don't think,feel. -キャラクターの心情描写-


ヤ「あーあ、どうしよ・・・・・・。これじゃない、でもああだと辻褄や設定がなぁ・・・・・・」


ファ「なにやらお困りのようだね。手助けが必要かい?」


ヤ「ファンタジーさん・・・・・・、いやね、どうにも上手くいかないんだ。どんなに書いても、読者に“心が籠ってない、キャラがキャラらしくない”って言われるんだ。・・・・・・そんなこと言われても結局は“物語”なんだから、全部嘘で、ただの自己満足に過ぎないじゃないか。心を込めるなんて言われてもわからないよ。・・・・・・ねえファンタジーさん、僕、物書くのに向いてないのかなぁ・・・・・・」


ファ「はっはっは、そんなことはないさ。・・・・・・ただどうやらきみは、どうやらファンタジーが足りていないように見えるよ。もっと本を読んだほうがいい」


ヤ「ファンタジー!? はっ、そんなものが何の役に立つって言うんだ!! リアリティーなんかを入れても、どうせ人の気持ちなんてわかんないんだよ! ああそうさ! 他人の気持ちなんて理解できるわけがないんだ!!! 大体本を読めってなにさ! 転スラにこのすばにリゼロ、人間失格に北欧神話! 流行りのラノベから有名なの、ネタになる伝記なんかは腐るほど読んで頑張ってきたんだ! ・・・・・・なのになんで、そんなこと言うんだよ・・・・・・ッ」


ファ「あー、わかっちゃいない、全然わかっちゃいないな。まあ言うより感じた方が早いか。きみきみ、京アニの“AIR”は見たことあるよね?」


ヤ「当然じゃないですか、あんな名作見てないほうが・・・・・・」


言うが早いか、ファンタジーはヤマくんの耳にイヤホンを突っ込みました。すぐさま聞こえてくる“鳥の唄”。唐突な挙動に戸惑いながらも、ヤマくんは聞き入ってしまいました。


ファ「・・・・・・で、今聞いた曲どうだった? きみはなにも、感じなかったのかい?」


ヤ「・・・・・・いいえ。頭の後ろからジワッと溢れた何かが側頭部を伝って、同時に背中から腰へ、肩から中指にかけて波のように暖かい怖気が走りましたけど・・・・・・かといって、それがどうしたんです?」


ファ「なら話は簡単だ、“それ”が魂・・・・・・ファンタジーだ。・・・・・・きみはさっき“面白い”、“有名”な物を読んだといったよね。でもだからといって、それにファンタジーが籠っているとは限らない。ファンタジーが籠っている作品は間違いなく名作だけど、名作に必ずファンタジーが籠っているとは限らない」


ヤ「・・・・・・?」


ファ「わからない、と言った顔だね。じゃあもっとわかりやすく言おうか。きみは“人の気持ちなんてわかるわけない”と、そう言ったね。・・・・・・しかし本に、文章に不可能は無い。自分の思想や倫理、その全てを伝えることができる。

 ・・・・・・そうすると当然、数あるクリエイターの中からもファンタジーを込め始める作家が現れる。金儲けや承認欲求、“作家になる・売れる”ことを人生のゴールにするような輩じゃない。 自分はこれが好きだ、これしか書きたくない、この気持ちをみんなに知ってほしい、・・・・・・これを書くためなら、。意識して、もしくは無意識のうちにファンタジーを書き出す作家バカが出てくる。

・・・・・・そしてここで大事なのは、文章の才能や奇抜な発想なんかは人を選ぶが、ファンタジーは人を選ばない、ということだ。―神絵師の腕を喰えば絵が上手くなる、そんな噂が絵描きの間にはあるが、作家はファンタジーのある作品を食らえば、その成長速度はともかく、必ず育っていくものなんだよ」


ヤ「で、でも・・・・・・そんなこと言われたって、何を読んで何を見ればいいかなんてぼくは・・・・・・」


ファ「はっはっは、ぼくがいるだろう。教えてあげるよ、きみに、世界ファンタジーを。・・・・・・そう、物語じゃない、世界だ。そしてきみはカメラマンだ。心のレンズに映った美しい情景を、描き出すのが我々作家というわけさ。」


