興味があるにはある。だが無理だ

「それとじゃ、ほれ。お前さんがこの前造った奴じゃ。しっかし本当に造っちまうとはなぁ・・・・・・そういった錬金術の才は跳び抜けておるの」


渡されたのはミル―アスの街に行く前に造った義手。

義手ではあるが、魔力操作によって単純に腕の切断部分に付けづとも遠隔操作する事が出来る・・・・・・筈。

正直言って造った瞬間は完成して嬉しかったが、しっかりと作動するか不安だったからな。


「上手く作動しましたか?」


「ああ。難無く動いたぞ。鉱石は儂が提供して後はお主が手に入れたモンスターの素材や魔核が材料。低ランクのハンターには十分な代物じゃな。中堅ランクの者でも使おうと思う者もいるかもしれん。それ程までの完成度じゃ。ミスリル鉱石を使っておらんのに魔力を流す時に違和感を感じんかった」


それは・・・・・・普通に嬉しいな。

一般的な鉱石を材料にしたんじゃ義手を通して魔力を纏ったりする場合は本来の感覚と違い、多少の違和感があるらしい。


それが無いってのは、自分の腕が確かだと実感できる。


「お前さん、ここまでの腕があるんじゃったらコンバットドールを造ってみるのもありかもしれんな」


「そ、それは流石にハードルが高すぎるんじゃないですか?」


「己の十指を使って戦わせる戦闘人形、コンバットドールですか。ラガス坊ちゃまならそう時間を掛けずに使いこなせる気がしますが。コンバットドール事態も一カ月ほどあれば造れるのでは?」


いや、俺の戦闘スタイルと全く合っていないだろ。

それにナ〇トに出てくるサ〇リやカ〇ク〇ウやチ〇ばぁみたいに巧みに操れる気がしない。


「別に初めて造るコンバットドールにそこまで完成度を求めんで良い。ただ・・・・・・コンバットドールを造るとなると鉱石が圧倒的に足りんな」


「あぁ、鉱石か・・・・・・」


「ラガス坊ちゃまが丁度欲しいと言っていた物ですね」


だな。ただ、そこまで行くにも体力が不安だし、たくさん持って・・・・・・変える事は出来るか。

それでも鉱山まで行く時間と鉱石を探して採掘する時間を考えると全く足りない。


父さんは外で野宿する事を許してくれそうな気がするけど、母さんは絶対に許してくれないだろうな。


「なんじゃ、ラガスも鉱石が入用なのか?」


「入用と言うか、造ってみたい武器に鉱石が必要なんで」


「ほほぅ・・・・・・お前さんが考える武器、物凄く興味深い。是非聞かせてくれい」


「別に構わないですけど・・・・・・で、・・・・・・って感じの仕掛けがある武器を造れたらなって思ってるんですよ」


性能的には結構エグイけどな。

メリルが造った毒を組みあわせたら更に強力だ。


「それは中々面白そうじゃな。義足にも応用が効きそうじゃ。とりあえず、お主の器用さがあればコンバットドールを造る事も、それを操る事も可能な筈。暇な時間があれば挑戦してみるとよい」


「分りました。出来て損は無い事なのでいつか挑戦してみます」


興味が無いって訳じゃないからな。




「結構日が落ちて来たな。家に着いたら丁度夕食の時間ぐらいか」


「そうですね。ところで、鉱石の件はどうするのですか? ラガス坊ちゃまの魔法が有れば時間はそこまで気にせずとも実行出来そうですが」


「・・・・・・いや、鉱石の採掘をする時間も考える微妙だ。それに鉱山の中にモンスターがいないって確証は無い。俺とメリル・・・・・・あと一人ぐらいいれば役割分担をして鉱石を採掘する事が可能な気がするんだけどな」


ただ他に人を連れていこうとすると、必然的に俺がそいつを抱えなければならない。

自分一人なら問題ないが、誰かを抱えて猛スピードで走るとなると、周囲の木々などにぶつけない自信が無い。


「一先ず武器の構造だけでも練っていた方がよろしいのでは?」


「それもそうだな」


自分だけのマッジクアイテム・・・・・・俺の考える武器は魔靴って感じか。

魔靴を考えるのは普通に楽しい。


ただ、この時俺は今後新しい出会いがあるとは全く考えていなかった。

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