今造れる最高の一品を
結構良い感じのが揃ってるよな~~。
値段もそんなに悪くないし……でも、この中だとやっぱりワイルドタイガーの牙や爪は欲しいかな。
目の前にある素材の元の強さを考えると、ワイルドタイガーは多分……一番上だよな。
リザードやコボルトジェネラルもそれなりに強いとは思うけど……総合的に考えると、やっぱりワイルドタイガーかな。
ブラックウルフも悪くはない……ただ、ヒポグリフはちょっとないかな。
ヒポグリフ自体は翼が生えてるから空を自由自在に飛べるけど、こいつの素材を使ってもそういう効果は付与されなさそうだしな……うん、やっぱなしだ。
「良いのはありましたか、ラガス坊ちゃま」
「あるね。だからちょっと悩んでる。全部混ぜれば良いって訳じゃないからな」
使う素材を増やせば増やすだけ付与できる内容が増えるけど、効果が中途半端になる可能性が高い。
同じ特性を持ったモンスターの素材や魔石を一緒に使えば、良い感じに効果が発揮されるから……なるべくその辺りを見極めて造りたい。
……やっぱりこの三体かな。
「すいません、ワイルドタイガーとコボルトジェネラル、それとブラックウルフの素材と魔石を買います」
「かしこまりました、箱に詰めますね」
鉱石は亜空間の中に入っているので問題無い。
そして店長が素材を少々値引きしてくれた。
別に金には困っていないが、普通に嬉しかったのでその値引かれた額で買い取った。
「よし、買い物はこれで終わりだな」
「当たり前ですが、脚力を強化するのがメインですね」
「リーベの能力を活かすにはそれが一番良いと思ってな。それに……やっぱりライド君が持っているスキルがなぁ……」
光魔法には確か自身の移動速度を上昇させる魔法があったはず……やっぱり主人公タイプなだけって、本当に優秀だよな。
「ラガス坊ちゃまがそんなに実力を気にするとは……本当に平民の方なのでしょうか」
「もしかして貴族の隠し子だったりするってことか?」
「仮にそうだとしたら、その優秀さにも納得出来ます。本人が努力をしてないとは思いませんが……生まれ持った才能がやや大き過ぎるかと」
……そう思ってしまうのは仕方ないかもな。
俺と同じ貴族の子供、平民の子供達だってライド君の才能には嫉妬するだろう。
自分にだって才能があればもっと強くなれるのに……って思うだろうな。
まっ、それはちょっと間違ってるんだけど……じゃなくて、ライド君が貴族の隠し子か否かって話だよな。
「確かに大きな才能を持っているとは思う……でも、そんな驚きの事実があるなら、既にリーベが調べていると思うんだよな」
「……それはそうですね。少々考えが足りませんでした」
「いや、俺もメリルの言葉を聞いてもしかしたらって思ってしまったよ……それ程に、身に着けている実力は既に学生離れしている」
マジで凄いよ……俺みたいに転生者とか、貴族の子息や令嬢の様に鍛える環境が整っていないに、そこまで実力を高めているのは素直に賞賛に値すると思っている。
ただ……今回は負けてもらうぞ。
リーベにも自分がアザルトさんを幸せにしたいという、強い意思があるからな。
「ラガスさん、これからどうしますか? 直ぐに学園に戻るっすか。それともちょっとブラブラしますか?」
「……折角だし、ちょっとブラブラしてから帰るか」
まだまだ王都を散策しきれていない。
俺が興味あるのは武器、防具、マジックアイテムを売っている店。
あとは闘技場とかだけど、まだ見れていない場所は一杯ある。
それと、出店のレベルも高いから買い食いだけでも十分に楽しい。
学園の食堂で食べられる料理も美味いけど、こういった場所で食べる料理も違った美味さがある。
そして軽く王都を散策し、特別寮に帰ってきてからは夕食の時間になるまで魔靴の製作を続けた。
この素材で……今俺が造れる最高の一品を造り上げる。
絶対にリーベが勝つために!!
一旦作業を中断し、飯を食べてから寝るまでになんとか製作を続け、リーベ専用の魔靴を完成出来た。
「よしっ!!!! ……はぁーーーー、結構集中力使ったな。でも……良いのが造れた。名前は……レイジファングだ」
やべ、造り終えたら凄い勢いで睡魔が襲ってきた。
風呂に入ったらとっとと寝よう。
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