ヤ「・・・・・・? ???」


ファ「大丈夫、きみの心のファンタジーが大きくなれば、すぐにわかるようになるさ。・・・・・・さあ、魂を感じに行こう。ひとまずぱっと思いついた重要なものだけ、下に記しておいた。まあ言わずもがなのもあるが、それだけ大事な作品だということだ」


ラノベ。(アニメでは表現できる限度があるので、絶対に“読む”こと)


「生徒会の一存」ランク:S ハーレム物を書きたかったら、最低限目は通すこと。曜日シリーズも忘れずに。「新生徒会の一存:下」まで読めば、杉崎鍵の在り方がよく分かる。これ以上の“主人公”は、これからは出てこない。

ラブ“コメディ”を書くことに関しては、葵せきなの右に出る者は居ないだろう。


「とある魔術の禁書目録」ランク:S 圧殺的な設定の濃さから成るシリアス度、時折挟むギャグも秀逸。新約9巻はいわば「総集編」。“ヒーロー”とは何か。その答えがこちら。


「涼宮ハルヒの憂鬱」ランク:SS たった十巻で二千万部、誰もが知る伝説。“普通”の高校生が巻き込まれた、“普通じゃない”冒険。正直始めは厳しいかもだが、4巻の「消失」までは必ず読むこと。本当が嘘に変わる瞬間を、ご覧あれ。


「ゼロの使い魔」ランク:SSS (以下の評価に私情は挟んでおりません)

上記の黄金世代の中でも、ヒロインのルイズは「史上最強のツンデレ」と呼ばれ、釘宮病の発生源でもあり、イギリスの国旗になったり、異世界系の原点、めぐみんのエクスプロージョンはルイズのパクリとされる噂や、角川MF公式に「原点にして頂点」と言わしめる。https://kakuyomu.jp/works/1177354054880250209

(あれ? それじゃリゼロは・・・・・・げふんげふん)

・・・・・・などなど、話題には事欠かない。

作風は実に多才で、ラブコメ・ギャグ・世界観・シリアス、全てにおいてもはや完成していると言っても良く、読み込みさえすれば、これ1シリーズで実に9割ものファンタジーを補うことが可能。

「自分の生きがいになった」「自分の人生が変わった」・・・・・・そんな作品はよく聞くが、のはこの作品だけだろう。近付きすぎれば呑まれる、まさに“魔”本。読み込みすぎには十二分に注意するべし。


「狼と香辛料」ランク:A+(ケモナーにはバフがかかるのでS級)

 とある土地神と行商人のお話。中世の貨幣や暮らしや流通を、これほどまでに鮮やかに書き上げるその手腕は絶品。その間を縫うように繰り広げられる恋愛はラブコメ、というよりもはや純愛。ボーイ・ミーツ・ガールに飽き飽きしてきたら読み頃。


ゲーム。


fate・月姫シリーズ ランク:SS+ 

一人の男の才能を世界に伝えるために、会社を作る友人がいた。

その友人の期待に応え、男はテキストを書いた。いまや世界一売れてるゲームだ。

・・・・・・さて。これをアニメで満足してしまうのは、あまりに勿体無いと思わんかね?


「ロマサガシリーズ」ランク:A+ 

フリーシナリオの為に少しランクが下がるが、独特の世界設定、キャラクター性、圧殺的なネーミング、公式の中世風で線の細く鮮やかなイラスト、テンションが上がるBGMなど鑑みれば紛れもないS級。王位継承とか、新宿→クジンシー とか何だねこのロマン設定やネーミングセンス。1も名作だが何より2,3がオススメだ。


「ライブアライブ」ランク:S

ロマサガやFFに紛れている、“自称:隠れた名作”。幕末編のキャラデザは名探偵コナンの青山剛昌、ボス戦曲の「MEGAROMANIA」は、undertaleの「MEGAROVANIA」の元・・・・・・これだけ言えば、製作陣の熱意が分かるはずだ。特に中世編のシナリオは目を剥くこと間違いなし。


「ざくざくアクターズ」ランク:SS(完全無料)

率直に言うと、一番面白い作品。

「個人製作」の「フリーソフト」だからこそ、その面白さは計り知れない。金も名声もいらない、この想いを受け取ってくれ、と言わんばかりの長編シナリオは、プレイヤーの心を震わせる。作者は雪乃編までプレイしてくれと言うが、正直私は異世界編までプレイしてもらいたいと思う。あそこまで遊んで「面白くない」と言える人間がいたら、逆にお目にかかりたいね。本当に。

