自分と同じように
「えっと・・・・・・それは従魔という形で俺の傍に置いておくという事ですか?」
『概ねその通りです。この子に私と同じようにこの世界を冒険して欲しいのです。外の世界に出て、見て触れなければ解らない感情や光景があります。ただ、これは私の意志だけでは決める事が出来ません。ルーフェイスは訊かなくと大丈夫だと思っていますけど・・・・・・』
『僕は外の世界を見られるならラガス達と一緒に行きたい!!』
『この通りなのでルーフェイスは行く気満々です。私と一緒に世界を周るという手も有りますが、それではルーフェイスの成長に繋がりません。なので出来れば信用がおける方と一緒に旅をして欲しいのです』
旅に出る事はルーフェイスも了承済み、というか是非とも行きたいってって感じか。
・・・・・・ルーフェイスの口振りからすると角や羽は隠せるんだよな。
それなら別に騒がれる事も無いか?
いや、一応父さんと母さんには本当の事を言っておいた方が良さそうだな。
てか、貴族の学校に従魔は連れて行っても大丈夫なのか?
そこだけが唯一心配なんだが・・・・・・まっ、なんとかなるか。
「分りました。自分が家から出て行く時にルーフェイスも一緒に仲間として連れて行きます」
『それは良かったです。そうですねぇ・・・・・・ルーフェイス、これからはこことラガス君の家を行き来しなさい。本当はラガス君の家でこれから出発まで過ごすのが良いのでしょうが、それはそれで私が寂しいですからね』
まぁ、そりゃまだ幼い息子と離れて暮らす事になったら寂しくなるか。
でもルーフェイスと俺が街を出発して学校に入学したら当分会う事は無いんだよな。
てことはその間ずっと寂しい思いをする事になるのだが・・・・・・いや、俺よりもずっと年上だろうしそこら辺をどうするかぐらいは考えてるか。
「それじゃあ・・・・・・とりあえず今日は俺の家に来るか、ルーフェイス?」
『うん!! 今日はラガスの家でお泊りするよ』
そしてメリルとシュラがフェリスと少し会話したのち、俺達はルーフェイスと一緒に家へと戻った。
二人の表情が少しニヤニヤしているのが気になるが・・・・・・とりあえず良い事があったんだろう。
家に着くと普通に驚かれた。が、父さん達や家の使用人さん達は順応が早く、出会って十分程でルーフェイスの差モフモフの毛を撫でていた。
で、案の定と言いますか。シュラの時と同じくアリクの奴がそいつは俺にこそ相応しいと言いそうだった。
だからルーフェイスをお前に渡すつもりは無い、従魔が欲しいなら自分の力でなんとかしろと、父さん達がいる前で言ってやった。
それに父さん達もそれはそうだと同意してくれたので、アリクはルーフェイスに手を出す事が出来なくなった。
さて・・・・・・みんながいる手前ではルーフェイスはブラックウルフだと伝えたが、父さんと母さんには本当の事を伝えないとな。
そして早速と父さんと母さんと三人にだけになり、ルーフェイスの本当の種族を話した。
するとまぁ・・・・・・開いた口が塞がらない状態になった。
「・・・・・・ら、ラガス。それは本当、なのか?」
「はい。まだ角を出すと力の制御を誤ったり翼で空を自在に飛ぶ事出来ないようだけど、それでもルーフェイスの母親であるフェリスさんはしっかりと角と翼が生えていました」
「そ、そうか・・・・・・噂で狼竜と言うドラゴンが存在するとは聞いていたが、それでもまさか実在するとはなぁ。しかもこの領地からそう遠くない場所に」
まず驚くポイントはそこだよな。
自分が治めている領地に規格外のモンスターが居たって分るとそれだけあたふたしてしまうものだろう。
「ラガスとしてはルーフェイスちゃんの事を基本的にはブラックウルフとして通すつもりなのよね」
「はい。鑑定系のアビリティを使われれば正体がばれてしまうかもしれませんが・・・・・・そこはなんとかなりそうなので」
面倒な事は避けたいからといえばあの宝の山から対策出来る道具ぐらいは貸してくれるだろう
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