天空の標

作者 蜜柑桜

目の前に世界が広がる。そこに手が届く。

  • ★★★ Excellent!!!

異世界ファンタジーというと、なんとなく中世あたりのヨーロッパを崩したようなものを想像しませんか。

物語も、それを前提にするすると進んで、読み手はなんとなくどこかで見たイメージで補完して。

違うんですね。行き届いた描写と、決して過度ではない細やかな舞台装置をひとつひとつ拾い上げていけば、こんなに鮮やかに世界を描けるんですね。

始まりから終わりまで、私はちゃんとこの世界にお邪魔しました。ずっと映像のようにこの世界が見えていて。それだけじゃない。音が聞こえるんです。

古文書の文章。そこに書かれたこの世界の詩。荒れ狂う波の描写。そしてクライマックス……。

文章を通して、世界の音が聞こえてくる。本当に素晴らしいんです。


もちろん描写だけじゃない!キャラクターも個性溢れて皆生きていて。カエルムの人たらしな面など、私は大変気に入っておりまして。あとスピカ可愛い。めんこい。

全て読み終わると、冒頭『旅のはじまり』がぐっと来ます。

腰を据えてじっくり浸るべき作品です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

その他のおすすめレビュー

水凪 らせんさんの他のおすすめレビュー 299