無料なのでURLを張ろう。

https://www.vector.co.jp/soft/winnt/game/se508809.html(ソフト本体)

https://tkool.jp/support/download/rpgvxace/rtp(必要パッケージ。共に無料でダウンロード)


「undertale」ランク:SS

東方とマザーをこよなく愛し、サムライソウルを手に入れた外国人、toby foxが作り上げた名作。「物語の中でキャラクターが生きてる」という感覚が、これ以上に生々しく伝わる作品はない。そのあまりに高いファンタジーのため、隠し要素やセリフを全部回収することはまず不可能だ。Gルートプレイは最後にするといい。荒木飛呂彦や藤田和日郎の気持ちが分かってくるようになる。


「東方自然癒」ランク:SS(完全無料)

誰もが聞いたことがある東方プロジェクト。

―しかし、原作を超えた二次作品は恐らく“これ”のみ。

・・・・・・きみは考えたことがあるだろうか、植物という存在が消滅した世界を。 

・・・・・・きみは想ったことがあるだろうか、その運命を一身に“背負った”…一枚の“葉”の存在を。

オリジナルでやっていれば、間違いなく一世を風靡した作品。

しかし「東方」という土台でやらなければ、出来なかったこともまた事実。

作者のASATO氏は失踪してはいるが、ひとまずは完結しているので安心したまえ。間違ってもEXは絶対に手は出さないように(警告)

https://www.vector.co.jp/soft/win95/game/se491825.html(ソフト本体)

https://tkool.jp/support/download/rpgvx/rtp(必要パッケージ。共に無料でダウンロード)


アニメ

京アニ作品 ランク:SS

言わずもがな。「響け、ユーフォ二アム」の製作時に

資料として本物の楽器を買うとはありえない話だ。(褒め言葉)

圧殺的な風景画で、現実と二次元の境目を曖昧にしてくれるのはたぶん、

この会社だけ。ご冥福をお祈りする。


fateシリーズ・空の境界 ランク:S(特にunlimited blade worksから。zero含む)

staynightや空の境界に関しては、須藤友徳という男を信じろ。

きのこも認める筋金入りのファン、彼がいるならきっと大丈夫。


……というか、よほどの事がない限りfate系は全般的に大丈夫だ。

バビロニアも信じていい。1カットに出てくるアリにすら拘ってくる製作陣もおかしいし、それに気付いて考察までし始める視聴者もおかしい。アニメでは数秒しか出ない魔法陣の資料にン十万突っ込むとか正気の沙汰じゃない。(褒め言葉)

ではここまで拘ってくるのはなぜかと言うと、製作に携わる全員が「fateはきのこ。そこに関わる以上、その名を汚すことは赦されない」と自覚して取り組んでいるからである。



マンガ(ここからは短評)


めぞん一刻 ランク:SS

うる星はいい。らんまは悪くない。犬夜叉もいい。りんねも悪くない。 

一般的に高橋作品はコメディの多さが目立つが「めぞん」だけは別物。

これぞ元祖ツンデレ。未亡人。愛とは何か、愛とは何か。

・・・・・・ラブコメを書くなら絶対に読むべきである。


実は私は ランク:A+

昨今にしては珍しく「キャラを生かしてる」作品だ。ギャグ良し、設定良し、ストーリー良し。最後のオチは驚嘆もの。付き合ってからが長いラブコメは信用していい。


マスターキートン ランク:S

過去を想い、人はそこにファンタジーを感じる。その点考古学と保険金、愛に憎悪に血に涙に歴史に戦争に友情、その上さらに推理ものまで掛け合った本作は一言で言えば非ッッ常に「エモい」。たった一巻読んだだけで「これは名作だ!」と魂で感じられるこのような作品はそうはない。


手塚治虫作品 ランク:A+

アトムやトリトンなどの子供向けの作品も良いが、ブッダや火の鳥などの伝記は非常に趣が深い。特にブラックジャックは素晴らしい。流石はマンガの神様と言った所で、狂ったように感情を、風刺を読む者に叩き付け、最後に話を切ることで読者のファンタジーを膨らませてくれる。昨今の作家もこれぐらいの気骨を持って取り組んでくれればいいのだが。


