素材を活かすには
ロウレット公爵家の当主から送られた素材を元に魔靴を造り始めたいんだが、素材の種類を考えるとまるっきりセルシア・ロウレットと一緒にしない方が良いんだよな。
「深風石やライトニングウルフの魔石とかの素材は鋭さや速さを効果に持たせるって事で良い。ただ肝はバイドシャークの牙だな」
ミスリル鉱石は魔靴の耐久を上げるのと魔力の伝達速度を速める為、そしてワイバーン亜種の牙は深風石と同じように鋭さ、運良ければ竜殺しの効果も付けれるかもしれない。そこは俺の腕によるけどな。
最後にバイドシャークの牙に関してはただ魔靴から刃を出して斬るってだけじゃその効果を発揮出来ないんと思うんだが・・・・・・斬るってワードから離れた方が良いのかもしれないな。
その日は殆どアイデアを出すのに時間を使ってしまった。
「ラガスも大変ね」
「他人事みたいに言いますね母さん。結構神経削る出来事だったんだけど」
うん、紅茶が美味い。
やっぱりリラックスして休息を取る事も大事だな。
「ラガスの気持ちは解ってるつもりよ。私だってハンター時代は指名依頼とかで爵位の高い貴族から依頼を受けた時、報酬の良さに嬉しさはあったけど半分は面倒って気持ちはあったもの」
「やっぱり言葉遣いには気を付ける様にしてたんですか?」
「そりゃ勿論気を付けるわ。相手も私達ハンターがそこまで丁寧な言葉遣いが出来ないって解っていても、限度ってものがあるでしょうからね」
やっぱりそうだよな。
俺も学校を卒業すれば一ハンターになる訳だからその辺りは気を付けておいた方が良いか。
まっ、考えている事が上手く進めば王都にいる間はそこまで気にしなくて良いかもしれないが。
「それにしてもその魔靴ってマジックアイテム中々良い武器ね。お母さんにも造ってよ」
「良いですけど、この辺りのモンスター達だと母さんの実力に見合う素材や魔石は手に入りませんよ」
「別に構わないわよ。ラガスが創った魔靴が欲しいだけなんだから」
父さんも似たような事言ってたな。
今度婚約者を連れて家に帰って来るカロウス兄さんの分も造る予定だから別に構わないけど。
「良いよ。でも、後最低でも二つは造る予定だからちょっと時間掛かるよ」
「それぐらい全然待つに決まってるじゃない。依頼として来たロウレット家の当主様のやつを最優先で良いからね。高性能なマジックアイテムも貰ったんだし」
「高性能すぎてあまり人前では使えない気がするんだけどね」
刃が伸びたり縮んだり、攻撃を吸収したり放出するぐらいなら珍しくはあっても無い訳では無い魔剣だと思うが、アビリティを吸収してストックするって効果は本当にヤバい。
だが、人前でそれを使えばアブストエンドを使えば、アビリティが無くなった原因が切られた魔剣に原因があるんじゃないかって気付く奴は絶対にいる。
アビリティを吸収するにしても、吸収したアビリティを人前で使うのは絶対に控えた方が良いな。
「それでバイドシャークの牙の扱いについて困ってるんだっけ? 何度か戦った事あるけど、絶対に歯で挟んだ獲物は離さないって執念があったわね。潜水のアビリティ使って水中で戦ってたんだけどあまり慣れていないからやっぱり相手にするには難しくてね。他のパーティーで合同で戦ってたんだけど、他のパーティーのハンターが胴体を噛まれるのは上手く避けたけど、腕は食い千切られてたね」
「エグイ事サラッと言うね母さん。でもそれだけ顎の力と牙の鋭さが半端ないって事は解った」
顎の力か。でも、バイドシャーク顎の骨がある訳じゃ無いからな。
いや、その食い千切るって部分を参考にしたらいいのか。
「ふふ、何か思い付いたって顔してるわよ」
「うん。母さんの言う通り良いアイデアが浮かんだ」
攻撃の種類を変える時に刃や大きさも変えてみるか。
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