメン・・もう、会えない・・・・・・・・・・・・・・・」




竜史は家族と二度と会えないと、この時に覚悟したのであった。


 周りでは硬直して動けない人々が恐怖の余りに、声だけ聞えて来ており、叫び声のみが辺りに響いて居た。


 そして、船は眩い光が閃光して、光輝いて行き、その姿を日本海の海から忽然と姿を消えて行ったのである。



 これが竜史の波乱に満ちた日々始まりである。



 竜史と彼女達の戦い日々が此処から始まる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






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