はるこ少女期 ランク:SS

一億年惑星による完全無料の連載マンガ。

・・・・・・・普通の人間が描けるものじゃない。

もちろんこれは褒め言葉。断言しても良いが、

今存命のクリエイターの中でのファンタジーレベルはダントツで一位。

ホント何喰ったらこんなのが描けるんだ・・・・・・・

無料なのでURLを張ろう。

http://catastrophe.dokkoisho.com/


ツイッタラー・ミュージシャン


榎宮祐 ランク:A+

嫁さん娘さん大好きなノゲノラ作者。

ツイートから惚気や家庭の温かさが滲み出てるから

恋人や妻がいない諸君はしっかり羨みながら啜ってくれ。

子供は親の背を見て育っていくのが良くわかる。



ヒャダイン ランク:A

日常の「カカカカタオモイ」でブレイク。いい曲だな、と思えば案外彼だったりする。ノリ良しネタ良しサビも良し、兎にも角にもハイテンション。


ラマーズP ランク:S

専門学校で初音ミクに一目惚れ。PVやら絵やらなにやら全部作る変t・・・・・・げほんげほん、天才ボカロP。その特徴的な曲調はラマーズ節と言われ、一曲気に入れば七十曲は気に入るという中毒性を持つ。「かわいい」という概念をそのまま歌に込められるのは恐らくこの人だけ。代表曲は「ぽっぴっぽー」に「おちゃめ機能」。また作った曲は百を超える。




ファ「・・・・・・とまあ、こんな感じだな。ともかくファンタジーは万能だ。生み出したキャラが『あのシーンを映えさせたいんだ、だからこの設定がいい!』と勝手に叫び出し、かと思えば『こんなもんじゃあの戦闘のおぞましさは、僕が振り絞った勇気は伝わらない! ちょっと貸してみろ!』と僕らの筆に手を添えてくれる事もある。もちろん筆者ぼくたちにも知識は必要だ。キャラが『こんな服が着たい!』と言っても、ファッションに疎ければ意味がないからね。まあ、そこはイラストレーターと相談すればいい・・・・・・さて、ここできみにどれくらいファンタジーがあるのか計ってみよう。知れば知るほど、レベルが上がっていくはずだ」


LV:50台 音楽(特にピアノ)のエロさが分かるようになる。

LV:60台  ファンタジーを過剰摂取すると過呼吸、徘徊、独り言が多くなる。

LV:70台  今まで見たアニメ、歌等を脳内で完全に再生できるようになる。


~~~~~~~~~~~~~~『人間』としての境目~~~~~~~~~~~~~


LV:80台  作品の設定や情景から、文章内にて記されていないことすら(作品の裏側)鮮明に映り、未完成ながらも補完することが出来るようになる。

※またここで重要なのは、ここで挙げた「補完」とは、個人の趣味に基づいたクロスオーバー等の『妄想』とは異なるということである。どんなファンに言っても「ああ、そのキャラなら間違いなくそう言う、そうなるな」と口をそろえて肯定できる、いわばトレースの類である。(例:シャミ子が悪いんだよ、等)


LV:90台  想ったキャラクターを3dで眼前に投影し、更に動かし、挙句の果てには喋らせることが出来る。


LV:95 想像で感覚を補うことができるようになる。(例:男なのに処女喪失、女なのに童貞喪失が理解できる、など。いわば“紙で指を切った”と言われ、その痛みを想像できる『あの現象』の上位交換)


LV:100 この世のありとあらゆる物事を「ファンタジー」と「リアル」のはかりにかけることができる。その個人の感受性にもよるが、一般的に「ファンタジー」は変化とそれに伴う希望、「リアル」は不変性とそれに覚える諦観の側面をそれぞれ持つ。またLv:80台から出来るようになってくる「作品の補完」が、ほぼ完成する。



ファ「・・・・・・とまあ、こんな具合だ。案ずるより産むが易し、とりあえず上の作品を一通り見聞きしてから聞きにおいで。分からなかったらいくらでも教えてあげるから」


ヤマ「はい、わかりました! とりあえず読んできますっ!」




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ファンタジーさんの創作講座。 カゲヤマ @311010612

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