女性に言っては駄目

「こ、これ以上は……何も、喋ることは、ない。だから、もう殺して」


「あぁ、分かったよ。じゃあな」


何十回と魔弾と回復弾を浴びせた結果、ようやくアジトの場所を吐いた。

その場所が嘘だという可能性もあるが……まぁ、ルーフェイスの鼻があればおそらくなんとかなる。


「あ、が、ぐが、う、な、なん、で、え」


「ば~~~か、お前らみたいな連中はアジトを吐いたぐらいで、楽に殺すわけないだろ」


戦闘中の奴らは仕方ないからサクッと殺したが、残ったお前は時間を気にすることなく殺せる。

四肢や体に小さい魔弾を浴びせ終えてから額を貫いた。


「あ、くま……」


「お前らみたいなクズの方が、善良な市民からすれば立派な悪魔だっての。なぁ、お前ら」


「そうですね。楽に殺さなかったとはいえ、比較的直ぐに殺しましたし……ラガス坊ちゃま、もう少し苦しめてから殺すことも出来ましたが、良かったのですか?」


「……あぁ、大丈夫だ。俺はそこまで鬼じゃないからな」


「二人ともあれっすね。俺よりよっぽど鬼っすね」


あらら、鬼人族に自分より鬼らしいって言われちまったよ。

確かに情報を吐いたバカにこれ以上痛めつけるのは悪魔と言われてもしょうがない部分はあるかもしれないが、こいつら……絶対にこれが初犯じゃなかった筈だ。


いや、初犯でなくともこういう事をする馬鹿に容赦する必要はないんだけどな。


鬼と呼ばれるのは仕方ないかもしれないと思うが、あんまり女性には言わない方が良いと思うぞ、シュラ。

ほら、メリルの表情がどんどん険しくなってる。


「とりあえず、折角アジトの場所を聞き出せたんだ。今から潰しに行こうと思うが……良いよな」


一応全員に確認を取る。

もしかしたら近くの街に報告して、他者に任せた方が良いと思う者がいるかもしれない。


そう思うのは決して間違ってはいない。

こういった仕事は冒険者や騎士、兵士たちのものだ。


貴族の令嬢や令息、その従者が出しゃばっていい領域ではないかもしれない。

ただ……どうやら俺の意見に反対する者はいなかった。


「分かった……だが、セルシア。気分が悪いのであれば、残っていても構わない。その場合はキリアさんとルーンも一緒に居てもらう」


さすがにこんな道中で公爵家の令嬢を一人にする訳にはいかない。

いや、どうせなら万が一を考えてシュラかメリルを置いた方が良いかもしれないな。


俺とルーフェイス、あと一人いれば始末する戦力としては十分な筈だ。


「ラガスも、行くのでしょう。なら、私も……絶対に行く」


……これはここで待っててくれって言っても、絶対に着いてきそうだな。


「分かった」


死体を速攻で埋め、直ぐに出発。


下っ端が吐いた場所に向かって走る。

途中でモンスターとすれ違うが、今回はガン無視して進む。


仮に追いかけてくるようであれば、魔弾で即座に仕留める。

ロックオンと速度アップの効果を付与した魔弾であれば、そこまで強くなモンスターなら瞬殺できる。


もし……仮にあそこで、下っ端が嘘の情報を吐いていたとしても、ルーフェイスは盗賊がどんな匂いをする奴らなのか覚えた。

であれば、そんなゴミみたいな匂いが集合している場所に向かえば、きっとそこがアジト。


『ラガス、見つけた!!!』


直ぐに手を上げて皆に止まるように合図を出す。


ここから先はなるべく声を出さずに進みたい。

見張は三人、か。

どうやら丁度良い洞窟に隠れているみたいだな。


数は……だいたい三十から四十ってところか。

正確な強さまでは分からないが、おそらく俺たちなら倒せる。

というか、本気で桁違いに強い奴がいれば竜魔法を即座に使う。


音玉を使って全員に情報を伝え、まずは見張りの三人を殺す。

指先に二つと宙に一つ魔弾を浮かべ……確実に頭部を貫く!!!!!


「……よし」


上手くいった。

頭部を貫いた瞬間、勢いを止めることに成功。


これで貫いた魔弾が岩を砕くことなく、音で奥の連中に気付かれなかった……筈。


「潰しに行くぞ」


生きた状態で街に持って行けば金を貰えるんだろうが、そんな物に興味はない。

全力で潰しに行く!!

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