第16話
いつの間にか、寝てしまった。
疲れていたのか、熟睡した。
夢は、見なかった・・・
「ナンシー?」
ふと、言葉がもれた・・・
彼女の姿はどこにもなかった。
昨日の事、全てが夢のようだった。
手紙があるのかと期待したが、なかった・・・
たが、洗い物が2人分あったことに、昨日は確かにいたことを、感じさせる。
あらしの後の静けさではないが、何か物足りなくもあり、恐怖も感じる。
お寿司の容器を洗い、外に出す。
「帰る頃には、取りに来てるかな」
身支度をして、外に出た。
いつもは、朝風呂にはいっていくのだが、なぜが乗り気はなかった。
「さてと・・・」
足取りは重く感じる。
会社に着くと、冷やかされると思っていた。
でも、誰もナンシーの事にはふれなかった。
というか、その記憶はないようだった。
いとこと言っておいたので、興味を無くしたわけでもないようだ。
「あっ、財布・・・」
鞄を確かめる。
よかった・・・あった・・・
って・・・
中を見て驚いた。
「何?聖徳太子に伊藤博文?岩倉具視?なぜ・・・」
お札が旧紙幣になっていた。
恥ずかしいとは思いつつ、受付に行き、女の子に尋ねた。
「今日は、何年?」
女の子は不思議そうな顔をして答えた。
「2019年令和元年」と・・・
新聞にも、そう出ている。
スポーツ欄を見た。
【プロ野球2019年ペナントレースは、優勝は巨人と西武】
間違いない。
現代だ・・・
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