四人で挑むから
メリルとも話し合い、一応……レグディスたちの上司であるエスエールさんにも伝えると、あっさりと了承してくれた。
「ところで、レグディスたちはどういったBランクモンスターと戦いたいのか決まってるのか?」
「どんな相手でもぶっ倒す……と思っていたが、やはり人型のモンスターが一番良いという結論に至った」
「そっかそっか。どんな相手でもぶっ倒すってやる気は買うけど、その方が良いだろうな」
この未開拓地、スノードラゴンみたいなBランクのドラゴンも出現するらしいからな。
四人の実力を侮ってる訳じゃないけど、まだBランクのドラゴン系のモンスターに挑むのは早い。
まっ、レグディスたちならいずれは挑むだろうけど。
「私としては、以前シュラが戦った筋肉が異常に発達したリザードマンなどがお勧めですね」
「あれって、そう簡単に現れる個体なのか?」
「珍しいタイプのリザードマンではあるでしょう。しかし、この未開拓地という場所を考えれば、また遭遇してもなんら不思議ではないはずです」
「ふ~~~ん? けどよ、そんならあの……刺青が入ったコボルトなんかも良いんじゃねぇか」
刺青コボルトか……懐かしいと思うほど前の話ではないけど、そういえばそんなモンスターもいたな。
「……シュラ、あなた忘れたのですか。そもそもあの刺青が入ったコボルトは、シャーマンの中でも特別な個体だと」
「それは……そうなのか?」
「加えて、そのシャーマンが刺青を刻むのに使用していた台座はラガス坊ちゃまが破壊したのでしょう」
そういえばそうだったな。
台座を破壊した記憶はしっかり残ってる。
「なぁ、ラガスさん。その刺青コボルトってのは、どんな奴らだったんだ? 普通のコボルトとは明らかに違うんだろ」
「そうだな、がっつり違う。普通のコボルトなら、お前たちでもあっさりと倒せる。でも、刺青が入ったコボルトの力は、Dランクのそれじゃない」
「っ……その刺青が入った個体は、ある程度本気で戦らないと、サクッと倒せないってことか」
「おそらくな。上位種になれば…………二人一組で戦った方が賢明だな」
レグディスたちの戦闘力も上がってるから、そう簡単に不覚は取らないだろうけど、一人だとなぁ…………全然万が一が起こりそうだ。
「ラガスさん、その刺青が入ったコボルトのBランクモンスターはどれ程強かったのですか?」
「俺が戦った、同種に刺青を入れてるシャーマンは魔法の達人? って感じだったな。並みの接近戦タイプのハンターだと、あのシャーマンだったら……その場から一歩も動かず倒すだろうな」
「い、一歩も動かず、ですか」
「俺が戦った刺青コボルトは、あのムキムキゴリマッチョなリザードマンよりも体が大きかった。ありゃ巨人系のモンスターって言っても過言じゃねぇな」
「私が、戦ったの、は……細マッチョの、剣士。普段、使ってない武器を、使わないと……多分、負けてた」
「「「「…………」」」」
あら、ちょっと緊張感を与え過ぎたか?
「ここら辺に生息してるBランクモンスターは、どれもそんな感じだ」
「ラストはコボルトの時もリザードマンの時もどこかしらの骨を骨折してましたしね」
「名誉の負傷ってやつか?」
「全然違います」
もし……ここで四人がやっぱりって躊躇しても、それはそれで仕方ないって話だ。
レグディスが語って機会ってやつが、この先絶対に現れないってわけじゃないしな。
「…………やっぱり、あんたらはすげぇよ。でも、俺らは四人一組のパーティーだ。今はパーティーで全力で戦って、Bランクのモンスターをぶっ倒すよ」
「へへ、そっか。うん、それで良いんじゃねぇか」
世間一般的にはそれが正しいやり方だしな。
後は人型の個体と遭遇できるのを祈るだけだ。
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