◇2019.10.26◇(晴)◇

 これは明日のわたしへの手紙。


 今日は息子達も一緒に実家泊り。

 じいちゃんと、さっきまで話していたよ。


 この前、電話で久しぶりに長く話した。

 その時、思ったの。

 ああ、わたし達は本当に不器用な父娘おやこなんだなぁって。

 そうして、似たもの同士なんだなぁって。


 弱みを見せることは恥みたいな気がして、人に甘えるのが下手で……。

 その癖、情が人一倍深くて。


 今日も賑やかな食卓で、あれやこれやと話した後、お茶飲みながら、じいちゃんと二人、亡くなった ばあちゃん大ばあちゃん祖母の話、わたしの亡夫の想い出話に、それからこれからの生活のこととか。


 じいちゃんも足が悪い上に、ばあちゃんが亡くなってから自分の病気もわかって、本当に医療費問題では頭が痛い。


 それでも、こうして色々話せるようになったことは良かったと思う。

 いつからか出来ていた変な壁のようなものが取り払われた気がする。


 きっかけは小さな感情の行き違いでもこじれてしまえばお互いに意固地になる。


 だけど、歩み寄って話してみれば親子だもの。


 じいちゃんもきっと話したかったし、話を聞いて欲しかったんだ。

 昔気質の頑固なプライドが邪魔していただけで。


 ねぇ、明日のわたし。

 人間ひとって難しいけど、単純でもあるよね。

 そこがきっと、人間ひとの涙ぐみたくなるほど愛おしいところ。


 ああ、だから、いい顔して笑って、って、今日も言いたいなって思うの。


 明日のわたしへ。

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