そんな大した事は無い
「そうか・・・・・・お前がそう言うなら確かな当てが有るのだろう。ただ・・・・・・ちゃくちゃくとお前に面倒事に巻き込まれそうな要因が増えていくな」
「うっ! それは確かにそうですね。というか父さんにそう言われると改めて実感します」
まず容姿とスタイルがそこら辺の同年代と比べて頭二つか三つは抜けているメリル。
そして二つ目はワイルド寄りのイケメンフェイスを持ち、高身長で筋肉もがっしりと着いているシュラ。
最後に三つ目は角と翼を隠せば見た目はブラックウルフだが、正体は狼竜という超希少なモンスター。
てか、俺自身も持っているアビリティを考えれば普通に面倒事の要因か。
「大丈夫よ。今までのラガスの武勇伝を考えればなんとか出来る筈よ」
「か、母さん。別に武勇伝なんて大した事してないから」
単純に物理で解決しただけだからなぁ・・・・・・俺の求める結果をとは違う。
ただまぁ、一応考えてはいる。
でもハイリターンだとは思うが、超ハイリスクだから今の実力だとちょっと心配なんだよな。
「それにしても中々上等な物を貰ったなラガス。俺もハンター時代に見たことはある。メインの武器として扱っている奴もな」
父さんがテーブルの端に置いている刀に目を向け、俺を視線を刀に移す。
やっぱり父さんから見ても中々に凄い刀なんだな。
ただし俺の体ではまだサイズの問題で扱うことが出来ない。
と思っていたら太刀のから脇差、短刀へと変化する能力を狼牙瞬雷は持っていた。
「ラガスが今扱える武器はアビリティが五つに体術、剣術、短剣術に槍術と刀も合わせれば十個になるわね。ラガスのならどれも中途半端にならずしっかりと実戦で扱える武器になる筈よ」
「うん。どれも実戦で扱えるようにこれから錬度を上げ続けるよ。折角こんな上等な物を貰ったんだから」
こんな価値がある武器を貰って実戦で扱えないとか、宝の持ち腐れもいいところだ。
体格的には短刀のサイズなら今の体格でも扱える。脇差のサイズだと・・・・・・ちょっとギリギリか。
太刀のサイズだと完全に扱えない。そもそも鞘から刀を抜く事すら出来ない。
「抜刀術か・・・・・・あれは中々厄介で強力なアビリティだったな」
「父さんは抜刀術のアビリティを持つ人物戦った事があるんですか?」
「ああ。摸擬戦で戦った事もあるし、一度だけ盗賊の中に刀を使う奴がいた。結構規模が大きく盗賊達も強かったのを覚えている。ギルド内で実力者を集めての討伐だったからな」
ギルド内で実力者を集めての討伐か・・・・・・それは規模が大きい、んだよな?
実力者って事は父さんや母さんレベルの強さを持っている人達を集めてって話だから、敵さんにも中々に実力を持っている奴が本当に多かったって事か。
「抜刀術を使う冒険者と摸擬戦をする前にそいつと戦っていたら致命傷を喰らっていた可能性は十分にあった。当時俺もハンターになってからそこそこ月日が経っていて着実と強くなっていたから少し自分の実力に酔っていた部分はあっただろう。でも実力はランク相応のものがあった。だがそれでも扱う者の錬度によるが確かな脅威だった。それはしっかりと覚えている」
「そ、そんなにですか・・・・・・一撃必殺に近いという事ですか?」
「そうだな。持っている得物にもよるが、初級の技でさえ切断力は半端なものでは無い。だがロングソードやクレイモアと違って無理な扱いというか、極端に繊細な操作が求められる。お前のこの狼牙瞬雷ならば多少の無茶は出来るかもしれないが、それでも正しい切り方をしなければ切れ味は確実に落ち、最悪折れてしまう可能性はある」
こ、こんな高価な物を折るとか・・・・・・そんな状況に合ったら確実に固まってしまう自信がある。例え戦いの最中であっても。
・・・・・・出来る事ならそこまで価値のない刀がいくつか欲しいもんだ。
無理だろうけど。
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