がぶっと食べられる
「まぁ~~、でもあれだよな。デス・ナイトの技術力が上がってたのを考えると、本当に良い実戦訓練になるな」
「場合に、よっては、紫電崩牙を使う、のもあり、かも」
「そうだな。場合によっちゃ、本当に使った方が良いだろうな」
事前に得ていた情報通り、四十一階層からは平気でBランクモンスターが現れる。
確か、普通に人間の言葉を話すヴァンパイアもいるんだったか?
レッサーヴァンパイアを従える支配力があるってのを考えると、リビングデッドジェネラル並みに指揮能力があってもおかしくない。
「……お二人とも、本当にワクワクしてますね」
「んだよメリル、お前はワクワクしないのかよ」
「ここにももう一人……ともう一体いましたね。私としては、これから遭遇するモンスターを相手にして、己の技術力を高めるのに精一杯ですよ」
……メリルが嘘を言ってるとは思えないけど、何だかんだでこの前トロールとかタコキメラを一人で倒してたからな……デス・ナイトは相性が悪いかもしれないけど、多分何だかんだでワクワクしながら楽しむ余裕は……あるよな?
「あっ……宝箱」
「おっ、本当、だ…………ちょっと待て。なんか……すげぇ嫌な予感がする」
とりあえず狼竜眼で鑑定鑑定……うげ、やっぱり。
「なんですか、その酸っぱさ全開な顔は。とんでもない罠でも仕掛けられているのですか?」
「そういう感じじゃ……いや、寧ろ正解っちゃ正解か。あれは宝箱に擬態したミミックだ」
「ッ!!! なるほど、そうでしたか。ラガス坊ちゃまがその様な表情を浮かべるのも納得です」
「そうだろそうだろ」
宝箱の前にトラップがある訳じゃないから安心?
確かに一定の距離まで近づかなかったらミミックも反応しないから、そこは同じかもな。
でも、ミミックはただ巨大な人食い箱に変形するだけではなく、超すばしっこい……らしい。
実際に対峙したことがないから詳しい速さは知らないが、箱という体系であるにも関わらず、超跳び回る……って、ギルドから買った情報にあった。
「……とりあえず、この距離から見えてるんだし、じっくりここから倒すさせてもらうか」
とはいっても、俺の遠距離攻撃だと……あっ、狼牙瞬雷を使った斬撃なら殺れるか。
「ラガスさん、俺もやるっすよ」
「オッケー。んじゃ、二撃目頼むぞ」
「了解っす!!」
「………………ハッ!!!!!」
「セイッ!!!!!」
抜刀雷閃。
その直後、シュラの鬼火を纏った剛力刃で追撃。
「ジャバ、ギャバババババババっ!!!!????」
「……うん、丁度良かったみたいだな」
「やや過剰攻撃に思えましたが」
「いや、そんな事ないと思うぜ。ぶっちゃけ、俺の攻撃だけで仕留めるつもりだったけど、多分切断出来る寸でのところで俺の斬撃刃は止まった」
「ッ……嚙みつく力と移動力だけではなく、耐久力も並ではないのですね」
耐久力というか防御力というか……生命力? とにかくそこら辺が予想よりも上回っていた。
あれを本気で耐えたところを見ると、追撃としてシュラの斬撃刃を放って正解だったな。
「あっ、袋が、落ちた」
「みたいだな……この仕様に関しては、結構謎だな」
ミミックを倒すと、一つの袋……小さめのアイテムポーチが出現する。
「ミミックの体内は亜空間とも言われていますから、その体質を考えると、割と筋は通っているのかもしれませんよ」
「それは……そうかもしれないな」
そしてこの袋、得た情報によると……中身に複数の宝石が入ってるらしい。
「さてさて、本当なのか……は、ははは。どうやらマジだったみたいだな」
アイテムポーチの中に手を突っ込むと、複数の何かを掴むことに成功。
それらを取り出すと……その正体は、情報通り圧倒的な輝きを持つ有名どころの宝石たちだった。
「凄い輝きですね。これだけで一つの財産になりますね」
「戻った、ら、売る?」
……どうやらうちの女性陣はそこまで興味がないみたいだ。
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