あまり知らなかった
「へぇーーー、鉱山って感じが・・・・・・というより匂いがするな」
人に管理されていない鉱山だから鉱石があるのか分らないけど、ちょっとは期待しても良さそうだ。
「? 紙とペンを取り出して何をするんですか?」
「簡単な地図でも書いておこうと思ってな。このバカでかい鉱山を一日で回りきる事は不可能だからな。ここのポイントでは既に採掘を終えたってのが直ぐに分る方が良いと思ってな」
「それは確かにそうだな。既に採掘した場所が分れば無駄な時間を消費せずに済むし」
「そういうことだ。っと、一応使っておくか・・・・・・エレメール」
獣魔法の内の一つ。嗅覚が上昇する強化魔法。
動物の中でどいつが一番鼻が良いのか。同じ科でも個々によって鼻の良さに際はある。
だが種族全般を比べると象が一番の嗅覚を持っているらしい。
匂いを判別させる範囲も調節出来るから多くの匂いが鼻に入って混乱する事も無い。
てか、早速違う匂いが漂って来たな。
けどこれは鉱石系の匂いじゃない。敵のお出ましか。
『・・・・・・臭いね。もしかしてゴブリンかな?』
「半端なく臭いな。俺もルーフェイスと同じくゴブリンだと思う」
これは臭いというか、もはや悪臭だよな。
現れたのは十近いゴブリンと上位種が三体か。特に問題ない相手か。
「半分は私がやります」
「分った。ならもう半分は俺が倒す」
周囲に魔弾を生み出し、そのまま真正面から放つ。
軌道や狙いがバレバレの打ち方だけど、ゴブリン相手にそこまで頭を捻る必要は無いからな。
結果、俺の魔弾を避ける事が出来たゴブリンは一体もいなかった。
そしてメリルが放った太い針は寸分狂わずゴブリン達の喉元に命中していた。
「・・・・・・一応魔核だけは回収しておくか。ルーフェイス、周囲の警戒を頼む」
『任せて!!!』
さて、解体する訳じゃないからそう時間がかからず終わる。まだ時間には余裕がある。焦らず進もう。
「ラガス坊ちゃまは何か目的の鉱石はおありですか?」
「目的の鉱石かぁ・・・・・・まぁ、普通に練習用として鉄鉱石は欲しい。それと出来れば魔鉱石が欲しいな。そいつをベースにして魔靴を作るつもりだからな。最終的にはミスリル鉱石とかで造れれば良いんだけどな」
けど父さん達曰く、滅多に見つからない鉱石らしいんだよな。
買うにしても阿呆みたいな金がかかるらしいし。
でもミスリル鉱石で体が出来ているモンスターがいるとも言っていたな・・・・・・・・・・・・いやいやいや、無理だ無理だ。
今の面子で戦っても勝てる筈がない。
ミスリル鉱石は魔法に対して高い耐性を持っているからまず俺の魔弾と音魔法は殆ど意味を為さない筈。
なら打撃で戦えば良いのでは思うがそういう訳にもいかない。
単純に他の鉱石とは比べものにならない程堅い。
実際に見た事も触った事も無いから確証がある訳じゃないけど、父さんと母さんの話を聞く限りメリルは悪いが戦力外。シュラも今の力じゃ流石に厳しいだろうな。
ルーフェイスの本気を知らないから断定は出来ないけど、流石に難しいと思う。
俺に関しても竜魔法を使っても・・・・・・正直無理だろうな。
「ハンターとして冒険していればラガス坊ちゃまならいずれ手に入れる事が出来る筈です」
「だと良いんだけどな・・・・・・よし、魔核の回収も終わったし出発だ」
死体は・・・・・・他のモンスターが勝手に食べるだろう。
『ラガスはミスリル鉱石っていうのが欲しいの?』
「ああ、その鉱石が手に入れば小躍りするかもな。でもそう簡単に手に入る鉱石じゃないらしいからなぁ・・・・・・学校に入学する前にお目にかかる事は出来ないよ」
『お母さんが人が管理していない鉱山なら珍しい鉱石があっても可笑しくは無いって言ってたよ』
珍しい鉱石。それがどの鉱石を指しているのか分らないけど・・・・・・ワンチャン、手に入る可能性が無きにしも非ずってところか。
・・・・・・・・・・・・ははっ、ちょっとテンション上がってきた。
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